◎第11回全国和菓子甲子園優勝作品
幸せの菓子 恋つゝみ
KOI-TSUTSUMI
(食品科学コース 和菓子班 巧さん、小西さん)
◎「恋つゝみ」誕生秘話
私達は「第11回全国和菓子甲子園」のテーマ『青春』から『恋』を連想しました。
私達の高校がある白山市には「縁結びの神・菊理媛(くくりひめ)」を 祀る「白山比咩(しらやまひめ)神社」があります。全国の白山神社の総本宮で、日本三名山の一つ 霊峰白山のふもとにあり、地元の人達から「しらやまさん」と呼ばれ親しまれています。古くからパワースポットとして有名ですが、最近では「恋のしらやまさん」とも言われ、恋愛成就を祈願して恋文を書いた巻物を奉納する「恋文奉納」が観光客や地元の若い女性に大人気です。
そこで私達は『青春の淡い片思い』をイメージし、想いを乗せて奉納する恋文の巻物をモチーフにしました。恋文に綴られた男女の想いや様々な恋の表情を素材・味・色も異なる三種の餡で表現し、巻紙に見立てた羽二重餅でふんわりと包んだことから、「恋つゝみ」と名付けました。実際に恋文奉納に使われている巻物を忠実に再現するため、和菓子本体を半紙で巻いて“赤い糸”を表す赤い紐で結びました。紐をほどき半紙を開いた時に、「恋つゝみ」と共に恋の応援メッセージを届けたいと考え、半紙の内側に私達が手書きした恋の花占いシールを貼付しました。
見た目の美しさ、やわらかい食感、美味しさだけでなく、巻き紙にも沢山のこだわりを包み込みました。青春の恋を胸いっぱいに感じて下さい!
白山比咩(しらやまひめ)神社
恋文奉納
◎恋つゝみの魅力
作品のポイントは三つあります。
一つ目は、地元の素材を使った三種の餡です。能登町の特産品赤崎いちごを使用した「赤崎いちご餡」は、ほんのりピンク色の”甘酸っぱい餡”で女性をイメージしました。金沢市の特産品「金沢ゆず餡」は、黄色く柑橘の香りが鼻をくすぐる”爽やかな風味の餡”で男性をイメージしました。加賀全域で江戸時代から日常的に飲まれている「加賀棒茶」を使用した「加賀棒茶餡」は茶色で香ばしく”ほろ苦い餡”で、恋文にしたためられた文字をイメージしました。時には甘く、時には酸っぱく、時にはほろ苦い、色々な恋模様を表現しました。丁寧に書いた恋文の文字の上に、男性をイメージしたゆず餡、女性をイメージしたいちご餡を寄り添うように並べることで、二人が結ばれて欲しいという願いを込めました。
二つ目は、奉納恋文の巻紙に見えるような生地を求めて試行錯誤し、「焼き物」や「金玉」、「羽二重餅」など厚みや色を変えて何種類も試作し、やっと「5mm厚の白い羽二重餅」に辿り着いたことです。
三つ目は、恋の花占いをつけたことです。包装紙の裏に自分達で、手書きした花の絵と占いの言葉を印刷したシールを貼付しました。食べるだけでなく、エンターテインメント性を持たせた新しいスタイルの和菓子を創作しました。
作品(正面)
作品(展開時)
◎恋つゝみの今後の展望
「恋つゝみ」は、石川県の特産品である「赤崎いちご」「金沢ゆず」「加賀棒茶」を使用し、地域を活性化するご当地菓子を目指しています。白山市観光連盟の方にこの和菓子の話をしたところ、専務理事 中村さんに「是非、白山比咩神社近隣の和菓子店や道の駅で地元の方や観光客に向けて販売したい!」と大変好評でした。和菓子甲子園で賞をとり、商品化の弾みにできたら良いなと思っています。また、白山比咩神社では和装の結婚式も行われています。「恋つゝみ」を結婚式で使っていただき、想いを寄せる人との絆を深める幸せの菓子として定着させたいと思っています。このように「恋つゝみ」は、多くの人を幸せで包み込む和菓子です。大会終了後は、商品化のために努力していきます。
白山市観光連盟訪問
白山比咩神社 和装の結婚式
幸せの菓子「恋つゝみ」PR動画公開 ↓
「恋つゝみ」の製造風景動画公開 ↓