校長先生のブログ

校長室より

「ふるさとを愛し 心豊かにたくましく生きる子の育成」をめざして

 1月1日に発生した令和6年度能登半島地震の影響により、様々な面で困難な状況で4月を迎えることになりました。学校も地震による影響で令和6年度1学期は輪島中学校で6つの小学校が集まり学習することとなりました。輪島中学校校舎の3階を輪島中生徒が、1,2階を小学校が使用します。

今年度の異動により、河井小と大屋小の2校、鳳至小と鵠巣小、河原田小、三井小の4校の教員がそれぞれ兼務となりました。そのため3月27日の「令和6年度 市内小学校の使用する校舎について」でお知らせしたように児童の学級編成は次のようになります。

1組(河井小 大屋小)2組(鳳至小 鵠巣小 河原田小 三井小)3組(河井小 大屋小)

現在1年生と3年生以外は1組と3組が同じ教室で授業を行います。小学校だけで特別支援学級を含め16学級を使用しますので、教室数の関係でこのような対応になることをご理解願います。

 

 令和6年度輪島地区6小学校の教育目標等は以下の通りとしました。

1 教育目標「ふるさとを愛し 心豊かにたくましく生きる子の育成」

2 教育理念「挑戦 感動 笑顔」

3 めざす学校像 一人一人が挑戦し、やり遂げることで笑顔や感動があふれる学校

学校だよりのタイトルは令和6年度の教育理念の「挑戦 感動 笑顔」としました。今年度の学校生活で常に意識していく児童と教職員の合言葉です。今現在、だれもが依然として困難な生活状況の中で、合同6小学校で学ぶこと、それ自体が「挑戦」です。そしてみんなでいっしょに合同6小学校を創り上げることで「感動」「笑顔」につながることでしょう。

一人一人が将来の夢など大きな目標に挑戦することは素晴らしいことです。どんどんチャレンジしてほしいと思います。それに加えて、早起きする、明日の準備をする、けんかを我慢したなど今まで自分ができなかったことに挑戦することも大切です。個人や学級で自己ベスト更新ができるように教職員でサポートしていきたいと考えています。

 

今後の予定等について未定のことが多いのが現状です。保護者の皆様にはご不便、ご心配をおかけすることと思いますが、現在の状況をご理解いただきご支援とご協力くださいますようよろしくお願いいたします。

 

                                校長 山岸多鶴子 角間久美子 六田茂行

本田圭佑さんから送られた言葉「つらい経験は将来人を強くする」

1月1日に発生した令和6年度能登半島地震から今日で82日目となります。とても長く過酷な毎日でした。児童たちは心に大きな傷を負いながらも、輪島高校、転出先の学校や避難所などそれぞれの場所で本日修了式を迎えることとなりました。一人一人が、慣れない環境の中で本当に頑張ってきた82日間です。

地震によって、自然の力の前では人は無力であることを思い知りました。しかし河井小でのオンラインの交流や輪島高校で直接友達とのふれあいの中で少しずつ笑顔が増えていく姿を見て、傷ついた人の心を癒してくれるのも人であると痛感しました。そして「おはようございます」で始まり。「さようなら」で終わる何気ない毎日がとても尊いことだと実感させられた82日間でありました。

3月15日に輪島消防署で卒業式が行われました。全員で集まることが当日まで一度もない、そんな状況で迎える式でした。卒業生たちは不安な気持ちで式を迎えることにならないか心配しましたが、チーム河井のリーダーたちは№1の卒業式を創り上げてくれました。

 全員に卒業証書をしっかりと受け取ろうとする態度が見られました。その姿から練習は大切ですが、それよりも気持ちが大切だということを改めて思いました。またみんなで歌う「あとひとつ」は、決して歌いやすい歌ではありませんが、かけがえのない仲間と歌う最後の歌かもしれない、そんな気持ちが伝わってくるような歌声でした。みなさんの態度から8千人以上の卒業生を送りだした伝統ある河井小卒業生としてのプライドを感じました。

私たちは離れていても伝統ある校舎で共に学び、伝統のある校歌を共に歌った令和5年度「チーム河井」のメンバーです。卒業生のようにプライドをもって、それぞれの場所で今できることにベストをつくしていきましょう。

3月21日に元日本代表サッカー選手の本田圭佑さんが輪島高校にサプライズで来校し「地震を経験した人でないとわからないことがあります。自分には想像がつかないくらいみなさんはつらいと思います。でもつらい思いをした人は必ず強くなれます。みなさんが強くなると信じています。」そんな話をしてくださいました。今のこの日々が、将来、人の痛みが分かる、誰かを助けることができるそんな強さをもった人に成長できるきっかけとなる、そんな目標を与えてくれる言葉でした。みんなでこの言葉を実現したいと心から思いました。

