日誌

夢、そして可能性を求める!(12月)

 言い古された言葉ですが、子どもの可能性は無限にあると言われています。
しかし、実際に子どもが持っている無限大の可能性について考えたり、または夢を持たせたり実現させるために育てているでしょうか。子どもは子どもだけの力ではその可能性に気がつかないし、育っていかないのです。
 東京の子も輪島の子も金沢の子も同じ可能性を持っています。勉強、スポーツ、そして将来への夢、その一つ一つが誰に対しても同じように与えられているのです。

 24日に、第42回県ミニバスケットボール大会の準決勝と決勝があり、輪島レッドイーグルスが優勝しました。決勝では辰口と対戦して、前半の9点差をキープして32対23で勝利しました。輪島のミニバスは勝つのが当たり前で、むしろ負けたらどうしたんだと言われそうな感じがあります。果たして、そうでしょうか?
 どんなスポーツでも強豪校だと部員数が100人以上いるとつい思いがちですが、現在のレッドイーグルスの部員数は小学校1年生から6年生まで全員で約25名しかいません。(そのうち、鳳至小学校の児童は14名)
 決勝の相手チーム(辰口)の部員数はわかりませんが、学校規模は700人近い大規模校です。また単独チームではなく近辺の学校からも部員を集めていると聞いています。
 それだけに、わずか25名のチームが石川県で一番になるということは、並大抵はことではないと思います。しかし、この優勝は都会であろうと田舎であろうと人数がどうであろうとやればできるということを証明しているのです。

  ミニバスも設立時は、石川県で優勝したいという夢から始まったはずです。もし、その夢がなかったとしたら、決して今のように強くはならなかったはずです。
 子どもの可能性を伸ばすためには、まず将来に向けての夢を持たなければなりません。
その夢が、大人から見て小さな夢だとしても荒唐無稽な大きな夢であってもかまわないのです。子どもなので、その時々変わるかもしれませんが、それでいいと思うのです。
 単に勉強しろとか真面目に生活しなさいでは共感も説得力もありません。子どもの将来にむけて、共通の話題を持ちながらコミュニケーションしたり、夢の実現に向かってどうすればよいか考えれば、自ずと大切なものが見えてくるはずです。子どもが将来への夢と親の子どもへの希望があってはじめて、どのように学んでいくかわかるのではないでしょうか。勉強でもスポーツでもいいのです。
 江戸時代の終わり頃の教育者(思想家)で、吉田松陰という人物がいます。幕府に反対したことで30歳で刑死しましたが、その教えは伊藤博文や高杉晋作などに大きな影響を与えました。
 その吉田松陰がこのような言葉を残しています。
 「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし。」

 鳳至小学校で学んでいることに誇りと自信を持ち、そして、輪島という地域を愛しながら、夢の実現を目指して努力して欲しいと願っています。

                                  校長 高野 勝