創立50周年

50周年式辞(校長)

式辞
 さわやかな風の中に、秋の深まりを感じさせる今日の佳き日に
  石川県知事 馳 浩 様
  石川県議会議長 焼田 宏明 様
 をはじめ、多くのご来賓のご臨席を賜り、石川県立金沢西高等学校、創立五十周年記念式典を挙行できますことは、誠にありがたく喜びに堪えません。心より厚く御礼申し仕上げます。
 本校の沿革を顧みますと、昭和四十九年四月に金沢駅西の地に本校は開校致しました。当時の駅西地区の人口増加で普通高校進学希望者の入学困難、通学困難が予想されるに及び「駅西地区に県立普通高校を!」との招致運動が地域の方を中心として起こり、切実な地域の方々の請願と努力の結果、本校の開校が実現したとお聞きしています。そして、昭和四十九年の仮校舎、昭和五十年の新校舎を経て、平成十年八月に金沢市畝田東の地に移転し現在に至っております。
 この間、1万6千有余名の有意な人材が巣立ち、国の内外で、また、各界・各分野において、多彩に活躍されておりますことに敬意を表します。
 昭和から平成・令和への歳月を経て、この日を迎えることができますのも、石川県教育委員会をはじめ、保護者様、同窓会様、歴代校長ならびに教職員、地域の皆様の多大なるご支援とご尽力の賜物と厚く御礼申し上げます。
 本校開校以来の五十年の間、本校を取り巻く様々な環境は、大きく変化してきております。この数年間は、AIに代表される科学技術の進歩と情報化や経済のグローバル化、温暖化が主要な原因とされる環境の変動や災害等、ますます複雑で予測
困難な状況となっています。さらに、少子高齢化の進展、生産年齢人口の減少により、国内需要の減少による経済規模の縮小、労働力不足、医療・介護費の増大による社会保障制度のバランスの崩壊など、社会的・経済的な課題が深刻化しています。
 生徒の皆さん、先行き不透明とも言われ、激しく変化する社会の中にあって、そうした変化にも柔軟に対応し、逞しく生きていく人材が今ほど求められているときはありません。
 見通しが立ちにくく混迷を増すこの日本社会において、賢明に生きるための基礎となる力を、一人ひとり、しっかりと身につけておく必要があります。
 そのためには、異質なものに触れて、その存在を認め、多面的に物事を捉える力が求められます。更に、社会の様々な事柄に、関心と疑問を持ち、自ら考え、自ら判断して他者と協力しながら、挑戦し実行していく力が重要なのです。
 知識や技術をより多く確実に習得するだけでなく、その知識、技術をどのような場面でどのように使うかが大切になってきます。
 この力はまさしく、本校が教育理念としている「清純」「創造」「自主」「協調」の精神に繋がるのです。この伝統ある精神を基盤としながら、本校で学んだ力を世のため、人のため、社会の発展のために発揮して欲しいのです。
 アメリカの起業家であり、著名な作家でもあるジム・ローン氏は
 「学びを知識に変えるのではなく、学びを行動へつなげましょう。」と述べました。
 「一生懸命がかっこいい西高生」として、こうした社会、変化に対して、一生懸命に取り組み・行動し、同時に先輩たちが築かれた西高の伝統を受け継ぐ誇りが、今後の皆さんの飛躍に、そして社会の飛躍に大きく繋がると、私は確信しています。
 開校時の地域の皆様の熱い思い、母校を思う同窓生の皆様の思いをいつまでも忘れず、金沢西高校は生徒と教職員が一丸となり、創立五十周年の歴史を機にさらに大きくはばたいていきたいと念願しております。同時に学校に求められていることは時代とともに変化していきますが、「学び舎」であることは永遠に不変であることを忘れずにいたいと思います。
 終わりにあたり、本校五十年の歴史と伝統を築かれた、先輩の皆様の営々たるご努力に、重ねて敬意を表します。
 また、本日の記念式典ならびに記念事業にお力添えくださいました創立五十周年記念事業実行委員会の皆様をはじめ、関係者の皆様からのご高配に感謝と御礼を申し上げ、式辞と致します。

令和五年九月三十日
石川県立金沢西高等学校長 佐藤昌宏

50周年式辞(校長)