教職員ブログ

【教職員リレーブログ】「明と暗」

「緊張したときにリラックスする方法」・・・ぜひとも私が知りたい!かなりのあがり症です。

手のひらに「人」と書いて飲む?大きく深呼吸?一息吸うごとにますます緊張が・・・なんてことも。

そんな私ですが、最近、人に言われて気がつきました。緊張したときのルーティーン。

「明るい方を向く」、らしいです。

そういえば春にここ野々市明倫高校に異動してきて以来、よく外を眺めている気がします。(けしてぼーっとしているわけではありません。)ここは採光がとても素晴らしく、教室も廊下も階段も、どこも明るくて、ふと顔を上げれば、青い空、野々市中央公園の緑、遠く白山の峰々、艶めく瓦屋根雨の日も、窓の雨粒がキラキラ、なんて素敵!

 

さて、「明るい」方の話をして思い出した「暗闇」の話を一つ。

学生時代、オートキャンプにはまり、北海道をぶらぶらと一周していたときのこと。

今のように整ったキャンプ場ではなく、せいぜいで獣よけのフェンスと使えればラッキーなトイレ・水場があればよし、といった「野営地」で一泊となりました。

キャンパー達の明かりが一つまた一つと消え、(LEDのような長時間使える照明はなく、オイルやガス・乾電池の灯りでしたから、省エネが大事、日が暮れると早々に消して就寝するのです。)と、なにやら近くから、ガサゴゾガサゴソ。ん?熊よけのラジオは誰かがつけている。荷物と食料は車の中だから大丈夫。そういや隣のテントのおじさんが、猿はフェンスを越えてくるっていってたな。うーん、今夜は車の中で寝ようかな。

・・・と手探りでテントを開けると、あれ?・・・圧迫感さえ感じる暗闇。手探りするももちろんテント以外つかまるものもなく。

その日は新月、空は薄曇り、人里を何十キロも離れた山の中で、「一寸先は闇」だったのです。

これまでは、「都会じゃこんなん見られないなー」とか何とか言いながらの月明かり星明かり、ぼんやりと空にうつる、どこかしらの街の明かりがあって、目が慣れれば「見えて」いたものが、今日は、見えない。

 迫り来るような、それでいてどこまでも広がるような、不思議な感覚。

 

 あれから何十年たって、授業で「源氏」やら「雨月」やら「今昔」やら、灯りが消える「暗闇」のシーンを話すたびに、あの時のことを思い出します。どこかしらがいつも明るい今の時代と古典の暗闇の世界。そんな面白さも伝えられたらなと思ったりしてます。

 では、お次の方へ。「衝撃の!体験」教えてくださーい。