教職員ブログ

【教職員リレーブログ】「最近、気付いたこと。」

5月4日の夜のことです。夫が大声で私を呼んでいます。

「何の騒ぎ?」「庭にタヌキおるぞ。逃げんわ」

確かに、タヌキらしき動物が愛らしい顔で、暗闇から私たちを見上げています。外に置いてあった猫のエサを食べに来たのでしょう。しかし・・・しっぽがきれいなシマシマです。

「これ、タヌキ?アライグマじゃない?」と私。「かわいい顔や。ラスカルやな」

昭和のテレビアニメで育った夫と私にとって、アライグマ=ラスカル。愛らしいペットのイメージです。「これから庭でラスカルを放し飼いできるかも・・・」と思ったのには、一つの思い出があります。 

8年ほど前、高校時代の同級生がカナダのバンクーバーに留学し、会いに行った時のこと。バンクーバーでは、夏の夕暮れ、サマータイムで夜9時近くまで明るいこともあり、家族や友人とおしゃべりしながら散歩する人がたくさんいます。私と友人も、積もる話をしながら、近くの大きな公園を歩きました。ビーバーの作ったダムや、野鳥が見られます。そしてアライグマもたくさん見かけました。公園が人と野生動物の接点になっているのです。カナダの自然に対する意識の高さを感じる経験でした。 

 バンクーバーのアライグマ(動画)

 

ところが、早速、ネット検索したところ・・・

「アライグマは特定外来生物で害獣です。ほっておくと大変なことになります。すぐ駆除しましょう」の文字が・・・。一気に暗い気持ちになった私たち。そもそも、ラスカルがブームとなりペットとして輸入され飼われていたものが、捨てられ野生化したものだとか。

 さて、質問「最近、気付いたこと」のお答えです。

 最近、テレビで、池の水を抜き、外来種を駆除し、日本の生態系をとりもどすという番組が人気です。外国の自然保護の番組を観ていても、保護した野生動物が外来種だとわかると、ほぼ即、安楽死です。5月11日の北國新聞でも、環境省局長が「ミドリガメを飼い続けられなくなって、野外に放せば他の生物の命を奪う。涙をのんで一生を終わらせてあげるのが自然に優しいことなのかもしれない」と、ミドリガメの殺処分に触れていました。動物や植物の「外来種」を取り除き、「在来種」を守り復活させましょう、という気運が特に高まってきていると感じます。

でも、これだけ、遺伝子組み換えやら、ヒトに対してですら「デザインベイビー」が取りざたされる世の中で、在来種とか外来種とか、どれだけ意味があるのだろう。いったい日本列島のいつの時点を基準に在来としているのか、など、疑問も生じます。

それでも、とにかく、現在の自然保護の流れの中で、学術的・理性的に考えれば、やはり、日本の生態系を乱すアライグマやミドリガメは、飼えなくなったら、命を奪うことが正しい選択なのです。

しかし、しかし・・・とにかく今は、あのアライグマが我が家の庭に二度と姿を見せず、どこか遠くに逃げて、ひっそり暮し、その一生を全うしてほしいと、ただただ祈っています。

それは、やはり、身勝手だと批判されても仕方ないことなのだ思いつつ・・・。 

では、次の方への質問です。

一緒に上海の修学旅行、引率しましたね。

「これまでの修学旅行で思い出に残っていること。生徒へのお勧めや気をつけてほしいこと。」でお願いします。