学校日誌

ほりほりの部屋Vol.50「3年生諸君!卒業、おめでとう!!~Just like starting over!~」

 皆さん、こんにちは。堀です。とても良い天気になりましたね!こんなに晴れた卒業式も、あまり記憶にありません。お日様に負けずに~GAT!

 今日はめでたい日!別れの日ではなく、新たな旅立ちの日です。なので、諸君の今年の退場曲はジョン・レノンの「スターティング・オーバー」。ググってね、歌詞を。3年生の先生方からのメッセージを感じますよ。“We have grown, we have grown”が何度もレフレイン。諸君!成長したかい??ここ、「錦」で。34H担任の水野先生の選曲。なかなかシブい!けど、イイ!(ショッカー?)「彼らにぴったりだと思うんです。」とのこと。堀の好きな歌詞の一部は、“Let’s take a chance and fly away somewhere alone.”(特に、aloneが大切!意志なく群れるくらいなら、意志ある孤立を選びなさい!)“It’s time to spread our wings and fly.”(spread our wingsってかっこよくない?)本当に諸君の門出にふさわしい一曲だと思います。また、今年の堀の「式辞」全文を以下に載せておきます。私からのラストメッセージです。ではでは。今日はこの辺で。3年生諸君!CU someday, somewhere!必ず!!

 石川県立金沢錦丘高等学校 

第五十六回 卒業証書授与式

式  辞

 校舎正面の紅白のしだれ梅が花を咲かせ、伏見の川辺にも春の気配が感じられる今日のよき日、同窓会長 宮川外志様、本校PTA会長 井波秀俊様をはじめ、多くのご来賓の皆様には、公私ご多忙の中、お祝いに駆けつけていただき、誠にありがとうございます。

 ご列席の保護者の皆様、本日はお子様のご卒業、誠におめでとうございます。この三年間、いや、十八年間の子育て、本当にご苦労様でした。今日くらいは、自分自身を褒めてあげて下さい。本当にお疲れさまでした。

 卒業生の諸君、卒業おめでとう。錦丘での三年間はいかがでしたか。昨年二月までは、普通に高校生活を楽しめていたはずです。三月から五月の一斉休校を経てのコロナ禍において、高校総体も高校総文も高校野球も、紫錦祭を始めとする様々な学校行事も、例年どおりというわけにはいかなくなりました。諸君の高校生活は、最終学年において、様々な面で、我慢を強いることとなりました。しかし、諸君はこの試練に耐え抜きました。それはあたかも、本校のシンボルツリー、梅の花のようです。冬の寒さに耐え忍び、春に見事に咲くのが梅の花。その梅の花がデザインされた錦丘の校章が今、諸君の左胸で満開です。錦丘高校生を象徴する花だと思います。梅の花のように耐えて咲く、どうか、生涯、忘れずにいてください。スクールカラーの紫色とともに、プライドを持って、心に留めておいてください。

 さて、私はもともと、英語の教員です。諸君達には、英語を武器に、国際社会に羽ばたいて欲しい、グローバル時代を生き抜いて欲しいと常々願ってきました。グローバルな今の時代に大切なことはいろいろあります。中でも、重要なことの一つは、ジェンダーに関する考え方を適切に理解するということです。

 「男性と女性は違うけれど、基本は平等である。」という考え方があります。一昔前なら、男女は違って当たり前、でも平等だ、という考え方が正しいものとされていました。革新的であるとさえ、とらえられていました。しかし、実はこの考え方、異質平等論は、現在、世界的には「誤り」であると認識されているのです。もし仮に、国際的会議の席上で、この認識を欠いた言動があれば、世界中からバッシングを受けるのは当然のことなのです。

 「男性」と「女性」という分け方をすると「男性とは何?女性とは何?」という問いが出てきます。生物学上男性であっても、心の性が女性の人はどちらに入るのでしょう。もし仮に、「女性はかよわい」という基準があるとするなら、かよわくない女性は女性ではないのでしょうか。そういう疑問が出てきて、定義されたジェンダーの姿から漏れた人は苦しむことになるのです。

 「個人差は性差を超える」。これが今の世界の共通見解です。大事なことは、性差、年齢、国籍などではなく、その人の個性そのものなのです。「男らしさ・女らしさ」ではなく、「自分らしさ」こそが、尊重されるのです。

 世界有数のIT企業「グーグル」は、人事採用において、次の三点だけを確認します。それは、「過去、何をしていたか」「今、何をしているか」「これから、何をしたいか」。性差、年齢、国籍などは気にしません。

 世界の変化のスピードは加速する一方です。ジェンダーに関する考え方の変化も、ほんの一例に過ぎません。諸君は考え方そのものを、常に更新(アップデート)する必要があるということです。そんな時に大切なのは、諸君自身の実体験です。一つの考えに固執せず、たくさんの本や人に触れること。全く立場の違う人、普段接することのない年齢の人、価値観が正反対の人、そういう人の意見に耳を傾けてみる、言葉を交わしてみること。それが今後八十年続く諸君の人生をより充実したものにするコツではないでしょうか。

 さあ、羽ばたく時がきました。きっと、いつの日か、ここに戻ってきてください。何もかも、なつかしい、そう思える日が必ず来ます。それは、ここが、諸君のふるさとですから。錦丘は諸君の母校ですから。

 最後に、諸君の無事と健康と、そして、いいことがたくさん起こることを、心より祈念し、私の式辞といたします。

                  令和三年三月三日

     石川県立金沢錦丘高等学校 校長 堀 義明 

P.S.前回の「ほり部屋」で紹介した自衛官が今年の正月、帰省したときに言っていたコトバ、「最近、上官から仕事を依頼されるとき、『女やから、〇〇、おまえに任すわ。』って言われることがあって、がっかりすることあるんや。『〇〇、おまえやから任すわ。』って言われたいんやけどね。」とのこと。隊員の男女比率、9:1の職場なので仕方ないのかなあ・・・「あっ、でも、ちゃ~んと私自身を見て評価してくれとる上官もたくさんおるからね!」とも・・・自衛隊こそ、率先してジェンダー理解を促進して欲しい組織ですよね。今は過渡期なのかな?素晴らしい「ボス」に恵まれますように・・・と、ここで、ひさびさに「ある日のぼっちめし:春」。おいしくいただきました、「3色ごはん」。今日も感謝感謝です。(あれ?紅ショウガいれたら4色?)