日誌

この1年を振り返る

3月18日(金)、春の花の咲き出しを促す催花雨(さいかう)の中、第51回の卒業証書授与式が行われました。コロナウイルスの影響もあり、一昨年度・昨年度とご来賓や保護者の参加が制限された卒業式でしたが、今年度は4年ぶりに制限のないフルバージョンの卒業式ができました。今年度は鳳至小学校単独で行う行事は全て予定通り行うことができた一年であり、式中、卒業生・在校生それぞれが、この一年を振り返る場面では、「当たり前と思えることが当たり前にできることの喜び」を強く感じさせられました。

 

【主体的で対話的な深い学び】

 「人生100年時代」を意識し、自主学習力を高める」ために「文章を正確に読み取ったり相手の話をしっかり聴いたりしながら、自分の考えを再構築出来るようになる」ことを目指しました。そのため、読解力の向上につながる授業づくりを意識し、特に、教師から子ども達に投げかける“問い”を工夫することやクラス全員の子どもが授業に巻き込まれていく(=学習課題の解決のため、一人一人の子どもが学習活動に主体的に取り組む)よう教師がファシリテートすることを考えました。学期がすすむごとに、自分の考えをより具体的に表現できる子や、初めは答えられなかったが活動や友だちの考えを聴くうちに答を導き出すことができる子が増えてきました。また、自主的に学習に向かう子どもも増えています。

【活動の見える化(発信力)】 

   自分で気がついていない良さや秘めた能力を意識できることで、より意欲的に活動する子どもを更に増やして行くため、引き続き、学級便りの発行やHPの更新を中心に、活動の「見える化」を意識しました。また、コロナ禍であっても、できるだけ多くの方々に子どもたちの頑張る姿を見ていただけるよう、日常の感染対策を徹底しながら、行事の実施を目指しました。何度も練習し磨き抜いた技を披露する活動の中で、発表を成功させることが出来た経験や、他学年や保護者・地域の皆様から称賛された経験は、子ども一人一人の達成感や充実感を高めるとともに、学ぼうとする態度や、もっと上手くなりたいという前向きな気持につながっていきました。

【自己肯定感から「さらなる意欲へ」】

 昨年同様、「キャリアパスポート」として、学校行事や体験活動の度に、子ども自身が自分や仲間、活動全体を振り返る活動や、子どもの頑張ったこと、成長が見られたことについて、保護者の皆様に感想や意見、評価を書いていただく取組をすすめました。このことは、子ども同士の認め合いや自分も頑張ろうという意欲につながり、活動の質を向上させることになりました。苦労したり失敗したりすることもありましたが、「仲間との協力・協働」や「誰かのために」を、再度、意識することで、粘り強さが見られるようになり、結果的には、期待以上の成果をあげてくれました。「やればできた」という成功体験は自信となり、“更なる意欲”にも発展しています。特に、この一年間の6年生の頑張る姿は、下級生の「今度は自分達が頑張る」という覚悟につながっています。

【社会人基礎力】

  今の子ども達が、今後、著しく変わることが確実視される社会の中で、自己の幸せをつかみ、社会に貢献できる人材となるためには、社会変化に対応できるよう『常に学び続け、仲間と協力し、身につけた知識を生かすことができる力』が必要となります。また、立ちはだかる壁を乗り越える、『しなやかなたくましさ(七転び八起きの力)』も必要となるでしょう。その基盤となる力は、この素晴らしい鳳至という地で養われた感性や様々な人々との出会いから培われます。学校や地域が連携できる恵まれた環境で子どもを育て、いずれ、明るい未来を照らす人となってくれるよう、今後もこの教育活動にさらに磨きをかけていきたいと思います。そして、来年の卒業式でも、子どもたちの清々しい笑顔を見たいと思います。今年度もたくさんの方々に、ご支援とご協力を頂いた事に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。

令和4年度も子ども達が活躍する姿にご期待下さい。 

 学校長  山 岸  茂 樹