式 辞
この冬は季節を忘れさせてしまうほどの暖かな日々でした。それでも校舎の上階から眺望できる白山は、いつもの年と変わらぬ白い冬に映えていました。
本日は、多数のご来賓のご臨席を賜り、第45回卒業証書授与式を挙行できますことは、この上ない大きな喜びであり、衷心より御礼申し上げます。
ご列席の保護者の皆様、本日はおめでとうございます。心身ともに変化と成長の大きな3年間をいつも見守り、お子様と時にはいっしょに喜び笑ったり、時にはいっしょに悲しみ悩んだりされたことと、ご拝察いたします。
お子様たちはこれまで、揺れ動きながらも、立ち止まりながらも、着実に成長してきました。これからは自分の道を切り開き、歩いていくことになります。保護者の皆様方に、心から敬意を表し、お祝いを申し上げます。また、これまでの本校の教育活動に対しまして、多大なご理解とご協力をいただきましたことに厚く感謝申し上げます。
卒業生の皆さん、「卒業おめでとう」
平成から令和という時代の大きなうねりの中で時間が流れていきました。その中で、皆さんは加賀高校で過ごした様々な思いが去来していることでしょう。
さて、卒業生の皆さんは、21世紀の始まりとともに生まれました。21世紀が始まった2001年9月11日 同時多発テロがアメリカで起きました。世界中に戦慄が走りました。
その10年後、2011年3月11日 東日本大震災が起きました。それまでのあたりまえの生活、ありふれた日常が壊滅しました。多くの町がなくなりました。
9.11以降、世界は変わったのでしょうか。
3.11以降、日本は変わったのでしょうか。
世界では依然として各地で国家間の紛争や国内での対立があります。しかし、この間、パキスタンのマララ・ユスフザイさんが「女の子にも教育を、学校に通う権利を、全世界の子どもたちがみんな教育を受けられるよう」訴え続け、2014年17歳の時、史上最年少のノーベル平和賞を受賞しました。
またスウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんが昨年、地球温暖化対策に本気で取り組まない大人たちを批判し、未来への危機感を訴え、立ち上がりました。皆さんと同世代の若者が世界のこと、未来のことに向き合い、立ち上がっています。
3.11の被災地では依然として、仮設住宅で暮らしている人たちがいます。土砂を積んだ大型車両が、縦列をなしている地域もあります。数年前に東北の被災地を訪れた際、被災された方々は長引く現実を受け止め、生活の再建に向けて戦っていました。市民が力を合わせて、這い上がっていく姿、あきらめない姿、底力を目の当たりにしました。
3.11以降も日本各地では毎年のように地震や大雨・台風による甚大な自然災害が起こっています。今は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う社会不安が起こっています。このような幾多の困難に対し、人々は勇気をもって、希望をもって、立ち向かっています。
皆さんのこれからの人生で大切にしてほしいことが三つあります。
まず、一つ目はことばです。ことばは皆さんが生まれてからまもなく身につけた最も大切な持ち物です。ことばは人と人とをつなげる魔法の持ち物です。使い方を間違えると人を傷つけてしまう凶器にもなります。ことばは心です。自分が持っていることばを大切にしてください。
二つ目は多様性の尊重です。人は性別・年齢・国籍・価値観・生活様式・考え方などそれぞれ違います。異なった考え方や価値観を持った人たちが集まると、意見がぶつかることもあります。
ここで大切なのは、異なる価値観や考え方を受け止めながらも、どのような距離感で折り合いをつけていくかです。県内で働く外国人労働者の数が1万人を越えました。生活習慣が異なる人たちといっしょに働くこともあります。共生・協働することで新たな発見もあり、尊重することで豊かな人間性も備わってくるでしょう。
三つ目は今の時間をしっかり生きて、やり抜く力を身につけてください。「しっかり」とは性格や考え方が堅実で信頼できる人間です。意志が強いということです。しっかりと正しく、強く生きてください。 アメリカのアンジェラ・ダックワース氏は著書「グリット やり抜く力」の中で、「人生のマラソンでなにを成し遂げられるかは、まさに『やり抜く力』長期的な目標に向けた『情熱』と『粘り強さ』にかかっている」と述べています。
