2023年5月の記事一覧

自転車について

 4月から自転車乗車時のヘルメットの着用が努力義務化されました。努力義務とのことですから、罰則は基本的にありません。また、報道ではヘルメットが品薄という情報もあり、買いたくても買えない状況なのかもしれません。そんなわけで、正直なところ一般的にも着用率はあまり芳しくないようです。

 しかし、私としては、未来ある皆さんにはぜひ着用をお願いしたいところです。

 なぜなら、自転車と自動車の接触事故が無くならないからです。今年度に入って学校が把握しているだけでもすでに2件事故がありました。幸い深刻なケガではありませんでしたが、自転車側がどんなに気を付けていたとしても運が悪ければどうなっていたかわかりません。

 因みに今では当たり前のバイクのヘルメットも昔は着用義務がありませんでした。日本では、道路交通法が1968年に改正されたことにより、段階的に着用が義務化され、最後に残った原動機付自転車(排気量50cc)が1984年の途中にヘルメットなしでは乗れなくなりました。1984年に18歳だった私はほんのわずかな期間ですが、ヘルメットなしで原付に乗った経験があります。また、大学の構内での移動ではヘルメットをかぶらずに乗ったこともありますが、大きなバイクはメカニカルノイズが大きくお勧めできません。また、ヘルメットをかぶることで気が引き締まるというか運転の準備が心身ともに整うような気もします。しかし、マイナス面もわずかにあります。音が若干聞き取りにくくなる、視界が狭まる、重いので疲れるなどです。なおヘルメット着用に関する法律は、国や地域によって異なります。一般的には、多くの国や地域で法的にヘルメット着用が義務化されていますが、義務化された時期や詳細は国や地域によって異なります。

 さて、自転車のヘルメット着用に話を戻しましょう。バイクと違ってかなり軽量なので被ることによるマイナス面はほとんどありません。それなりの価格である、置き場所に困るなどはありますが、そんなことは命の前ではあまり問題ではありません。一方で万が一事故にあったときに運悪く頭を打つような事態になった場合、ヘルメットが皆さんの大切な頭部そして命を守ってくれるでしょう。

 ただし、被ることで安心はしないでください。致命傷の一部を防げるかもしれないという期待ができるだけで、事故自体を防ぐことができるわけではないからです。私としては、車両の整備をする、荷物を適切に載せる、マナーを守る、危険を察知する能力を高める、などの事故に遭わないようにすることと、肌の露出を少なくする、いざというときためらうことなく手のひらをつくために手袋をするといった重大事故にならない対策をする方がはるかに大切だと思っています。特に工業高校の生徒たるもの、きちんと整備された(した)自転車に乗って欲しいですね。もちろんイヤフォンをして乗るなどは論外です。

 繰り返していいます。未来ある皆さんにはぜひ着用をお願いします。また、保護者の皆様におかれましては、ヘルメット着用へのご理解とご協力をお願いします。

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