校長室ブログ

イベント もふもふ、がっつり、まったり、きゅんきゅん

 皆さんは、タイトルにあげた言葉を、日常の中で使うことがありますか?私は、使用頻度の差はありますが全てありますし、意味も理解できます。ほかにも「さくっと」「ごりごり(の)」などもそうです。

 文化庁が毎年実施している『国語に関する世論調査』の令和5年度結果がこのほど発表になりました。教壇に立っていた時に生徒たちによく話していたのですが、言葉というものは生き物(いきもの)であり生物(なまもの)なので、時間とともに変化(成長?衰退?)するし、新しいものや生きのイイものは世代を超えた賛同を得て定着していきます。古文の言葉がわからずに悩むことは多いのですが、今使っている言葉のルーツがわかったり、当時よく使われていた言葉を知ることができたりと、目先を変えると楽しいこともあります。新しい表現を取り入れられることもそうですし、本来の意味や歴史を知っていながら今風に用いる、なんてことができたら、それが一番格好いいのではないかと思います。

 と、言いながら…。同調査の別問題にあった、「失笑する」「うがった見方をする」の意味については、本来の意味と違う意味で認識していたことがわかって、国語の教員なのに恥ずかしくなりました。毎年この調査結果を見ていると、本来の意味ではない方が広く浸透して、市民権を得る言葉がたくさんあることがわかります。その方が時代や生活に合っていたり、感覚的にしっくりきたりするものが、権利を得ていくようです。違いだからと断罪するのは簡単ですが、なぜそのような勘違いが起こったのかを考えてみるのも面白いと思います。

 自分の中に貯めていく言葉の数を増やしていくことで、発する言葉や表現がより豊かで伝わるものになっていきます。自分の口から出る言葉の温度を意識して使いこなすことができるようになりたいものですね。最近よく見るコマーシャルで、ある中学校の男子生徒が何気なく言った「うざっ!」の一言に、女子生徒が傷ついて泣いてしまうシーンから始まるものがあります。気まずくなった男子生徒が教室を飛び出し、踊り場にいた猫に「うざってなんだ?」と諭されて「言葉は、僕だ」と気づきます。私自身もまだまだ修行中です。お互いに気持ちの良い言葉が出るようにしていきましょうね。

                                           我が家の「もうもふ」ちゃん