結びになりますが、皆さんをいつも見守り、支えてくれたご家族に「ありがとう」のことばをぜひ面と向かって直接伝えてください。人生の節目には「ありがとう」のことばは必須です。これからは皆さん自身が人間力を磨いて恩返しをする番です。
皆さんの前途が輝くことを祈念し、式辞といたします。
令和二年三月三日
石川県立加賀高等学校長 桐生 裕三
祝 辞
本日は 御卒業おめでとうございます。
PTAを代表してお祝いの言葉を述べさせていただきます。
さて、今から100年以上も昔の事ですが、アメリカにウィリアム・ホイという野球選手がいました。才能に満ちあふれた選手でしたが、耳が聞こえない障害を抱えていました。
耳が聞こえない事で試合中の状況が把握出来ず、大変苦労し野球を辞めようか悩んだ時期もあったそうです。しかしながら、彼は状況をつかむ為、より快適に試合に臨む為に審判にプレーをジャッジする際に、体を使ってジェスチャーをして欲しいと申し込み審判もまたこれを受理しました。当時の審判のジャッジは声だけで行われており、彼のアイディアで彼自身も野球を続ける事が出来、また野球界の大きな発展に貢献する事にもなったのです。
皆さんもこれから進学・就職するにあたり、自分の思い描いていた学校生活や職業とイメージが違っていたり、ステップアップを目指し努力したが大きな壁にぶつかる事もあるかと思います。うまくいかない事を環境や誰かのせいにしたり、あきらめたりするのは簡単な事です。ここで大切なのはウィリアム・ホイのように多彩なアイディアで壁を乗り越える事ではないでしょうか。壁を乗り越えた時、人としてプロフェッショナルとして成長、そして達成する事の喜びがあるのだと思います。
これからも応援しています。
卒業生の皆さん、そして保護者の皆様 改めて御卒業おめでとうございます。
令和2年3月3日
石川県立加賀高等学校
PTA会長 長内 和浩
送辞
寒さも和らぎ、うららかな春の香りを感じるようになりました。
卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。
在校生一同心よりお祝い申し上げます。
今、皆様はこの加賀高校での三年間をどのように振り返っていらっしゃるでしょうか。多くの人との出会いの中で貴重な体験をし、お一人お一人さまざまな思い出を築き上げてこられたことと思います。
常に私たち後輩の前を歩き、お手本となってくださった先輩方の背中は、私たちにかけがえのないものを残してくださいました。
体育大会では、クラスや学年の壁を越えて一つになることの楽しさや力の限りを尽くすことの素晴らしさを教えていただきました。
文化祭では、中心となって模擬店やステージの準備に熱心に取り組んでいらっしゃいました。
当日の模擬店は、とても賑わい、ステージでは、バンド演奏などで会場を沸かせてくださいました。先輩方がいなければ、あれほどの盛り上がりはなかったと思います。
今、先輩方のお姿を振り返ったときに、先輩方は私たちの知らないところで学校のために動いてくれていたのだと実感します。
生徒会活動や部活動の中心が一、二年生に移ってから、私たちは先輩方の存在がいかに大きいものだったかを知りました。
先輩方が力強く私たちを導いてくださったおかげで、私たちは安心して生活できていたのだと思います。私たちはそんな先輩方の後輩でいられたことを誇りに思っています。
先輩方がこれから歩いて行く道の中で、もしかしたら大変こともあるかもしれません。そんな時は加賀高校や私たち後輩のことを思い出してください。この加賀高校で培われた力は、きっと先輩方の支えとなるはずです。
先輩方が卒業され、この加賀高校にいらっしゃらなくなることは、とても心細いですが、先輩方から教えていただいたことを胸に、私たち後輩が力を合わせて、加賀高校の伝統や良さを守っていきます。
最後になりましたが、先輩方のご健康と益々のご活躍を心からお祈りし、送辞とさせていただきます。
令和二年三月三日
在校生代表 長内 信帆吏
答辞
雪の少ない冬も終わり三月、私たちは今日卒業の日を迎えました。
本日は、私たちのために、このようなすばらしい式を挙げていただきありがとうございます。
加賀高校でバスケットボール部に入りたいと入学してからはや三年が経とうとしています。思い起こせば三年前、ワクワクしながら入学式に臨んだのを覚えています。なぜか不思議と不安がなくどんな友達ができるか・部活動はどうなのかなど期待が大きかったです。
