学校日誌

ほりほりの部屋Vol.79 「トビタテJAPAN!トビタテNISHIKI!~All you will need is NOT “stay home”, BUT “home-stay”!~Part 7~」

 皆さん、こんにちは。堀です。寒暖差が激しい今日この頃、なんとなく力が入らないような感覚ありませんか?なんだか「へだる~い」っていうカンジ?シャワーより湯船にしっかり入ると、自律神経系統に良い影響があって、リラックス、つまりは、リセットできるそう。諸君!体調管理こそが「自立のための自律」への第1歩です。毎日のお天気と自身の体調や気分との関係性、しっかり掴んでますか?「だら~」となるのはどんな天気?温度・湿度は?前線が通過する直前直後の気分ってどう?己の傾向を知り、己への対策を立てるのです、GAT!!

 さて、先日、また、別の錦丘の教え子からメールが届きました。いつも、現在住んでいる場所の写真も添付してくれます。元気で、明るく、たくましく(まさに、GAT!)生き抜いている様子が伝わってきて、うれしくなります!朝の挨拶活動も、教え子からの連絡・報告も、老いた身にエネルギーを注入してくれる、カンフル剤です。いつも、ありがとうございます!というカンジ。「蒔いた種」の成長ぐあいは、ずーっと気になるもんです。今回も、諸君に、世界にトビタツきっかけを、勇気を与えるべく、以下にその内容を記します(個人情報保護のため、一部改変・中略。強調は堀による)。

『石川県立金沢錦丘高等学校  堀校長先生

¡Buenos días y espero que esté muy bien!

ご無沙汰しております、Xです。

(中略) 

実は先月9月1日からメキシコシティに駐在(任期は今のところ1年)となりました。私自身が2年前に買収を担当した、現地の子会社で勤務しております。

赴任前にご挨拶に伺えず、またご報告が遅くなりましたことお詫び申し上げます。新卒で商社に入社して7年目となりましたが、出張ではなく初の海外駐在の機会を頂き、幸運にも大学で学んだスペイン語を活かして仕事をしております。メキシコシティはスペイン植民地時代の影響が多くあり街は緑が多くスペインの街並みに近いですが、その一方でアステカ文明の名残もあり周囲には遺跡などが多く残っています。(今回も街並みの写真お送りします)

(写真は順に、独立記念塔・太陽のピラミッド・月のピラミッド・メキシコシティ歴史地区・メキシコシティ風景<マンション屋上から>とのことです。)

任期延長の可能性もあり、少なくとも1年は日本に帰国することはありませんが、帰国の際はまたご挨拶させて頂きます。この様なご時世ですのでどうぞご自愛ください。

(中略)

(錦丘)中学生だった当時を思い返すと、1年生の終わりごろまで英語が一番の苦手科目で、定期テストで平均点すら取れませんでしたが、村上先生と水野先生のご指導のおかげで何とか苦手意識をなくし、その後堀先生のご指導もあって一番の得意科目になっていきました。結果的に現在は英語よりスペイン語を主に使っていますが、私がこのような道に進んだのはあの頃の先生のおかげです。本当に有難うございました。

Atentamente,』

 この教え子の「なりたい自分」は、「海外で活躍すること」でした。その夢を実現する「ルート」として、まずは、英語を身につける、ということを自身に課しました。あきらめるという選択肢がなく、たとえ最初は「平均点以下」であっても、着実に必要な力を蓄えて、他人との比較ではなく、自身にとって「一番の得意科目」へと、「トビタツための武器」へと、自身の能力を向上させていったのです。大学において、自らの適性を加味し、英語に加え「スペイン語」を習得し、夢の「微調整」を行い、現在に至っているのです。やらされた勉強で大学に行ったわけではないので、「内なる自身の声に従って」高校3年間はもちろんのこと、大学4年間も、「なりたい自分」に向かって、一気に駆け抜けていけたのです。大学に入るためだけの勉強ならば、その目的が達成された瞬間、つまり、大学に入ったその瞬間、もう勉強はしなくなることでしょう。遊びほうける4年間になるでしょう。だから、「偏差値を追うな!夢を追え!偏差値は後からついてくる。」なのです。大学に入ってからが、いよいよ本番なのだ、ということを心に刻んでおいてください。

「なりたい自分」(心の内なる動機)が、まず、最初にあって、次に、その実現のための「ルート」(具体的手段・方法)を考える。そして、その「ルート」にかかる時間や手間と、(高校生なら)自身の能力・適性を加味し、「微調整」も含め、実現可能性を探る。つまりは、勉強する。「ルート」検索の際、ググったりするのもアリですが、実際に「なりたい自分になった人(できれば、20代の錦の先輩)」から、様々な「ルート」に関わる情報を得るのが、最も参考となる。この理屈を忘れないでください。

 しばしテストがない、こういう時期だからこそ、勉強に全集中しにくい時期だからこそ、今一度、諸君に尋ねたいのです。「なりたい自分」はなんですか?自分の能力に見合った「ルート」は見えていますか?うーん、悩むよね~。近くの大人に尋ねよう!大人との対話の中に、思いがけず、ヒントが見つかることもよくあります。「なりたい自分」の「微調整」の方法を提案されることだってあります。大切なのは、一人で悩まないこと。恥ずかしがらず、自分の心に正直に、大人に相談すること。方向性を示してもらえなくても、聞いてもらうだけで、心がすっきりします。オススメ!!ではでは。今日はこの辺で。CU ASAP!

P.S.映画「護られなかった者たちへ」強くオススメします!!!佐藤健をはじめとする主役陣もさることながら、脇役陣が秀逸。また、この映画、様々なテーマで、いろんな切り口で観ることができます。堀が一番、どーんと感じたものを、キーワードで表すなら、「貧困」です。けっこう強烈かつ繊細な表現方法を駆使し、しかも、身近に存在するものであり、生々しいものとして、取り上げています。冒頭の東北で起きた津波被害映像から、映画最後の場面まで、桑田佳祐の「ムーンライトセレナーデ」は全く流れません。暗転後、エンドロールで初めてあの切ないメロディが奏でられます。なぜでしょう?映画のテーマ曲をどこでどう使うか、監督の意図は?そんなことに考えが至るのも、映画鑑賞の楽しみの一つです。今週末は007かな??1年半、待ちました・・・