2学期終業式にあたって
2学期は授業をはじめ、鶴翔祭や手取川歩行等の秋の学校行事、県新人大会などの対外行事など、少し落ち着いて学校生活を送ることができたことをうれしく思います。これも一人ひとりの生徒の皆さんが感染に対する意識を持って行動できたからではないでしょうか。
それでも秋には1年生のインターンシップが中止となり、2年生においても修学旅行が来年度に延期となるなど、十分な教育活動ができず、従来と違った考え方や取り組みが学校組織においても生徒個人においても必要となってきており、それぞれの生徒が自分の考えを明確に持って1~2年後に控えた進路の準備しておかなければならないと感じます。
最近、私が印象に残ったことを一つお話したいと思います。来年行われる予定の東京オリンピックの柔道競技で男子66キロ級の日本代表選手を決定する試合がネットでライブ中継されました。
4分間の試合時間では勝敗がつかず、延長戦を含め延々と約24分間も戦い続け、息をもつかせぬ攻防で、日本柔道の歴史に残る試合となりました。
勝った選手のコメントは、「1人の力でここまで、こられたのではなく、本当に沢山の方々の支えがあったお陰でここまでこられた。ライバルとなる対戦相手がいたから、自分がこれまで以上に強くなれた」と語っておりました。(それは敗れた選手も同様のコメントでした)
また、次の日には「これまでライバルに負けた試合は、延長に入ってから柔道が雑になる部分があった。コロナの影響で自粛生活中にしっかり走り込んだので、長い時間戦ってもスタミナが切れなかった」と取り組んでいたことを振り返っておりました。
このことはコロナ禍で先の見えない状況にあっても自分の明確な目標や課題に対してしっかりと分析すること、練習に向かう具体的な手立てをもって、今できることを積み上げていくこと、そして自分自身を高め、磨いていくには個人一人の力では限界があり、多くの人とのかかわりを通して成長することを、改めて感じた次第です。
皆さんにもそれぞれの目標や課題があり、この年末年始を利用して今一度、具体的に取り組むべきことを明確にして、新年から実行してほしいところです。
終わりに現在も教育活動に制限が加わっており、例年にない新しい年を迎えることとなりますが、新型コロナウイルス感染症対策については、今では人に言われてするものでなく、よく考えて、自分で判断して感染拡大防止に努めてください。
令和2年12月23日
鶴来高等学校長 北川博勝