一年の担任は、中巳出先生と大茂先生でした。私たちが中学の延長のような気分になっているときには、「高校生としての自覚を持ちなさい。」と強く指導をしてくださいました。また、高校生活に悩んだり迷ったりした時は親身になって寄り添ってくださいました。
私の高校生活の中で、大きなウエイトを占めていたのが部活動でした。なかなか思い通りの結果が出せず、悔しい思いをしたことも多々ありました。しかし、どんな時も、顧問の小田原先生や前田先生・先輩・後輩そして互いに支え合っていた仲間がいてくれたお陰で、最後までやり遂げることができました。公式戦で初勝利をあげたときは本当にうれしかったです。部活動での思い出は、喜び・悲しみ・感動がいっぱい詰まったかけがえのない宝物になりました。
高校生活にも慣れてきた、二年生。担任は持ち上がりで、中巳出先生と大茂先生でした。一番の思い出に残っているいのはやはり修学旅行です。東京なんていつでも行けるのではと少し物足りなさ感じていましたが、いざ行ってみると、友達同士で見たり、感じたりする東京の景色は言葉では言い表せないほど素晴らしいものでした。スカイツリーやディズニーランドで過ごした時間はまさに夢のようなひとときとなりました。そして、友達との関係やクラスの絆がより強くなりました。
いよいよ最終学年の三年生。担任はまた中巳出先生と大茂先生でした。三年連続同じ担任の先生。正直勘弁してくれという気持ちもありましたが、それだけ自分たちのことを考えてくれているのだなと思うとうれしくなりました。
三年生での思いでは、体育大会や球技大会です。普段の学校生活では見られないほどの情熱を感じました。体育大会では、声を振り絞って応援しました。最後だという思いも強いのか、クラスが団結して優勝を目指していました。
九月、私たちが今まで経験したことのないような緊張感がありました。それは、みんながそれぞれの進路に向かって、必死になっていたからです。大げさかもしれませんが、これからの人生が決まってしまう大きな局面でした。特に履歴書作成では何度も何度も書き直したことが思い出されます。面接練習では、普段言い慣れない言葉遣いが大変難しく、緊張のあまり思っていることの半分も言えなかったこともありました。そんな時も、友達と励ましながら、そして、先生方のアドバイスを聞きながら一生懸命取り組みました。そのような経験があったからこそ、本番ではうまく話すことができました。
在校生のみなさん、普段から言葉遣いには気をつけましょう。ある程度敬語が使えないと将来社会人となったときに苦労します。挨拶も大切です。毎朝校長先生や教頭先生、生徒指導の先生方が校舎前で挨拶をされていますが、「おはよう。」という言葉は人とコミュニケーションをとるための基本です。高校生にもなって恥ずかしいと思うかもしれませんが、恥ずかしがらずに大きな声で言いましょう。挨拶や・コミュニケーション能力は社会人としては当然身につけていなければならないことです。いざ言い始めると気持ちのいいものです。いざ、就職や進学をする時期になってそのことに気が付きました。在校生のみなさん、加賀高校の先生方はしつこく・粘り強く私たち生徒と向き合ってくださいます。私があきらめそうになったり、くじけそうになったりしたときも、決してあきらめません。私が思うに、これほどしつこい・よく言うと生徒のことを考えてくれる先生はいませんでした。ですから、みなさんも、先生を利用してください。先生方は必ず答えてくださいます。
中巳出先生、私たちを信じてくださりありがとうございます。たまに言う先生の優しい言葉が好きでした。
大茂先生、一人一人のよい部分を引き出してくださりありがとうございます。先生の空気の読めない冗談が大好きでした。
また、私はこの三年間でかけがえのないものを得ることができました。それは、友達です。よいことも悪いことも何でも言い合える、相手のことを思いやれる友達というものはなかなかできないものです。そのような一生涯付き合える友達をつくることができました。これは、私の宝です。
そして、保護者の皆様、今までありがとうございました。私たちの一番近くで見守り、支えてくださいました。学校への送迎や弁当など数え上げればきりがありません。時には言い合いし辛く当たったこともありました。しかし、いつも私たちを見捨てず励ましてくださいました。いくら感謝してもし尽くせません。皆様の思いをしっかり胸に刻み、感謝の気持ちを忘れずこれから生きていきます。
