5月連休を終えて
5月連休が終了し、新年度も早1ヶ月が過ぎました。今月は中間考査やインターハイ県予選会などもスタートし、これからの一日一日が、皆さんの進路実現に大きく影響してきます。
先月下旬、陸上競技の全国トップレベルの大会で日本を代表する選手が優勝しました。近年2年間、身体の故障により満足に走れない状況が続いていましたが、彼はこれまで一貫して走り方や練習方法は高校時代から自分自身で考えるスタイルを貫き、フォーム指導や練習方法などもコーチをつけずに取り組んできた28歳のトップアスリートです。
その彼が、これまでのトレーニングのままでは、自己ベスト更新すら厳しく、変化をしないことが怖いと感じて、この時期、故障のリスクを減らすことや自分の感覚だけを頼りにしていたことを見直し、コーチをつけて競技することを決断しました。
それでも全てをコーチ任せにするのではなく、自ら考えることを大事にするスタンスはそのまま崩さず、自分が気づかないことやこれまで考えていたことと違う助言をもらうこと、信頼できる人との相談を通して感じたことを自分に取り入れ、競技レベルを高めるべく練習に取り組んでいます。
自分のやり方やスタイルにこだわることはとても大切なことですが、自分の成長が実感できないときや、長い時間、壁にぶつかってもがいているとき、自分のスタイルさえ見つからないときなどには、何らかの変化がとても重要なこととなります。
今より少しでも高みを目指す生徒や、前に一歩でも歩みを進めたいと考えている生徒は変化することを怖がらず、勇気を持って変化を受け入れ、自分を高めるためにはむしろ変化してほしいと思います。
そのためにも学校行事や部活動をはじめ、校内外の多くの取り組みに対して与えられることを待つだけでなく、身近な先生方や信頼できる外部の関係者などと積極的に話をし、相談する機会を自ら作り動き出すことができるようにして下さい。
おわりに、本県では5月連休中には新規感染者が初めて40人に上るなど、感染に対する県民の危機感が高まっています。
私たちの生活や社会がより深刻な打撃を受けないためにも、昨年以上の感染対策を暮らしの中に定着させ、一人ひとりが警戒を緩めることないよう学校生活、家庭生活を送ってください。
令和3年5月6日
石川県立鶴来高等学校長 北川 博勝