日誌

「モヤモヤのすすめ」

またまた、国語科の森です。9月6日のNHKのクローズアップ現代で効率性を高めるタイムパフォーマンスが流行している現代で、それに真逆の「モヤモヤする力こそ大切だ」という「ネガティブ・ケイパビリティ(すぐに答えを出さず、迷ったり、悩んだりする)」考え方が注目を集めているということを放送していました。
イチローさんや村上春樹さんなど各分野のトップランナーたちもこの考えを重視しています。その考え方とは、無理に答えを見つけようとしなくてよい、むしろ悩みの中にこそ、生きる意味があるというものです。
効率重視でバリバリのキャリアウーマンを辞めヨガインストラクターになった尾石晴さんは、「効率だけを追求してもより良い人生につながらない。別に答えを出さなくてもいいからモヤモヤを持っておく意識をすることが大事だと気付いた。悩むことは当たり前だと思うと、気持ちが楽になり、人の悩みにも寄り添えるようになった。」と言っていました。もちろんすぐに答えを出さないといけないこともあります。

しかし、どうにもならないこともあるのです。そんな時はすぐに答えをださずモヤモヤしたままでいればよいのです。また、結論を出さないままのものもあります。翻訳家の枝廣淳子さんによると、モヤモヤする力を伸ばすには「1人になって安心してモヤモヤに浸れる時間を意識的に持つことが大切。5分でも10分でもよいので一度判断を保留してみる、見落とした事を見てみる。」ことがポイントだそうです。
効率性や問題解決を追求する風潮が強まる今だからこそ、あえて、モヤモヤする力を見つめ直す必要があるのではないでしょうか。ちなみに、私はいつもいろんな意味でヤモヤしていますが…。