私たちは今日卒業の日を迎えますが、残念ながらいろいろな事情で一緒に卒業できなかった人もいます。その人達の分まで私たちは頑張らなければならない義務があると思います。加賀高校卒業生という誇りを胸に。
令和四年は加賀高校創立五十周年です。その頃は私たちも成人しており、記念式典には同窓生として胸を張って参加したいと思います。
いよいよお別れの時が近づいてきました。本当ならまだ卒業したくありません。しかしそういう訳にもいきません。加賀高校の未来を在校生のみなさんに託します。最後になりましたが、今までお世話になりました校長先生をはじめとして、諸先生方、友人、家族、在校生のみなさんに改めて感謝するとともに、加賀高校のさらなる発展を卒業生一同心よりお祈り申し上げ、答辞とさせていただきます。
長い間、本当にありがとうございました。
令和二年 三月三日
石川県立加賀高等学校卒業生代表 林 潤太郞
新型コロナウィルス感染症の拡大防止のため、3月2日(月)から3月24日(火)まで臨時休業となりました。
一昨日の安倍首相の要請を受け、県立学校において上記の措置をとることになりました。
このような臨時休業の措置はきわめて異例であり、それだけ事態は深刻で、いつ・どこで・誰が感染してもおかしくない状況であることを知ってください。今が感染の流行を早期に終息させるために、きわめて重要な時期であることを踏まえ、多くの子どもたちが日常的に、長時間集まることによる感染リスクにあらかじめ備える観点からの措置であります。この政治的判断による措置に対して、世の中では賛否両論様々な意見が飛び交っています。政治や社会のこと、違う立場の人たちのことも考え、筋道を立てて自分の意見を持つことも大事です。
休業期間は長期にわたります。この期間の過ごし方についてお伝えします。
まず一つ目として、外出はできるだけ控え、基本的には自宅で過ごすようにしてください。自宅でも咳エチケットや手洗い等を徹底してください。自分の体は自分で守ってください。アルバイトの許可を受けている人は不特定多数の人と対面することがありますので、この期間、アルバイトは控えてください。
二つ目は、この期間を利用して、じっくりと読書に向き合って下さい。それと各教科からの学習課題もあります。しっかりと取り組んで下さい。
三つ目は、自分をコントロールする力を身につけてください。生活習慣のコントロール、感情のコントロール、スマホ利用のコントロールなどです。
これら3つのことを心がけて下さい。
「勝者の資格」、「弱者が勝者になるために」、「野村ノート」・・・最近では「師弟」(宮本慎也氏との共著)、「野村メモ」など野村克也氏の本をこれまでけっこう読んできた。なかなか勝てない時、指導に迷った時、本棚の背表紙を見て思わず読み返したこともあった。〝ノムさん〟の本を読んで腹に落ちたことばは数知れず。人としてどうあるべきか、社会人としてのあり方など不思議と心に真っ直ぐ届いた。生徒にそのまま伝えたこともあった。悲報を知り、これらの本を手に取ると赤ペンや蛍光ペンでなぞってあるところがたくさんあった。
〇聞く力は偉大なり むさぼるように聞く 身を乗り出して聞く 顔を輝かして貪欲に聞く(「勝者の資格」)
〇ご縁のある人・モノ・土地はよほど大きな理由でもない限り粗末にしては駄目だよ。(「勝者の資格」)
〇「先生は〝考察の三原則〟というものを教えてくださいました。第一は目先にとらわれないで長い目で見ること。第二は物事の一面ではなく、全面的・多面的に観察すること。第三は枝葉末節にこだわることなく、根本的に考察すること」(「弱者が勝者になるために」)
〇「本気になると世界が変わる、自分が変わる。変わってこなかったらまだ本気になっていない証拠だ」これは私の畏敬する詩人、坂村真民さんの言葉である。(「弱者が勝者になるために」)
〇人生という2文字から私は4つの言葉を連想する。「人として生まれる」(運命)、「人として生きる」(責任と使命)、「人を生かす」(仕事、チーム力)、「人を生む」(繁栄、育成、継続)(「野村ノート」)
〇振り返れば、ミーティング中などにしっかりとメモを取るタイプは大成していった選手が多いように感じる。・・・・古田敦也や宮本慎也のような真面目なタイプは、「メモ魔」と呼んでもいいくらいにメモを取っていた。(「野村メモ」)
〇監督として、いつも念頭に置いていた戒めがある「先入観は罪、固定観念は悪」(「野村メモ」)
〇「失敗と書いて、〝せいちょう〟と読む」と自分に言い聞かせ、果敢にいろいろなことに挑戦しては失敗し、それを自分自身の成長の糧としてきた。失敗を成長の糧とするには、何よりも自分の「欠点」としっかりと向き合わなければならない。(「野村メモ」)
