校長室ブログ

2024年5月の記事一覧

鉛筆 学びの環境

 昨日のスポーツテスト測定会は、金沢市営陸上競技場という最高の舞台で、自己ベストに果敢に挑む気持ちの良い姿があちらこちらで見られました。工事の関係で運動場が使えず、思うような練習はできていなかったと思うのですが、早めに競技場に来てトラックでのウォーミングアップなど軽く流している2年生の男の子たちを見ながら、伸び伸びと体を鍛えられる環境がいかに嬉しいものか、改めて痛感させられました。 

 今日の1限目には、やはり2年生の生物基礎の授業で学校のお隣のたんぼに繁殖する「藻」の様子を見に行きました。クロムブックを使えば細部の映像まで見られますが、どんなところにどんな大きさでどんな拡がり方をしているのか、種類の違いによる実際の色味の違いはどうかなど、自分の目で確認して初めて実感できることがあります。教室に戻ってから顕微鏡で先生が前もって採取してくれていたその藻の細部の様子を見た時も、いつになく身近に感じてまじまじと覗き込んでしまうのでした。 

     

 学ぶ環境は本当に大切です。今月に入り教室棟の工事が大きな音が出るものになり、授業中も聞き取りづらい場面が出てくるようになったので、本日から授業の多くを管理棟の教室で実施できるようにしました。2年生は管理棟2階の物理実験室を工事が落ち着くまでの仮ホームとしました。1年生も朝礼・終礼・お昼休みと火曜日の午後以外は、ほぼ管理棟で過ごせるようにして、移動教室も今までよりは少しだけ楽になるようにしています。 

 高校時代は学ぶのがお仕事です。たった3年間しかないこの時間に、大切なことを少しでも多く学んでもらえるようにこれからも考えていきます。不自由や不便も今の向陽生だけが経験できる特別なことと捉えて一緒に乗り越えていければ嬉しく思います。

驚く・ビックリ そんなにもあなたは〇〇を待つてゐた…

全校生徒の何割が並んだのだろう…。お弁当を持ってきていた人も沢山並んでいたのではないでしょうか?

今日は、内灘町のパン屋さん「ふわこっぺ」さんが、本校で臨時に販売をして下さいました。美味しいこっぺぱんが来るとあって、朝から本当に楽しみにしていたのでしょうね。4限のチャイムが鳴り終わるや否や、すごい勢いで生徒玄関に殺到する姿を見て、私自身の高校時代を思い出しました。(狙っていた焼きそばパン、今日も買えなかったなぁ…)なんて恨めしい思いで教室にとぼとぼと戻っていったっけ…(笑)

でも私の高校時代とは違って、きちんと一列に並んで買い求めている皆さんの姿はとても誇らしいものでした。さすが向陽生だなと嬉しくなりました。

欲を言えば、今回は初回だったので、早く並べなかった友達の分も頼まれたのか、たくさん買っている人がいましたが、次回からは、後ろに沢山並んでいる人にも行きわたるように考えて購入するようにしていけたらいいですね。美味しいものはみんなで食べられるともっと美味しくなるものですから…。

次回の販売も楽しみですね!                           

キラキラ さやけく生きていく

星野富弘さんが亡くなりました。

昨年のちょうど今頃、母の日を目前にした5月10日のこの「校長室ブログ」で、星野さんの詩についてお話ししました。「星野富弘」「ぺんぺん草」で画像検索してくれたら、その心温まる作品がすぐに見られると思います。首から下が全く動かせない身体で、口に筆を加えて描いたとはとても思えない、本当に美しい作品です。

星野さんの描く草花の絵とこぼれる言葉は素直に心に染み入ります。

「私にできることは小さなこと/でもそれを感謝してできたら きっと大きなことだ」(グミ)

「道端の花のようにひっそりと だれかの役に立てたらいいな/神様だけが知っているんだ」(シモツケソウ)

「たち止まっていいんだよ/ふり返っていいんだよ/そこに美しいものを見たのなら/すわりこんで ずうっと見ていて いいんだよ」(カキオドシ)

短いもの、長めのもの、色々ありますが、中でも私が励まされたのは次の詩です。

「痛みを感じるのは 生きているから/悩みがあるのは 生きているから/傷つくのは 生きているから/私は今 かなり生きているぞ」……一薬草(イチヤクソウ)という可愛い花の絵とともにあった詩です。痛みを感じ、悩み、傷ついていることを、「かなり生きているぞ」と前向きな言い方で吹き飛ばそうとしているというか、生命があるということのすごさの前にはどんな思いを持つことも全て愛おしいことなんだと言ってくれているというか…星野さんの強さがとてもまぶしかった詩でした。

自分の弱さや醜さを見つめ受け入れながら、さやけく生きていくために自分を奮い立たせていた星野さん。そんな姿や言葉が、多くの人を同じように奮い立たせ励ましてくれました。今頃は天上でお母さんの肩を存分に叩けていますように…。合掌。