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ほりほりの部屋Vol.59「名作誕生!金沢発!~burst into a flood of tears~」

 皆さん、こんにちは。堀です。校長室からのワンショット。放課後の日常。青ジャージ・赤ジャージ・緑ジャージ、3色乱れての練習風景。この何気ない一場面も、あと一週間足らずとなりましたね。先日の「総体・総文激励会」で堀が送った応援歌の歌詞、以下に示します。全校生徒・全職員が、諸君の健闘を心より祈ってます!全力パフォーマンスで~~~GAT!!!

『臥薪嘗胆、幾たびか~

 戦陣整え、今ここに~

 新進気鋭の、錦の選手

 鉄腕振るうは、この時ぞ~』(東〇大学応援歌より・一部改変)

 さて、先日、待望の映画、2本、観てきましたぁ!1本は、金沢が舞台の「いのちの停車場」。超オススメ!北〇新聞のPR広告も功を奏し、ほぼほぼ満席(もちろん、コロナ対応で1席飛ばしで、換気も強め)状態。鑑賞者年齢、相当高し(他人のこと、言えず?!)。メインテーマは、タイトルにもあるとおり、「命」。主演は日本を代表する女優、吉永小百合。それだけでも十分観る価値ありなのですが、堀が心揺さぶられる映画は、バイプレイヤー(脇役)やサブテーマ(あくまで堀の主観)の印象が「濃い」ことが必要条件なのです。この映画もそうでした。濃密な、あっという間の2時間10分の上映でした。映画鑑賞歴50年、これほどナミダナミダになった映画はありません。日本映画史に残る、金沢発の名作誕生!だと思います。涙が頬を伝い、マスクがずぶ濡れになって、鑑賞中に1つダメになりました。相変わらず溌剌とした演技の広瀬すずや吉永小百合と同い年ながらその父親役を重厚な演技で支えた田中珉(ほんとは氵+民・今週公開の「HOKUSAI」では、主役を張ってます!晩年の北斎役として。この映画も楽しみ!)などなど、見所も満載で、オムニバス風にも鑑賞可能です。(個人的には、国家公務員役の柳葉敏郎登場の場面で涙腺崩壊。)

 そして何より、今回は脇に徹した、松坂桃李のバイプレイヤーぶりがお見事!(戸田恵梨香との結婚後、ほんとにいい仕事に恵まれてますよね)彼が演じる「野呂」青年。金沢に来るまでは、「何者」でもない、親の「ナナヒカリ(エヴァ風に)」青年が、「まほろば診療所」での様々な経験を通して成長。本当に「なりたい自分」を見つけます。『人の役に立つことって大切ですよね』(ん~セリフ不正確カモ・・・こんな旨のコトバ)と語ります。野呂君は何年かかっても「なりたい自分」を目指していくのです。(謝罪・・・山本美月のお相手は瀬戸康史でした・・・スミマセン)

 また、堀が感じたサブテーマは「父」です(あくまで堀の主観)。いろんな場面に「父」が現れます。堀は一昨年、義理の父の死に直面し、実の父が高岡で在命中。また、東京・滋賀・広島と遠方で暮らす3人のこどもの父でもあります。しかしながら、昨年からのコロナ禍で、みんなとまともには会えていない状況・・・なので、否応なしに、今回公開されたこの映画に登場する様々なシチュエーションの「父」に共感せざるを得なかったのだと思います。

 もう1本の映画というのが、「いのちの停車場」で感じたサブテーマそのものが、メインテーマの「The Father」です。大好きな俳優の一人、アンソニー・ホプキンス主演。あの「羊たちの沈黙」(当時、英語の原書ペーパーバックも読んだな~。この映画もオススメ!主演女優は全盛期のジョディ・フォスター!)以来、今回2度目の主演男優賞受賞作品。1回目のオスカー受賞の際、その狂気の演技に圧倒されましたが、今回の年老いた父親役もスゴかった!認知症患者の視点でのストーリー構成は幻覚的で観てる側が錯乱しそうになります。「窓」と「扉」が様々な場面展開でのキーであり、キューとなってます。自分の近未来を見せつけられているようで、観ていて胸が締め付けられるシーンが何度もありました・・・

 実は、今年のアカデミー賞授賞式にアンソニー・ホプキンスは出席していませんでした。ノミネート作品の主演俳優がハリウッド入りしないということは、ふつう、あり得ません。彼は受賞式当日のその時間帯は、故郷のイギリス・ウェールズにて、時差で早朝のため就寝中で、受賞発表後、家族に起こされたとのこと。しばらく後の受賞インタビューは、自宅近くの牧場風の、のどかな田園風景をバックに、全世界に放映されました。

 83才での受賞は史上最高齢。しかしながら、全世界規模のパンデミックの最中であり、また、下馬評では、「マ・レイニーのブラックボトム」の主演男優、昨年大腸がんで逝去したチャドウィック・ボーズマンの故人受賞が最有力視されていたこともあって、渡米しなかったようです。「この賞をチャドに捧ぐ」旨で受賞インタビューを締めくくったアンソニー・ホプキンス。演技も私生活も全て、まさに余裕・円熟・完成の域に達した感がありました。映画の役のような認知症は避けたいけど、私生活においては彼のような余裕ある大人(じいじ?ジジイ?)になりたいものです。ではでは。今日はこの辺で。CU ASAP!

P.S.以前紹介した「ノマドランド」、今回の「ファーザー」と「いのちの停車場」。この3作を通じて、コロナ禍において、映画業界で全世界で起こっている共通の現象って、何でしょう??それは、キャストが極めて限定的である=登場人物が少ない、という点です。スタッフも含め、ものすごいたくさんの人がかかわって映画ってできあがっていくものですが、リアルな意味での人的「密」を避けなければならない中での脚本作り、映画作りには、自ずと限界が生じているのだろうと推測します。(この点で例外的なのはアニメ映画。大作も制作可能。)こじんまりとした世界観の中でストーリーが展開していく作品が多くなるのもコロナのせい(おかげ?)なのでしょうね。

P.P.S今朝のニュースでぶっとびました!あのアマゾンがMGMを9200億円で買収!昨年から観たいのに観られない映画の一つ、007の「Time to Kill」はMGMが制作したもの。報道によると、昨年から、この007最新作が大金かけて制作したはいいけど、全世界で公開されないもんだから、つまり、興業収入がゼロなもんだから、MGMは資金繰りに困り、身売りせざるをえなくなった、とのこと・・・ひょっとすると、アマゾンのおかげで公開にこぎ着けるかも・・・「マーベリック」はどうなる??新作が観たいよ~お蔵入りだけはカンベンや~それにしても、やっぱ、世の中、経済原理で動いてますね。おマネーの勉強、楽しいよ。