〇神が人間に耳を二つ、口を一つ創られたのは、話す倍だけ人の話を聞けという啓示ではないか。実際に人間は普段の生活で情報のインプットとアウトプットを行うとき「聞く50%」「話す30%」「読む15%」「書く5%」程度が標準だという。つまり、心をつくるのは、誰から何を聞くかが大事なのだ。(「師弟」)
〇今までやってきたことを変える。これは大変な勇気を必要とする。(「師弟」)
〇人間は可能性の動物である。機能的に発達するようにできている。ただし、発達には3種類のタイプがある。①ある程度まですぐに伸びるが、やがて止まってしまう②平行線でもがんばり続け、急激に伸びる③ゆっくり上達しているため、よく見ないと気づかない(「師弟」)
キリがないので、これぐらいにしておこう。〝ノムさん〟のことばにどれだけ助けられたか、どれだけ勇気をもらったか、どれだけ学んだか。ご冥福をお祈りいたします。
今日は3年生の終業式がありました。以下の話をしました。(一部修正)
今日は3年生の終業式です。県内の多くの公立高校では、同じように3年生の学年集会を開いて、これからの心構えについて話をしています。今日は皆さんに質問をします。「社会人になるにあたっての自覚、心構えについて話をしてください。きちんと文章で答えてください。単語だけではダメです」(*この後、数人に指名して、それぞれのことばで答えてくれました。)
私が社会に出たのは35年前です。前日までは学生。4月1日初出勤、生徒から「先生!」と呼ばれ、22歳の若輩者に対して、50代の先生方からも「先生」と呼ばれ、敬語で話しかけてくれる。スイッチが完全に切り替わりました。これが社会人になるということか。責任感とか使命感が沸々と高まったことを覚えています。今日は皆さんに心がけてほしいことを簡単にまとめたプリントを作ってきましたので配ります。
令和元年度 第3学年 終業式
1 社会人や進学に向けての自覚とは何か。
2 仕事を任せられるか
〇あたりまえのことを一生懸命にやる 「凡事徹底」
→遅刻をしない、期限を守る
→約束事を守ることができるかどうか=誠実
→仕事を任せられる
3 一緒に仕事をしたいと思われるか
①特に朝、「おはようございます」と明るくあいさつをします
②呼ばれたら「はい」と返事をします
③はきものをそろえ、席を立ったらいすを入れます
→この3つは最低限のしつけ、コミュニケーションの基本中の基本
4 真剣だと知恵が出る 中途半端だと愚痴が出る いい加減だと言い訳ばかり 本気でやっているから誰かが助けてくれる
5 やる気に左右されない
6 石の上にも三年
・3年間とにかくひたすら仕事に向き合う。ノウハウがある程度は身につく。
明日からの自宅研修期間は4月からの新しい生活に向けての準備期間です。自分を磨いてください。本をたくさん読んでください。
このあと、進路指導課、生徒指導課、3年担任から今後の心構えや「3つのA(あいさつ、あやまる、ありがとう)」、生徒・保護者・職員・来賓みんなが気持ちよく卒業式を迎える、アップデートなどの話があり、生徒たちはしっかりと目で聴いて、心に届いているようでした。
昨日、第5回石川県総合学科高等学校生徒成果発表会が白山市松任学習センターコンサートホールで行われた。県内の総合学科を有する9校による発表会である。本校からは代表として福祉系列3年生3名が発表した。タイトルは「あなたに届け ~手話と交流を通して~」である。手話を交えながら本校の紹介をした後、聴覚障がい者と関わりコミュニケーションの取り方を模索した活動について発表した。聴覚障がい者の音のとらえ方を文字にしたスライドや文化祭での手話歌の動画の場面では、会場全体から視線が注がれた。異なる価値観や立場の人たちとコミュニケーションを取っていくことは、多様性の時代において、さらに大切になってくるため、この取組は意義深いものであることは間違いない。
下記は発表校のタイトルである。( )内は閉会時の県教育委員会担当指導主事からの各発表に対する講評(要約)である。
1 加賀高校 「あなたに届け ~手話と交流を通して~」
(加賀市には手話言語条例があり、地域の特性を活かした良い発表でした。)
2 寺井高校「ジェンダー・LGBTについて考える」
(向き合っていかなければならないテーマ。学び続けることが大切)
3 松任高校「石川の文化と歴史 ~私たちにできること」
