宇ノ気中学校の出来事

夢の続き・・・

 昨日(3/4)、本校の卒業生である吉村匠登(よしむら たくと)先輩が稽古に参加してくれました。吉村先輩は先日紹介した志礼先輩と同級生で、宇ノ気中を卒業後、長崎県にある島原高校に進学し、3年間寮生活を送りながら剣道日本一を目指して日々稽古に励んでいました。

 先週、高校の卒業式があったのですが、その前日までこれまでと変わらないメニューで稽古をしていたそうです。志礼先輩が通っていた九州学院高校は、全国から中学時代に様々な大会で好成績を納めたタイトルホルダーが集まるいわゆる「エリート集団」に対し、島原高校はとことん稽古で鍛えて強くする「叩き上げ集団」という表現がふさわしいチームです。毎日、学校の授業が終わるや否や、我先にと生徒が道場までダッシュで集まり道場の雑巾がけから始まり、ほぼ休憩なく厳しい稽古が繰り返し行われます。

 

3年間の島原での生活はどうだった?という問いに対し、

「1年生の頃は、とにかく稽古の厳しさと、寮での1年生としての雑用が大変でした。そして、学年が上がるにつれ、選手になるため日々プレッシャーとの闘いでした。同期はもちろん、後輩もどんどん力をつけてくるので、部内戦や遠征先での1試合1試合が真剣勝負で、もう必死でした。」 

 島原高校は昨年度(令和4年度)の全国高校総体(インターハイ)で、準決勝で九州学院、決勝で宮崎県日章学園に勝利し全国制覇を果たしました。今年度は連覇が懸かった大会でしたが、残念ながらそれは叶いませんでした。 

 夢を叶える。多くの人がよく口にする言葉です。けれどそれを叶えるためには、本気で掴み取るには多くの犠牲を払わなければなりません。「遊びたい」「好きな物を好きなだけ食べたい」「オシャレをしたい」普通の高校生であるならば、当然の感情だと思います。それらを我慢して、学業以外のすべてをかなぐり捨てたとしても、夢が叶うという保証はどこにもありません。

  令和5年度北海道インターハイに島原高校は長崎県代表として出場し、吉村先輩は控えメンバーとして登録されましたが、試合に出場することなく、夢を叶える舞台に立つことすらできませんでした。 

 けれど、日本一になるという夢はまだまだ続きます。4月からは関東の強豪である国学院大学で「夢の続き」に挑戦します。

 

もう一度、高校生活を送るとしたら、島原に行くか?

「はい、行きます」

即答でした。

 

 夢という花がある。

  それはどこにでも咲くし、誰でも知っている。

    花は萎むし散っていく。

      しかし、また新しい芽が出てくる。

 

匠登 3年間本当によく頑張った。卒業おめでとう!