~各式典より~

平成29年4月10日 入学式 式辞より

 新入生の皆さん、今皆さんはこの鶴来高校で何をしようと思っているのでしょうか。進学や就職向けて頑張りたい。部活動に燃えたい。苦手な勉強を少しでもわかりたい。そのために学び直しをしたい。人と上手くつきあえるようになりたい。そんないろいろな思いを持っていると思います。ぜひその思いを実現させてください。
 さて、こうした自分の思いを実現させるときに必要なことは何か。それは、まず今の自分ができることをきちんとやっていくことだろうと思います。そんなことは当たり前だと思うかもしれませんがそう簡単なことではありません。
 「小さい勇気こそ」という東井義雄さんの詩があります。
 
 人生の大嵐がやってきたとき それがへっちゃらでのりこえられるような
 大きい勇気もほしいにはほしいが わたしには小さい勇気こそほしい
 わたしのたいせつな仕事を後回しにさせ 忘れさせようとする小さい悪魔が
 テレビのスリルドラマや漫画に化けて私を誘惑するとき
 すぐそれをやっつけられるくらいの 小さい勇気でいいから
 わたしはそれがほしい
 もう五分くらい寝ていたっていいじゃないか けさは寒いんだよと
 あたたかい寝床の中にひそみこんで わたしにささやきかける小さい悪魔を
 すぐやっつけてしまえるくらいの小さい勇気こそほしい
  (中略)
 紙くずが落ちているのを見つけたときは 気がつかなかったというふりをして
 さっさと行っちまえよ 風ひきの鼻紙かもしれないよ
 不潔じゃないかと呼びかける小さい悪魔を すぐやっつけてしまえるくらいの
 小さい勇気こそわたしはほしい
 どんな苦難ものりきれる 大きい勇気もほしいにはほしいが
 毎日小出しにして使える小さい勇気でいいから それがわたしはたくさんほしい
  (後略)

 新入生の皆さん、皆さんもこの「小さい勇気」をたくさんほしいと思ったことはありませんか。自分の思いを実現しようとするには、慌てなくても、焦らなくてもいい。ただ、日々の生活の中で小さい勇気を絞り出して、今の自分ができることを一つ一つやり続ける。そして思うようにできなかったときも、そこでやめてしまわないこと。気持ちを立て直して小さい勇気を出しながら、またやり始めることが大切なんだと思います。そうすれば、少しずつ少しずつ自分が思う自分に近づいていけるはずです。3年間チャレンジしてください。