(地元の街の活性化のためにも大きな声での挨拶が大事)
4 北陵高校「好印象を与える会話 ~聞き上手になるためには?~」
「イヌの喜怒哀楽 ~感情をどのような表情と行動で表すのか~」
(仮説を立て、合っているかどうか検証していく、この方法が大切)
5 津幡高校「課題研究の成果 ~自分たちの進路と関連づけて~」
(原稿を見ずに自分の言葉で説明していたのは立派。言いたいことが頭の中で消化されているからできる)
6 志賀高校「志賀高にんがしい広場★3年目の挑戦~商業・福祉の連携を通して~」
(商業と福祉を互いに補完しながら進めたのが良かった)
7 七尾東雲高校「観光による地域活性化 ~七尾の観光を盛り上げよう!~」
(七尾市内での就職を決めたのは、学習を通して地元の魅力に気づいたからなのかもしれない)
8 輪島高校「私たちと輪島朝市」
(先輩たちの活動を継承し、さらに発展させようとするのが良かった)
9 飯田高校「おからプロジェクト ~大浜大豆のおからを使った商品開発~」
(地元の特産品に注目し、またフードロスを絡めたのが良かった。)
総合学科の高校がこのような取組の成果発表を通して、互いに切磋琢磨し、生徒たちの豊かな人間性の育みに資することを願っている。
生徒の皆さん、あけましておめでとうございます。今年一年が皆さんにとって、いい年でありますように祈っています。
今日の集合・整列、とても良かった。いいスタートが切れたと思います。
令和2年になりました。今日から3学期が始まります。3学期は各学年の締めくくりの学期であるとともに次の学年の準備ということでゼロ学期でもあります。
1年生は2年生のゼロ学期になりますが、その前に2学期の様子を見ていると、地に足がついていない、目標を見失っている、そのような空気が一部見られました。改めて、目標をいくつか設定してください。例えば、漢字検定に向けて本気の努力をして合格をめざす、提出物を期限までに必ず出す、部活動で一勝するでもいい。生活面で遅刻ゼロを続けるでもいい。目標をひとつひとつ達成することで自分に自信が持てるようになり、自分が磨かれていきます。
2年生は3年ゼロ学期になります。来年の今頃は多くの人は進路が決まっていると思います。このゼロ学期は進路についてしっかりと向き合うための準備期間であり、自己分析をする期間。履歴書に志望動機を自分のことばでしっかりと書くことができるか、資格の欄に記入できるものがあるか、自分に問いかけてください。資格は将来の仕事に直結しないものもありますが、資格を取る、検定に合格するというのは高校時代に頑張った証、努力の証明書になる。努力の証明書は何枚あってもいい。少し話がそれましたが、進路に向き合う中で、今やるべきことが見えてくるはずです。やるべきことが見えたら一歩を踏み出して下さい。
そして3年生は4月からの新たな生活に向けてのゼロ学期となります。ゼロ学期に社会人になるための、進学するための心構えを自覚してください。社会人や進学に向けての自覚とは何か。考えてください。2月10日の3年生の終業式で自覚について考えたことを皆さんに訊ねたいと思います。
最後に3学期も皆さんの授業の様子を見させてもらいます。私が授業を見る時のポイントは
①授業の中で何を学ぼうとしているのか、そのねらいを皆さん自身がつかんでいるかどうか。
②授業の中で先生の話を聴いているか、耳で聞くのはあたりまえです。目で聴いてください。今、大多数の人が顔を上げて目で聴いています。そしてしっかりと頭を働かせて考えているかどうか。
③その考えたことを自分のことばで話したり、書いたりできるかどうか、
です。是非、授業を通して自分を磨いて、伸ばしていってください。
以上で始業式の話を終わります。本日、二学期終業式を行いました。以下の事を話しました。(一部修正)
石川県青少年ボランティア賞を受賞しました。皆さんの活動はもちろん、これまで長きにわたっての先輩方の地道な活動も含め、評価されたものです。これからも、ぜひボランティア活動を継承してください。12日(木)に行われたKCB活動でも43名の参加がありました。地区会館の方々も大変喜んでおられたと聞いています。地域の方の協力による授業や取組もありお世話になっています。その恩返しの意味も込めて、これからも積極的に参加してください。
今日は読解力について話をします。先日、読解力の低下について新聞記事が出ていました。今日も他の新聞で読解力についての記事がありました。読解力とは文章を読んで、その内容を理解する能力のことです。国語に限らずすべての学習の基本であり、社会に出てからも基本中の基本となる能力。読解力がないと、文章もしっかり作ることができません。
