校長室ブログ

イベント その手を誰のために…

神様がたった一度だけ

この腕を動かして下さるとしたら

母の肩をたたかせてもらおう

 

風に揺れるぺんぺん草の

実を見ていたら 

 そんな日が本当に

来るような気がした

    

星野富弘さんの詩です。中学校の体育の 先生になったばかりの6月、星野さんは、クラブ活動の指導中の事故で頚髄を損傷し、手足が全く動かない寝たきりの状態になります。絶望の淵にあった星野さんが、口に筆をくわえて文や草花などの絵を描き始めたのは事故から2年後。この詩は、それからさらに5年たってから書かれたもので、ぺんぺん草の絵とともに詩画集に収められました。もう動かないとわかっている両腕が、もしもたった一度だけ動かせるとしたら、ずっと笑顔で自分のそばにいてくれて世話をしてくれるお母さんの肩を叩いて疲れをとってあげたい…星野さんの思いが胸に迫ってきます。

 

  

 

 

  

ところで、毎朝色とりどりのビオラが元気よく皆さんの登校を出迎えてくれていますよね。朝一番のごちそう(お水)をたっぷり貰った花たちは、本当に毎朝シャキーンと背筋を伸ばして、笑ってくれているかのように華やかに迎えてくれます。『らんまん』の万太郎ではないけれど、思わず話しかけたくなる愛らしさです。顔を近づけてよく見ると、水滴が残っていてキラキラと本当に美しいです。はて、このたっぷりのごちそうを花たちに毎朝与えている人は一体誰なのでしょう…???

 

自由にうごかせる私の両腕を、私は今日も自分のためだけにしか使っていないのではないだろうか…。誰かのためにというと少し大仰で気恥ずかしくなりますが、能登の地震のこともあったせいか、誰かの笑顔につながることのために使える人になりたいと、殊更にそう思うのでした。あなたのその手は誰のために…。

 

追伸1 ごちそうを与えている人が分かった人は校長室まで。

追伸2 GW前に借りた本は今3冊目。映画を2本も見たら中々進みませんでした(笑)