 

 保護者の皆様には令和5年度の学校へのご理解とご支援にお礼を申し上げます。またこのような中でも学校や職員へ温かい励ましの言葉をかけてくださり職員一同本当に感謝をしております。令和6年度は見通しを明確に示すことができない中ですが、今後もご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

成長を実感する秋

 学校だより10月号で、「運動会で学んだことを自分の次の成長に生かしてくれたらと思います」とお伝えしました。授業の中で児童の成長を実感する場面がありましたので、紹介します。

 

 5年海組の算数の授業の様子です。2÷3を分数で表すという問題で、答えが3分の2という児童と3分の1になるという児童が議論を交わしていました。お互いに図を使って説明をします。「6つに分けた2つだから3分の1になると思います。」「1÷3の答えが3分の1になるのに2÷3が同じなのはおかしいと思います。」説明を聞きながら納得ができない点をそのままにせずに、話し合いながら考えを深めていきます。学級全体で主体的に学んでいる姿にとても感心しました。少しだけ授業を見に入ったのですが、30分以上教室を離れられずに、その様子を見入ってしまいました。この姿は毎月来校して授業について助言して下さる髙田学力向上プログラムサポーターもご覧になり、私と同様に子どもたちの主体的な議論に感心されていました。

 成長しているのは、高学年だけではありません。10月20日に1年海組の音読発表会に招待されました。教室に入った瞬間に皆さんのやる気が伝わってきます。音読が始まります。みんなが大きく口を開けて、お腹からの大きな声です。大きな声で読むには、良い姿勢が大切ですが、きっと国語の時間によい姿勢で読むことを積み重ねた成果でしょう。ナレーター、学校の子どもたちと先生、くじらぐもにそれぞれになりきって表現してくれました。思わず物語の世界に引き込まれました。4月当初と比べて、とても成長したと思いました。私は次のような感想を述べました。期待してきたけれど、その期待を超えた発表だと伝えると全員が即座に大喜びしていました。しっかりと聞いてくれた証拠です。全力で表現したからこそ、主体的に聞こうという態度になったのでしょう。

 

 学校では、上記の二つの例の様に主体的に学ぶ場面をできるだけ引き出していきたいと思っています。そのためには、先生のしっかりと話を聞いて基礎的な知識や技能を身に付けることが大切です。身に付けた知識や技能を基にして、思考したり、表現したりできるようにしていきたいと考えています。11月1日、2日には学校公開があります。児童の学習の様子をぜひご覧になっていただければと思います。

 

 先日、本校児童が出場している野球の試合を見る機会がありました。バッターボックスの児童が相手チームのキャッチャーのマスクを拾って渡す場面がありました。後で話を聴くと自分の判断で行っているとのことでした。「自分からよいと思うことを進んで行うこと」は今年度学校で大切にしていることです。それは学校だけでなく家庭や地域でも育まれていることを実感しました。今後も児童の成長のために家庭、地域と連携をよろしくお願いします。

一人一人が成長するための「運動会」 そして充実の秋へ

2学期が始まっても暑い日が続き、運動場、ピロティ、体育館の熱中症指数を測定しながらの運動会までの13日間でした。体調管理を優先して、練習を十分積み重ねることができませんでした。しかし児童は「正々堂々 真剣勝負 最後まで全力をつくそう!」のスローガン通りの真剣な表情で全力をつくす爽やかな姿を見せてくれました。

6年生の運動会の振り返りを紹介します。

 

55人で作った運動会 6年女児

 9月16日に私たち6年生のラストの運動会がありました。今年のスローガンは「正々堂々 真剣勝負 最後まで全力をつくそう!」この目標を達成できるように練習でも全力をつくしてきました。応援練習では細かい振付や手拍子などをたくさん練習して、本番では差をつけることができました。「よさこい」は紅組、白組関係なく、協力して最高の表現ダンスが完成しました。振り付けが変わったりしたけど、まちがえずに全力を出して、踊り切れてよかったです。つな引きは白組が全勝しました。とってもうれしかったです。かけ声は紅組の声が聞こえないほど大きな声を出せました。優勝したのは、私の組の白組でしたが、紅組もかなり強かったです。応援合戦の時もとても声が大きかったし、綱引きでは少し気を抜いたら引っ張られるところでした。もちろん自分の中では、スローガンは達成できたし、最高の思い出も作ることができたのでよかったです。今の5年生には今年の運動会よりも、もっとすごい運動会をつくってほしいと思います。

 

