スクールカウンセラーのお部屋

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ハットした言葉

 7月3日付の北國新聞朝刊のコラム『きょうの言葉』に紹介されていた「自分ひとりじゃなかったんだ~池江璃花子」という言葉が目にとびこんできました。池江さんは、さまざまな種目の日本記録を持つ競泳選手であり、東京オリンピックに向けて活躍が期待されていました。2019年に白血病と診断され、約1年の療養生活に専念、退院後に再起をかけてトレーニングを始めた頃のドキュメンタリー番組で池江さんが語った言葉だそうです。

 池江さんと言えば、インタビューなどを通して以前から抱いていたのは、とても前向きで明るく、タフなイメージでした。ところが、その池江さんが、抗ガン剤治療中の副作用のあまりのつらさに、しんどい、もう耐えられないという思いにかられたこともあったというのですから、そのことを知って、かえって池江さんの人間味を感じたように思いました。生きていく上で、みながみな、いつも前向きになれるはずもなく、時には、弱音のひとつやふたつも吐きたいときだってあろうかというものです。池江さんが、こんな苦しい時に心の支えとなったのが、病院で知り合った同世代の同様の病気で苦しむ女性と治療の苦痛や将来の不安を語り合うことで、家族にも伝えきれない気持ちを共有することだったというのです。

 私がこの言葉にハットしたのは、人が苦しくてつらい状況に直面したとき、気持ちを共有し、この「自分ひとりじゃなかったんだ」と思えることが大きなポイントの一つになると、改めて再確認したからです。池江さんの場合は、そのように思えるようになったのは、同世代の患者さん同士によるピアサポート(同じような立場の人による支え合い)でした。同世代でなくても、周囲に相談できるような人がいれば幸いです。また、書物などからも、同じような体験を見出すこともあるでしょう。そうそう、カウンセラーと話してみるというのも、選択肢の一つですね。(藤森)
 

24時間子供SOSダイヤル

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      (なやみ言おう)

 


 

 

歌のチカラ

 

 いわゆるNHKの朝ドラ『エール』を楽しみに観ています。夏の甲子園で行う全国高等学校野球選手権大会の曲「栄冠は君に輝く」の作曲者であり、昭和の歌謡曲や映画・スポーツ音楽など、これまでにどこかで聞いたことがある曲を世に送り出した古関裕而(こせきゆうじ)さんとその妻(声楽家・詩人)をモデルにした物語です。ドラマの中では、オペラや歌謡曲、民謡などいろいろなジャンルの曲が聞くことができ、とても興味深く感じています。女優さんは自分の生の声で、あるいは、現在活躍しているミュージカルスターやなじみのある歌手が役柄を通して歌う場面が、いくつかありました。その魂を込めて歌う姿に、思わず聞きほれていました。そして、気持ちがなごんだり、元気づけられたりしていることに気づきます。メロディーや詩に、歌声の響きに心が動くのです。

 そう言えば、私自身も、パワーが欲しい時に自然に口ずさむ歌のフレーズが中島みゆきの「ファイト」だったり、疲れがちな時には澄んだ声が持ち味の歌手の曲をBGMで聴いていたり、日常的にも歌は身近にあります。みなさんは、いかがでしょうか。

 このように思っているうちに見つけたのが、下記のようなリストです。参考にしてみてください。さて、あなたを応援してくれたり、支えたりする曲は、何でしょうか?(藤森)

 

ほくそ笑む・ニヤリ心が疲れた時に聴きたい歌

☆ボクノート【スキマスイッチ】

☆灰色と青(+菅田将輝)【米津玄師】

☆生きていることが辛いなら【森山直太朗】

☆蕾【コブクロ】

☆さらば涙【ケツメイシ】

☆花唄【GReeeeN】

☆アゲイン【WANIMA】

 
苦笑い落ち込んだ時に癒される曲・心が軽くなる曲

☆シルシ【Mr.Children】

☆海の声【浦島太郎】

☆未来へ【Kiroro】

☆3月9日【レミオロメン】

☆ヒカリへ【miwa】

☆栄光の架橋【ゆず】

☆やさしさに包まれたなら【松任谷由美】

 

