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自分に自信を持てる子どもたちに!

                      自分に自信を持てる子どもたちに
                                 


 最近、自己肯定感が低く、自分に自信を持てない若者が増えてきているとよく聞く。
 昨年の夏、大学時代の友人と久しぶりに会い、話す機会があった。その友人は、ある企業の人事部で新規採用に関わる重要なポストに就いているそうだ。当然、将来企業を背負っていく人物を面接等を通して選考するわけであるから、学生もそうだが、企業にとっても真剣勝負である。
 採用条件等を聴いてみた。友人は、開口一番「コミュニケーション能力だ。」と言い切った。また、それに付け加え「やる気はもちろん、自信を持って自己表現できるかどうかも選考の大切なポイントだ。」とも言っていた。そうなれば、自己肯定感が低く、自分に自信を持てない若者では、その条件に当然当てはまらない。また、自立して地域の中で生活していくためにも「コミュニケーション能力」はとても大切なツールにもなってくる。
 さて、鳳至小学校の子どもたちはどうであろうか。
 学校での子どもたちの様子を見ると、多くの子どもたちが元気で活動的であり、あいさつがとても上手である。また、アンケート調査結果から「自分によいところがある」という自己肯定感が昨年度よりも高まってきている。しかし、まだまだ自分に自信が持てず、授業中や全校児童の前では恥ずかしがって萎縮してしまい、自分の思いを表現したり行動にうつしたりするのが苦手なところがある。
 私は、鳳至小学校すべての子どもたちに、自分に自信を持ってほしいと思っている。そのために今年度の取り組みのキーワードを、「わくわく」「どきどき」「感動」とした。
 子どもたちが意欲的に活動できるように「わくわく」「どきどき」する場を設定し、子どもたちが達成感、成功感等を味わうことができるように「感動」する場を設定する。このように意図的に場の設定をしていけば、子どもたちが意欲的に活動する場面が増え、達成感、成功感等を味わう機会が増える。このことを通して、自分に自信を持ち、場に応じて自らの思いを表現し行動できるようになってくると信じている。 
 しかし、これだけでは足りないと思っている。つまり、やらせるだけ、味わわせるだけでは、意欲が半減してしまうからである。
 では、どうすれば「次も頑張るぞ」「次こそ頑張るぞ」「次も楽しみだ」等という意欲が継続していくのか。また、本当の意味での達成感、成功感等につながっていくのか。それは、「評価」だと思っている。もっと簡単に言えば「誉める」ことである。
 昔から「子どもは誉めて育てる」とよく言われているが、私たち大人は、毎日どれだけ誉めているだろうか。子どもたちは、どのような子も認められたいという思いを持っている。そのために必ず期待に応えようとしているのである。意外と私たちは、子どもたちのそのような行動を見逃し、気になる部分だけを、「あなたのために」という思いで注意することの方が多いのではないか。
 子どもたちが、周りから認められ誉められる回数が多ければ多いほど、自分に自信を持てるようになってくるはずである。日々の「○○してくれてありがとう。」「さすが」「よう頑張ったな」等の何気ない言葉がけが、今の子どもたちには本当に大切になってくる。
 まずは、小学校の間に、私たち大人が「誉めて育てる」という共通の認識に立ち、「自分に自信を持つ」という「コミュニケーション能力」の素地を養っていきたいものである。