2023年4月の記事一覧
令和5年度 入学式
令和5年4月10日(月)
春の穏やかな日差しと風に包まれながら
「令和5年度 石川県立金沢商業高等学校 入学式」
が挙行されました。
新入生280名は真新しい制服を身に纏い、新しい学校生活に胸を躍らせながら入場してきました。式では、新入生を代表して端浦 惺奈さんが「金沢商業高等学校の生徒として 校訓である【自主・誇り・思いやり】を深く心に刻み 一人一人の夢に向かって 日々精進する」と誓いの言葉を述べました。
入学式後には、合唱部と吹奏楽部が校歌を綺麗な歌声で披露しました。
~ 新入生の皆さんご入学おめでとうございます。
一緒に金商の歴史の1ページを作って行きましょう ~
学校長式辞 新入生「誓いの言葉」
入学式の様子 校歌披露
【学校長式辞】
入学式 式辞
金沢市を代表する二つの川にはさまれた、この小立野の地に、春の光がうららかに注ぐ本日ここに、ご来賓のかたがたのご臨席、また、保護者の皆さまがたのご列席を賜り、令和5年度入学式を挙行できますことは、本校にとって大きな喜びとするところです。
ただ今、入学を許可した280名の皆さん、入学おめでとうございます。本校教職員一同、皆さんの入学を心より歓迎いたします。
本校は、明治33年に、全国で28番目の商業学校、その名も金沢市立金沢商業学校として、兼六園内の施設の一部を仮校舎として産声をあげました。明治40年に県立学校となったのち、学校の名称や学科の変更、校舎の移転など幾多の変遷を重ねながら歴史をつなぎ、今年で創立123年を迎えます。
その間、3万人に迫らんとする有為の人材を、国内外の各界に送り出してきました。新入生の皆さんには、本校のよき伝統を受け継ぎ、更に発展させていってくれるものと、期待しています。
さて皆さん、さる3月15日の合格発表で、合格者番号簿にご自分の受験番号を見つけて以来、これで全てが完了したように思って気が抜けてしまったままの人はいないでしょうか。本校への入学は、それ自体が目的となるものではなく、次のステージへ向けた出発点でしかないことを、まず肝に銘じてください。
本校の校訓は、「自主・誇り・思いやり」です。この三つの言葉の意味を、その心を、一日も早く皆さん自身が具体化して身につけ、自然に行動に現わせるようになってくれることを願っています。
高校生活を意義あるものにできるかどうかは、ものごとに向かう際の皆さん自身の姿勢や考え方、受けとめ方にかかっています。自分の未熟な点は謙虚に認め、志を高く持って、よい意味での楽観主義者として何ごとも楽しみながら、さまざまなことを吸収していってください。
本校入学にあたり、新入生の皆さんに期待することをあと一つ、お伝えします。
それは、あなたの周りの人とよい人間関係を築いていってほしいということです。お互いに対等で敬意を表しあい、よい意味で競い合い、よいところを認め合い、お互いを思いやり成長していく、そんな関係を周囲の人との間に築いていってください。
時には意見が対立したり、仲違いして口もきかなくなったり、かと思えばまた仲良くなったりと、そういうことはあって当然だと思います。しかしそのような経験を重ねて、よい人間関係を築くバランス感覚を身につけていってほしいのです。
人は生き物ですから、どうしても合わない人、分かり合えない人がいる、という場合もあるでしょう。しかし社会に出たら、そういう人とチームを組んで共に仕事をしていかなければならないことは珍しくありません。学校という場所は、さまざまな個性をもった人とどのように折り合い、どのような関係性を築いていくかを訓練する場でもあるのです。
ただし、よい人間関係とは、あなたが一方的に自分の主張を押し通すことだけで成立するものではありません。また、あなたがひたすら周囲に合わせ、自分の意見を譲り続けることだけで成り立つものでもありません。
よい人間関係をつくるうえで大切なことは、本当の意味でのコミュニケーション力です。具体的に言うならば、何かの課題に対し、自分の意見を言い、他の人の意見を受けとめ、意見が対立する場合は対立する両者の落としどころを探り、課題解決のための提案ができる力、そしてその課題に関係する人たちから「自分の意見とは少し違うけれど、でも、あなたの提案で一度やってみようか」と合意を得ることができるような提案力とフットワークの軽さ。これらを一言で言うなら「合意形成力」となるでしょう。
本校での三年間、皆さんには金商デパートを始めとして、教室だけの学びではない数多くの実践的な学びの機会が与えられます。どうかその機会を存分に活用し、合意形成力を身につけ、豊かな人間関係を築いていってください。それらは皆さんが社会人となったとき、皆さんが自立して生きていくことを助ける大きな力となるはずです。
保護者の皆さまがた、お子様のご入学を心からお祝い申し上げますと共に、今日に至るまでのご尽力に対し、深く敬意を表します。
これからの三年間は、お子様がこれまで以上に大きな悩みや課題に直面する時期でもあります。そんなお子様の心に寄り添いつつ、ときには「お子様自身の成長を信じて待つ、見守る」という姿勢も大切にしていただきますよう、お願いいたします。親はどうしても我が子かわいさの余り、子供が歩く道筋をすべて準備し、失敗しないように先回りして動いてしまう傾向があります。しかし失敗は、次なる成長へのまたとない機会でもあります。その失敗をどのように受けとめ、どのように折り合いをつけ、どのように乗り越えていくのかを共に考えてあげてください。時代が変わるスピードは速く、お子様たちは、大人の経験に基づいた助言が過去に比べて余り役に立たない、そんな未来を生きていきます。ぜひ「自ら考え、判断する力」を身につけるため、ご家庭でもその環境づくりを意識していただけたら幸いです。
お子様が自立した社会人としてこの学び舎を巣立っていくその日まで、本校教職員、一丸となって力を尽くして参ります。どうかお子様の健やかな成長を、ご家庭と学校とが協力して支えていけますよう、本校の教育活動にご理解とご支援を賜れますことをお願い申し上げます。
最後になりましたが、新入生の皆さんに、高浜虚子作の次の句を送り、式辞といたします。
春風や闘志抱きて丘に立つ
令和5年4月10日
石川県立金沢商業高等学校長 山崎 しのぶ
~高校生が運営する株式会社~
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