2025年10月の記事一覧
【防災学習】防災バスツアー
令和7年10月15日(水)創立記念日に希望者77名で福浦港、一本杉通り、和倉温泉お祭り会館、和倉温泉街の4か所で防災学習を行いました。
1.福浦港
福浦港は志賀町にある三方を山に囲まれた天然の良港。奈良時代に渤海との交易拠点として栄えました。江戸時代には北前船の寄港地として飛躍的に発展し、「加賀藩の台所」と称されるほど繁栄を極め、北陸で2番目の地位を築きました。当時の賑わいは、現存する日本最古の木造灯台「旧福浦灯台」からも伺えます。明治時代以降、鉄道網の発達により物流の主役としての役割は落ち着きましたが、現在も漁港として機能しています。
ガイドの方からは震災当日のリアルな話を伺いました。発災直後の対応、津波からの避難、避難生活のことなど実際に体験した人からしか聞けない話をたくさん聞くことができました。
2.一本杉通り
七尾市の一本杉通りは、約600年の歴史を持つ商いの町です。江戸時代には北前船の寄港地として栄え、歴史的な街並みが観光客に人気でした。しかし、2024年の能登半島地震でその街並みは一変しました。多くの建物が倒壊・損壊し、道路も大きな被害を受け、通りは壊滅的な打撃を受けました。
現在、住民や事業者は復興に向けて懸命に活動しています。復興マルシェの開催や、県内初の仮設商店街がオープンするなど、賑わいを取り戻すための歩みを少しずつ進めていることがわかりました。
3.和倉温泉お祭り会館
和倉温泉お祭り会館は、七尾が誇る4つの祭りを一年中体感できる施設です。館内には、ユネスコ無形文化遺産に登録された青柏祭の巨大な山車「でか山」や、石崎奉燈祭で担がれる巨大な奉燈の実物が展示され、その迫力を間近で感じられました。また、お熊甲祭の深紅の枠旗や、日本三大火祭りの一つ能登島向田の火祭の雰囲気も、映像と音響で臨場感たっぷりに紹介していました。生徒達からは本物を見てみたいという声が飛び交いました。
4.和倉温泉街
ガイドさんと共に和倉温泉街を散策しました。特に護岸について深く学ぶことができました。令和6年能登半島地震で甚大な被害を受けた和倉温泉の護岸は、旅館等の民有地が多く復旧が課題でした。そこで、所有者から土地の寄付を受けて七尾市へ公共帰属させることで、一体的な工事の前提を整えました。これにより、本来は石川県が担う復旧を国が権限代行する災害復旧事業として実施することが可能になりました。この仕組みにより、国直轄で護岸の迅速な復旧が進められているようです。
生徒の感想(抜粋)
・ニュースで見る以上に、道路の隆起やひび割れ、建物の損壊といった地震の爪痕が残っていることに衝撃を受けました。地震から時間が経過しているにも関わらず、復興が道半ばであることを実感し、同じ県内でも被害の大きさが全く違うということを知りました。実際に現地を訪れ、被災者のリアルな話を聞くことで、これまで知っているつもりでいた地震の被害の大きさや、復興の厳しさを深く理解できました。
・ガイドの方の体験談から、地震発生時の迅速な判断や行動、日頃からの備えの重要性を学びました。特に、地域住民同士が協力し合う「共助」が、土地勘のない観光客や避難が困難な人々を救う上で極めて重要であったことを知り、地域コミュニティとの連携の大切さを実感しました。この経験を機に、自分自身の防災対策を見直し、災害時に行動できるよう備えたいです。
・困難な状況の中でも、復興に向けて尽力する地元の人々の姿や、伝統の祭りを守り、開催しようとする情熱に感銘を受けました。お祭りが人々の心を支え、復興への活力となっていることを学びました。自分たちにできることは少ないかもしれないけど、現状を発信したり、イベントに参加したりすることで少しでも力になりたいです。
生徒達にとって被災地の現状を深く理解し、防災への意識を高めるとともに、復興を応援したいという気持ちを新たにする貴重な機会になりました。
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◇令和7年度年間行事計画はこちらをご確認ください。(年度当初の計画のため、毎月の予定でご確認ください。)
2027年に石川県で全国高等学校総合文化祭が開催されます。
◇「不登校児童生徒の保護者のための支援ガイド」について
石川県教育委員会作成のガイドブックです、次のリンクからご覧ください。 https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kyoiku/gakkou/documents/r06shiengaido.pdf