ペイ・フォワード

 先日はボランティア遠足を実施しましたが、生徒の感想が気になるところです。普段と違った活動で非日常を体験できるとともに、市民の皆さんにも喜んでいただけたかもと感じて、うれしい気持ちもあったのではないでしょうか?

 さて、私は犬を飼っていて毎朝出勤前に散歩をしています。そしていつもとは言いませんが、散歩中にゴミが落ちていると拾うようにしています。以前はPirikaというアプリを使って、ゴミ拾いの様子を登録して、見知らぬネット上の方から褒めてもらってもいましたが、だんだん気恥ずかしくなってきて、かえってゴミを拾いたくなくなってしまい、本末転倒と感じて今はアップしていません。ですから拾っていることは基本的に誰も知りませんが、それでもなんとなく気分がいいものです。ちょっとは世の中の役にたっているのかもという自己有用感なのでしょうか。

 ところで、ペイ・フォワードという言葉を聞いたことありますか?日本語では「恩送り(おんおくり)」と言うそうで、「誰かから受けた恩を、直接その人に返す(ペイ・バックする)のではなく、別の人に送ること」です。私のゴミ拾いは誰かから恩を受けてはいませんし、別の人にも送っていませんが、似たようなことかと思っています。強いて言えば、それぞれの方が掃除している道路・町を気持ちよく歩かせてもらっている恩や一緒に散歩してくれている犬から受けた恩を、町の皆さんに返していると思っています。本当は誰かが「受けて」くれること、つまり他人から恩を受けたと意識した人がいることがポイントなのですが、勇気のない私にはできていません。なぜ、受けたと意識した人がいることがポイントなのかというと、連鎖反応的に恩や善意が数珠つなぎに増えていくことが期待できるからです。(因みに物理で言う連鎖反応は、例えば核反応で原子核から出た2~3個の中性子のうちの最低1個が別の原子核に衝突することで絶えることなく核反応が続くことです。1個ではなく2~3個の中性子が別の原子核に衝突すると核爆発につながります。また、最近の言葉で言えば、PCRはポリメラーゼ連鎖反応・Polymerase Chain Reactionのことです。)

 ペイ・フォワードという映画があります。シックスセンスというブルースウィルス主演の映画に子役で出たハーレイ・ジョエル・オスメントが主演です。これは一言で言うと善意の連鎖反応がテーマです。大型連休中に見てはいかがでしょうか?