こちらの新聞記事を見てください。見出しに「この公園には滑り台をする」とあります。意味不明です。小見出しが「文章作れぬ若者」
文章を作れない原因の1つにSNSの普及がある。LINEは単語や略語だけの話し言葉で通じる。スタンプを使えば感情をことばや文章にする必要もない。正しく文章を書かなくてもいいという環境がことばの乱れにつながっている。(12月5日 読売新聞より)
読解力の話に戻ります。こちらの本を見てください。新井紀子さんの著書「AI vs 教科書が読めない子どもたち」です。このなかで、読解力の大切さについて述べている部分がたくさんあります。一部紹介します。
〇日本は欧米に羨まれる画期的に低い失業率を達成しています。それを維持するには最低限、作業マニュアルや安全マニュアルを読んで、その内容を理解する必要があります。そのためには、教科書が読める読解力が是非とも必要なのです。
〇筆記試験が難しくて普通免許が取得できない卒業生や折角、板前修業しても調理師免許が取れない卒業生も少なくないそうです。
〇仕様書を正しく理解して、手順書どおりに作業をし、いわゆる「ほうれんそう(報告・連絡・相談)がきちんとできるあたりまえの人材がいくら人事にコストをかけても採れていない。
読解力をつけるためには、まず読書。一学期の終業式で、読書には「趣味としての自由な読書」と「義務・強制としての読書」の話をしましたが、読書を通して、最後までしっかり読み切ることで文章を正しく理解する力をつけてください。
2つめは語彙力をつける。語彙力とはことばをどれだけ知っているかという能力。多くのことばを覚え、その意味を理解する。また漢字の読み書きの力がつけば、語彙力もつきます。1、2年生は全員漢字検定を受けます。合格するための努力をしてください。朝学習だけでは不十分。この冬休み、本気で頑張ってください。
以上で二学期終業式の話を終わります。
今日の朝刊各紙の一面トップがそろってタイトルの事についてであった。経済協力開発機構(OECD)が公表した2018年の国際学習到達度調査(PISA)の結果では日本の15歳の読解力は前回の8位から15位へ大きく順位を下げた。
原因・背景として
・新聞や雑誌のように内容を精査した長文をよく読む生徒が減り、ネット上のチャットなどの短文のやり取りが増えた。(読売新聞)
・文章を読み取って伝える力が弱くなり、分からない言葉を調べて自分のものにすることをしなくなった。(読売新聞)
・「てにをは」などをしっかり理解できていないのかもしれない。(読売新聞)
・長い文章を読む訓練ができていない。語彙力が低下し、まとまった文章から情報を抜き出す能力が落ちている。
・読書量の減少に伴って語彙も減り、自分の言葉で文章を書くことに苦手意識がある。(読売新聞)などがあげられる。
読解力低下については現場でも常々感じていることである。憂慮すべき状況である。本校では、国語の授業に限らず、教科書や問題文などを読む場面を設定し、きちんと読み込み、文章を理解する力をつけさせようと努めている。また、今年度から1、2年生全員に漢字検定受検を課した。漢字の正確な読み書きができ、語彙力も身につけて欲しいとの思いからである。地道な取組であるが、やがて生徒たちの血となり肉となることを期待している。
期末考査も終わった。冬になり夜も長い。本にじっくり向き合ってみませんか。
最新更新日:2024/12/20(金)
更新履歴
・歳時記「手話うた発表会」
・歳時記「サンタの季節です」
・歳時記「第2回球技大会」
・歳時記「福祉系列 校外学習・第7回KCB活動」
・図書館より 「本のCM大賞」表彰式 お知らせ(12月)
・歳時記「晶子染め体験」
・歳時記「選挙出前講座」
・歳時記「シュトーレン」
・歳時記「お仕事体験フェア」
・歳時記「志望別進路ガイダンス」
・歳時記「加賀ロボレーブ国際大会2024」
・年間行事予定「12月行事予定」
加賀高校公式LINEスタンプ完成!
令和2年度の新入生から制服がリニューアルしました。
そして、この度、新制服の完成を記念してLINEスタンプを業者が作成してくれました。
興味のある方はLINEスタンプのスタンプショップで「加賀高校」と検索してみてください。クリエイターズの欄で出てきます。
※購入には50コイン(120円)かかります。