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奇跡の一投

 人間の力とは計り知れないもので、稀にその人がもっている能力以上の力を発揮することがあります。

 7月13日、場所は西部緑地公園陸上競技場。全中の切符を賭けた最後の大会。「奇跡の一投」はまさにその時その場所で放たれました。

 陸上部の山内優助さん。投てきの専門である彼は石川県では敵無しです。けれどこれまで超えられない壁がありました。そうです、全中に出場するためには標準記録を突破しなければなりません。その距離13m30cm以上。練習では何度か超えたことがあるそうですが、本番の大会でまだ出したことがありません。彼が持っているベスト記録は13m08cm。あと、22cm足りません。たかが22cm・・・。このたかがを超えるために、陸上選手は幾度も幾度も繰り返し練習します。特に投てき種目は孤独です。山内さんは県内にライバルはいません。ライバルは自分自身であり、この22㎝なのです。

 向かえた最後の試技。会場中が山内さんの一投に注目していたそうです。そしてリズムをとった拍手が鳴り響きました。その時山内さんはこのように思ったそうです。

「今まで記録を出さなきゃ、って力んでいました。けれど最後の一投は自然と力が抜けて、楽しんで投げようと思えました。」

 彼が全中を賭けた最後の一投は、美しい放物線を描き地面に落ちました。その距離13m50㎝。観衆を魅了し、無の境地で放たれた一投は、まさに「奇跡の一投」でした。

 山内優助さん、全中出場おめでとう。全国の舞台でも次の「奇跡の一投」を期待しています。

令和7年度全国中学校陸上競技大会は沖縄の地で行われます。尚、女子2年100mで南さんが2位になり、北信越大会に出場します。陸上部の皆さんお疲れさまでした。