R7年度_11月

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術から道へ

 いよいよ本格的な冬がやってきました。最低気温が一桁台になると、朝布団から出るのがつらいですね。けれどそこはモジモジしないで気合で起きましょう。早起き➡朝ごはん➡登校は中学生の基本です。

 さて、冬の体育の風物詩である柔道の授業がスタートしました。ただでさえ寒いのに、冷たい畳に素足・・・しかも投げられると痛さ倍増です。柔道のルーツを調べてみると、「柔術」というワードがヒットしました。

 日本では、武術や芸術の世界で「術」から「道」へと移り変わる流れが見られます。 柔術から柔道への変化もそのひとつ。 それは、ただ技を磨くだけでなく、心の在り方を大切にするようになったからだそうです。

 柔術は、戦いの中で生まれた護身の技。 敵を制するための動きや、身を守るための工夫が中心でした。 その目的は「勝つこと」や「生き残ること」。 だからこそ、精神的な修養よりも、技の確かさが重視されていました。

 「道」という言葉には、技術だけじゃなく、生き方や心のあり方が込められています。 茶道、書道、剣道…どれも、技を通して自分を磨いていくもの。 日本人は、形の中に心を宿すことを大切にしてきました。

 柔術から柔道への移り変わりは、技の変化だけじゃなくて、心の変化でもありました。 「勝つための術」から、「生きるための道」へ。 その流れは、今も静かに、私たちの暮らしの中に息づいているのかもしれません。お互いに痛みを分かち合い、共に成長する・・・南中の生徒諸君、柔道を通してより強くたくましく成長することを願っています。