お気に入りの・・・

 みなさんのお気に入りは何でしょうか。例えば、お気に入りのキャラクターとか、お気に入りの場所、お気に入りの歌や絵など・・・。今回、お気に入りを取り上げたのは、いわゆる‘コロナストレス’を感じ、気持ちが下がりがちなこの頃、私たちはお気に入りが身近にあることで、気持ちが落ち着いたり、癒されたり、元気がでたりしているなと、改めて思うからです。そうそうミュージカル映画『サウンド・オブ・ミュージック』で、家庭教師である主人公が、お気に入りのものを歌詞に入れて歌いかけ、夜中の雷におびえ、叱られて沈んだ気持ちでいた子どもたちを元気づける場面があったことを思い出しました。私の場合、ある時はミニブロックで作ったドナルドダックを机上に置いた環境でパソコン作業、またある時は『アナと雪の女王』の「レット・イット・ゴウ~ありのままで~」をBGMにお掃除、はたまた、ある時はお気に入りのオフホワイトのパーカーを着てお買物へなんて具合です。これらの場合は、お気に入りは、気持ちを上げるアイテムでもあるということですね。状況に応じて、ほっこりするアイテム、気持ちがすっきりするアイテムなど、まだまだありそうです。また、お気に入りのものがきっかけで、初対面の方と思わず話がはずみ、仲良しになるなんてこともあります。人がお気に入りを話す時は、自ずと目が輝き、表情も明るいプラスのオーラが漂うからでしょうか。こんな感じのお気に入りなら、一人ひとりが「○○とか☆☆とか」まだまだ、ありそうですね。(藤森)

”コロナストレス”をどうする?!

 はじめまして。本年度より竹林先生とバトンタッチしたスクールカウンセラーの藤森です。

 先日の登校日に『スクールカウンセラーだより4月号』をお届けしました。今後は、たよりには、七尾東部中の生徒のみなさんが紙面参加できるような心の健康に関する内容を紹介し、このお部屋では、社会情勢に応じてメッセージや情報を発信していきたく思っています。どうぞよろしくお願いします。

 さて、七尾市でも23日より臨時休校期間中の登校日がなくなり、石川県の新型コロナウイルスの感染確認状況や全国の様子から、学校再開はどうなるのだろうと思っている人も少なくないかもしれません。いずれにしても、日常にもどるには、まだまだ時間がかかりそうです。このような状況下では、いわゆる”コロナストレス”を感じがちです。つまり、新型コロナウイルスに感染するのではないかとか、この先どうなるんだろうという不安や、人の集まる場所等への外出を避け、基本的に自宅で過ごすことによるイライラがある状態です。このようなストレスがたまっていくと心身や行動の不調として現れてきたりして、生活に支障をきたすこともあります。

 一部改変 気分転換ポスター.pdf

 一部改変 不安になったときポスター.pdf

 そこで、ストレスに対して、どのように対応していったらよいかのポイントを紹介します。添付しますので、参考にしてみてください(藤森)。 

「不安」と「楽観」について

 新型コロナウィルスの影響で、先行きがわからず不安な人も多いかと思います。不安というのは、「こうなるのでは」と悪く考えると、ますます大きくなりがちです。

しかし、そう考えるなと言われてできるなら、そんなに悩むことはないですよね。

そういったときは、悪い考えも否定する必要はありませんが、別の考え方をしてみてもよいかもしれません。

例えば、臨時休業で「勉強が遅れて入試に失敗するかも」という不安があるかもしれません。その場合、別の考えとして、「全国ほとんど同時に臨時休業なのだから、ほかの人に比べて遅れるというわけではない」という考えもできるかと思います。そう思えば、そこまで不安にならなくてもいいのかなと思えてきませんか?

こんな風に、一つの考えだけでなく、色々な考え方ができれば、「不安」だけでなく「楽観」もできるようになるかもしれません。

楽観的な人の方が、そうでない人より、自分が幸せだと考える人が多いといわれています。

もちろん、不安な気持ち(テストに不安がないなら勉強する気になりにくいですよね)も必要ですが、幸せを感じるために、楽観的な考えもできるようになるといいですね。(竹林)