日誌

GIGAスクール構想(学習場面での情報端末の活用)について

校庭や夕陽ヶ丘の桜も満開の中で行われた入学式及び始業式から約3週間が過ぎました。学校の中には、新しい学年を頑張ろうとする子どもたちのやる気がみなぎっています。そして、この子どもたちの新鮮なやる気を大切にして教育活動をすすめていこうと、私たち教職員も緊張の毎日です。

さて、令和3年1月、文部科学大臣が有識者に対し「新しい時代における幼稚園から高等学校までの各段階での教育をどのようにすすめればよいか」を諮問した(意見を求めた)ことについての答申(回答)が発表されました。この答申では、急激に変化する時代の中で子どもたちに

一人一人の児童生徒が、自分の良さや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値ある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り開き、持続可能な社会の作り手となる

ことができるよう、その資質・能力を育成するとした上で、2020年代を通じ、「令和の日本型学校教育」として、「全ての子どもたちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学び」を実現することを目指すことが提言されました。そして、個別最適な学びをすすめるためには、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整えなくてはならないということで、現在、日本全部の学校ですすめられている取組が『GIGAスクール構想』になります。

ご存知の通り、私たちの身の回りにはパソコンをはじめ、スマートフォンやタブレットなど情報端末と呼ばれるものが珍しくない時代に入っています。しかし、これが学習面に活用されている割合は、実際にはそれほど高くはありません。日本の場合、むしろ、低いというのが現実です。

[PISA調査2018]

 ・学校外(家庭)で、一人用ゲームで遊ぶ割合

               … 日本の子どもは世界一多い

 ・学校外(家庭)で、学習のためにインターネットを使う割合

               … 日本の子どもは世界一少ない

PC、スマホ、タブレットなどのディバイス(装置)が普及し、今後もさらに発展していく時代であるにもかかわらず、子どもの家庭における学習場面ではその良さを活かしきれていないということになります。今回のGIGAスクール構想では、子ども一人に一台のタブレットを準備し、鉛筆や消しゴムといった文房具と同じように、学習場面で当たり前に使うことで、子どもそれぞれの学習に役立てたり自校だけではなく他の学校とも一緒に学んだりすることが出来るようになることを目指しています。鳳至小学校でも2021年に入り、1月にWifi環境を整備する工事が行われ、2月にはタブレット収納庫の設置、そして、3月末に児童と教師分のタブレットが入りました。現在は、子どもたちがタブレットを使えるように準備(個々への割り振り、アカウント設定、バージョンアップ等)をすすめており、ゴールデンウィークあけから子どもたちが利用できればと思っています。授業でどのように使っていくかについては、職員研修もしていますが、手探りの状態であることは否めません。また、子どもたちの発達段階によって、できることとできないことはありますので、1・2年生(低学年)では撮影や記録、ローマ字を学ぶ3・4年生(中学年)でキーボード入力、そして5・6年生ではプレゼンテーションに利用したり、表やグラフを作成したりする力を養うことを基本に、授業を重ねる中で、子どもたちと一緒に成長していきたいと考えます。今後、授業等を見られて、ご意見やご感想がいただけたら幸いです。

学校長 山 岸 茂 樹