理数科案内
●学習内容
 理数科は、理学・工学・医学・薬学・農学・環境系など、いわゆる理系分野での研究活動に有為な科学技術人材の育成を目的の一つとしています。そのため、理科・数学の学習活動をより深め、理解できるような科目「理数数学」「理数物理」「理数化学」などを開講しています。また、この変化の激しい社会の中で活躍するグローバルリーダーとなりうる人材育成も目的の一つとしており、
バランスのとれた人格・俯瞰的な広い視野も持った能力育成のために、英語や国語をはじめとする文系教科の授業時数が極端に少ないということはありません。

 課題研究(探究活動)として、1年次は研究活動の基礎的能力を育成する「理数探究基礎」、2,3年次は実際に研究活動を行なう「理数探究」を開講しています。
現在は金沢大学や石川県立大学など、様々な研究機関等と連携しながら、その活動をより深化させています。他にも、学校設定教科「CS(コスモサイエンス)学際科学」及び「CS人間科学」では分野横断的な幅広い知識や能力の育成をはかっています
 
 理数科は校外での実習も盛んに実施しており、1年次は7月「野外実習」、10月「つくばサイエンスツアー」を中心に年間3~4回程度校外での実習を行っています。2年次にはアメリカ合衆国(サンフランシスコ)を訪問する「SSH海外科学研修」も継続して行っています。
 
 SSHⅣ期指定以降(平成18年以降)は学校設定科目「サイエンス・イングリッシュ」を開講して、英語での表現能力・コミュニケーション能力を高められるようなプログラムを実践しています。その実践の場として、「理数探究」で取り組んだ研究活動を外部研究者の前でオールイングリッシュのオーラル発表を行なう「課題研究成果発表会」を3年1学期に実施しています。
 
 
●理数科3年間の主な行事(SSH関係) 
【1年生】
野外実習(8月)
校外のフィールドで、生物学や地学を中心とする実習
(近年の訪問先…白山、能登海洋ふれあいセンター・恋路浜、糸魚川ジオパーク)
 
つくばサイエンスツアー(10月)
科学の最先端の研究施設での実習・施設見学
(近年の訪問先…筑波宇宙センター、農研機構、産総研、物質・材料研究機構、防災科学技術研究所)

 

CS学際科学特別講義「リアルタイムPCR実習」(11月)
石川県立大学の研究施設を訪問し、大学の先生の講義や実習を受講します。
高校の実験室では到底できないような実験をすることが出来ます。
 
CS学際科学特別講義「企業訪問」(2月)
白山市の中村留精密機械工業を訪問します。
工場を見学し、最先端の科学技術と高校で学ぶ数学や理科とのつながりを体験的に学習します。
 
 

【2年生】
研究ディスカッション(課題研究テーマ発表会)(7月)
2年次に行なう課題研究の研究計画を外部の研究者や理数科1,3年生に対して発表する。
様々な意見交換や助言をいただく。本校で実施。
 
米国海外科学研修(10月)
英語でのコミュニケーション実践の場。
現地での学習プログラムを受講しつつ、大学見学や企業見学を行なう。
(近年の訪問先…スタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校、カリフォルニア科学アカデミー、Rakuten USA)
 
理数探究校内中間発表会(11月)
「理数探究」で行なっている研究活動の中間発表会。
講評・助言者として本校理数科OB(主に大学4年生)がアドバイスを行なう。
11月の教育ウィークに合わせて本校で実施している。
 
石川県SSH生徒研究発表会/いしかわNSH課題研究発表会(1月)
本校(金沢泉丘)・小松高・七尾高の県内SSH3校を中心とする他校との合同発表会。
他にも金沢二水高・金沢桜丘高などが参加している。
他校と交流ができる貴重な会となっている。
 
探究の日(3月)*普通科含め全員での行事
本校1,2年生全員で行なう探究活動発表会。
講堂での全体発表会では理数科2年生から代表して1つの班がオーラル発表をする。
午後からのグループ発表会では、理数科2年生がファシリテーターとして各教室の司会を行なう。
 
