不屈の精神

「東風吹かば にほひおこせよ梅の花  あるじなしとて 春な忘れそ」

時は平安時代。左大臣・藤原時平との権力争いに敗れた菅原道真公が、突然の左遷により京都を離れることになったときに詠んだといわれ、大鏡や拾遺和歌集に収録されている歌です。

 道真は大切に育てていた梅・桜・松と離れてしまうことを悲しみましたが、桜は別れる悲しみで枯れ、道真を追って空へ飛び立った松は途中で力尽き、梅だけが一晩で大宰府まで降り立ったという飛梅伝説があります。厳しい寒さの中にあっても可憐な花を咲かせる凛とした梅の花からは、気高い美しさを感じることができ、不遇な時でも誠意をもって取り組む心を忘れなかった道真と重なる部分があります。また、加賀藩主である前田家は菅原家とゆかりがあると称しており、家紋も道真が愛でた梅にちなんだ梅鉢紋を採用したことで、住民に受け入れられ、加賀藩を平穏に治めることができたともいわれています。 

 本校の校章でもある梅の花が、本日、中庭で満開になりました。8日・9日と本校で学力検査に挑んでくれた受験生を労い、あたたかく迎えてくれているようです。

 合格発表は3月16日(水)12:00から行われます。