 練習から全力を出して本番に臨み、勝利したという喜びが書かれています。大きな学びとなったことでしょう。また同じように臨み、残念ながら敗戦という経験も大きな学びとなります。真剣に取り組むからこそ、本気で悔しい気持ちになります。そのくやしさを受け止め、自分の次の成長に生かしてくれたらと思います。運動会は一人一人の児童の成長のために行われます。全ての児童にとっても成長する機会となってほしいと願っています。

 

 さて4月から校長室よりとして、「返事、あいさつ、目を合わせて聴く」にチーム河井として取り組んでまいりました。運動会を節目として、今後は「整理整頓、背筋を伸ばす」に取り組むように働きかけていきます。整理整頓は夏季休業中から児童に伝えてきました。自分のものを自分で管理する、まずは玄関の靴箱に自分の靴を入れるところから取り組んでいます。背筋を伸ばすとは授業中の姿勢に気をつけようということです。悪い姿勢によって血流が滞ることで、脳へ酸素が十分に行き届かなくなり、脳の活動低下につながります。常に良い姿勢が理想ですが、授業の中で教師から整えるよう働きかけていきます。お家でも、学習用具の整理整頓、食事中の姿勢など児童にお話しいただきますようお願いします。今後とも本校児童のため、ご理解とご支援のほどよろしくお願いいたします。

運動会でもチーム河井で№1をめざしベストをつくそう

今年の夏は猛暑を通り越して酷暑でした。熱中症警戒アラートが連日発令されてプール開放は予定の10日のうち1日だけの開放となりました。楽しみにしていた児童には申し訳なかったと思いますが、健康被害を防ぐために止むを得ずこのような対応となりました。新学期も暑い日は続きそうな予報なので、児童の健康面に留意し、工夫しながら学習を進めて行きたいと考えています。

さて、今年度も、この暑い中での開催が議論を呼んだ夏の全国高校野球のことを書きます。昨年度も学校だよりでお伝えしたように、私は高校野球テレビ観戦が趣味です。今年の決勝戦は神奈川代表の慶應義塾高校と宮城県代表の仙台育成高校の対戦となりました。リアルタイムでテレビは見られなかったのですが、動画等では107年ぶりの全国制覇をした慶應義塾高校の応援が大きな話題になっています。慶應義塾高校の応援が大きすぎて、昨年度の優勝校仙台育英高校のプレーに影響を与えたのではないかという意見です。インターネットの中ではそのような意見が多数見られますが、仙台育英高校の須江監督は応援の影響を否定しています。そして相手の慶応義塾高校の監督が優勝インタビューを受けている最中に須江航監督は何度も祝福の拍手を送っていました。そのフェアプレーの精神を称える声が相次いでいます。またその後のインタビューで須江航監督は「慶応義塾高校は勝者にふさわしいなと思いました」と話し、その上で「試合後、選手たちは、ぼろぼろ泣いていましたが『負けたときに人間の価値が出るから、どこで負けても全力で拍手を送ってほしい』と前に話したことを守って、相手に向かって一生懸命拍手していました。常に「グッドルーザー」であれと伝えてきましたので、その姿は自分の誇りです」と選手をたたえました。

グッドルーザーとは直訳すると良き敗者のことですが、意味を調べてみると「負けた時に、他人や環境のせいせず悔しい気持ちをこらえる。 相手のことを考え勝った相手を心からたたえる。 力不足を潔く認め敗因を分析し、勝利に向けて再び全力で努力する。」とありました。まさに本校の合言葉「チーム河井で№1をめざしベストをつくそう」の姿だと思いました。

9月16日(土)に運動会があります。昨年度は、河井っ子の皆さんの最後まで走りきる姿に感動をしました。今年は勝利をめざし全力を尽くし、勝負が決した後は、相手に拍手を送る、このような姿が見られるように、チーム河井で子どもたちをサポートしながら運動会を創っていきたいと思います。地域や保護者の皆様もベストをつくす河井っ子たちへの応援をよろしくお願いいたします。

 

不安や悩みがあったら話してみよう

8月28日に、保護者の皆さんに以下のメールを送信しました。

30日から2学期が始まります。長い夏休み明けで、何か心配な事や不安なことがあれば、担任の先生はもちろん、相談しやすい河井小学校の他の先生や、スクールカウンセラーの先生に相談してほしいと考えています。始業式で児童にも伝えますが、保護者の方からも話していただきますようお願いいたします。

また文科省からの保護者への資料も添付いたしますのでお読みください。

文面の通り、その職員でも構いません。また文部科学大臣からの児童向けメッセージをGoogleクラススームで配付したことをお伝えします。

                                                                                                                                                     六田茂行