 
 
【3年生】
課題研究成果発表会(7月)
「理数探究」で取り組んだ研究活動を外部の研究者に対して、英語でオーラル発表を行なう。
金沢大学ナノ生命科学研究所を会場として実施したこともある。
今年度は本校に外部研究者を招いて実施した。
 
全国SSH生徒研究発表会(8月)
理数科3年生から代表して1つの班が参加する。
全国のSSH指定校から生徒が集い開催される全国でも有数の発表会。
参加することに意義があり、全国の高校生から強い刺激を受けることができる。
 
 
その他、理数科2年次に全員が何かしらの県内外の外部発表会に参加しています。
(近年の参加発表会…近畿サイエンスデイ、福井合同発表会、マスフェスタ)
 

●入学制度について
理数科への出願方法には、理数科専願・併願の2つの方法があります。
     
理数科Q&A

理数科に関する疑問をお答えします。

Q1 理数科とは何ですか?
 
普通科に比べて、理科・数学に関する授業が多く、深く発展的な内容まで学習する理数系の専門学科です。本校では、学年に1クラスだけ設置しており、3年間クラス替えがありません。

 知的好奇心や探究心を高める授業や行事がたくさん用意されていて、大学や研究機関、企業と連携した特別講義もあります。国際性や科学的能力を育てる活動が盛んで、科学英語を学ぶ授業があります。

Q
2 高校の途中で、理数科から普通科への転科はできますか?
また、普通科から理数科への転科はできますか? 

できません。本校への出願の際に、保護者の方とよく相談して決めてください。
 

 

Q3 理数科の授業についていけるか心配です。

 理科や数学に興味・関心があって、たくさん勉強したい気持ちがあれば大丈夫です。不得意な科目があっても、コツコツと努力ができるなら心配はありません。しかし、深い内容まで扱うので予習と復習と授業のよいサイクルを回すことが必要です。理数科には学習に対する意識の高い人達が集まってくるので、皆で教えあい切磋琢磨をする雰囲気があり、よい学習集団になっています。

Q4 勉強や行事で忙しくても部活動はできますか?

 理数科の先輩達は、運動部や文化部でたいへん活躍しています。運動部でインターハイに出場したり、文化部で全国大会に出場したり、部活動のキャプテンを任されたりと、勉強と部活動の両立を実現している先輩はたくさんいます。ただ、きちんと両立させるには「勉強を疎かにしない」という強い意志と努力が必要になります。また「だらだらと過ごさず、パッと切り替える」など時間の上手な使い方も大切です。

Q5 課題研究とはどのようなものですか?

 理数科2年生で、「理数探究」という授業を週2時間(例年水曜6,7限)開講して取り組んでいます。グループによる研究活動で、物理・化学・生物・地学の理科の分野に関する研究や、数学・情報・工学・環境などに関する分野の研究を行っています。過去には研究対象として保健体育や家庭の分野に関する研究もありました。

詳しく知りたい人はコチラをご覧ください。過去の先輩の論文集を見ることが出来ます。

 自らテーマを設定し、課題解決のための調査・研究を進め、最終的にその研究成果を発表します。日本語だけでなく、英語によるプレゼンテーションも行います。研究内容を論文にまとめ、ポスターを作成し、英語でのディスカッションを行ったりもします。生徒自ら主体的に活動する能力、探究心や創造性、語学力やコミュニケーション能力を伸ばすことを目的としています。

Q6 主な進学先を教えてください。

 理数科では、ほとんどの生徒が国公立大学の理系の学部(理学・工学・農学・医学・薬学・保健学・歯学・獣医学など)に進学しています。特に東京大学や京都大学などの国公立の難関大学を志望し、進学する生徒が多いです。他にも、金沢大学の医薬保健類や理工学域へ進学する生徒もいます。