小春日和
小春日和
今日は「小春日和」の暖かな一日です。シクラメンの花も大きく背伸びするかのように気持ちよく朝の光を浴びています。登校する生徒の足取りも軽やか、学校のすぐ前を流れる伏見川のカモの一家も波紋を楽しむかのように戯れています。
晩秋から初冬の頃の穏やかで暖かな天気のことを「小春日和」といいます。小春とは旧暦10月のことで太陽暦では11月から12月上旬にあたるそうです。厳しい冬を前に温和な天候を喜んだ言葉として、古くから使われていますが、文化庁の広報誌「ぶんかる」の今年5月9日号の記事を思い出しました。
平成26年度の「国語に関する世論調査」で「小春日和」の意味について尋ねた結果によると、「初冬の頃の穏やかで暖かな天気」と答えた人は51.7%、一方、「春先の頃の穏やかで暖かな天気」と答えた人は41.7%いたそうです。
「春先の頃」を選んだ人を年齢別でみると、16~19歳が66.1%と最も多く、50代、60代は30%台だったそうです。「小春日和」という言葉は文学作品や歌などでよく使われてきましたが、日常生活で小春という言葉を使うことはほとんどないことや、「春」という語の印象に引きずられてしまうことも前述の調査結果の一因とされているようです。
また、50代、60代の人たちの中には、1970年代後半、さだまさしさん作詞作曲による山口百恵さんのヒット曲「秋桜(コスモス)」から、「小春日和」の意味を学んだ人もいるのではないかと、「ぶんかる」には書かれていました。
・・・そういえば、私もその一人でした。
「小春日和」、心もぽかぽかと温かくなる響きの素晴らしい言葉です。今日のような「小春日和」の穏やかな日こそ、温かい気持ちで人と接することについて意識していければ、太陽が出ていない日でもお互いに心の「小春日和」を感じることができるかもしれないですね。