学校からのお知らせ

玄関前のプランターを植え替えました‼ ~その3~

今日は、「玄関前の・・・ ~その2~」で話題にあげました「摘心(ピンチ)」について、お話ししたいと思います。

植物は、太陽の光を受けて光合成を行い成長します。隣に生えている植物よりも早く上に伸び、大きくならないと生き残れません。

そこで、植物は栄養をすべて上に伸びることに使えるよう、無駄な芽を伸ばさないようにしています。

植物にとって、伸ばすべき芽は、茎の先端にある「頂芽」です。

その下にはたくさんの葉が展開していますが、その脇には「脇芽」と呼ばれる小さな芽が隠れています。

この脇芽は、通常はあまり伸びることがありませんが、茎が折れたりすると「頂芽」に代って伸び始めます。

「長男」がいなくなっても「次男」、「三男」が控えているということでしょうか。

この性質を「頂芽優勢」と呼んでいます。

 

草花の栽培では、この頂芽を意図的に切り落とし、脇芽をたくさん発生させることにより、株のボリュームをつけ、たくさんの花を咲かせるようにしています。

サルビアを例にとって、その手法を紹介します。

  

植物の苗は、最初このような状態です。右が拡大したところ。

茎の先端にひとつだけ花をつけています。このまま生育してもひとつしか咲きません。

そこで、茎を摘心(ピンチ)します。もったいない気がしますが、茎を切り落とします。

  

切り落とされた茎です。 ごめんなさいね。

頂芽がなくなると、すぐに脇芽が伸び始めます。

少し肥料を与えるとさらに生育が良くなります。特に、サルビアは肥料が多いのを好みます。

2週間ほどすると、このような状態になります。

  

脇芽が伸び、それぞれの先端に花をつけます。花の数は5~6倍に増えることになります。

 

しかし、ここで満足してはいけません‼

それぞれの脇芽がさらに伸びて、葉を3節(段)つけた時に、もう一度、摘心(ピンチ)を行います‼

すると、さらに脇芽が伸び始め、花の数はさらに5~6倍になるということです。

ということは、30個近い花をつけることになります。

購入した苗をそのまま植えるだけよりも圧倒的に花の数が多くなることになります。もちろん株も大きくなっていきますから、ボリューム満点です‼

 

さぁ、みなさんもぜひお試しください‼

ただし、マリーゴールドやインパチェンス、ベゴニア・センパフローレンスなど、どんどん分枝する草花は摘心する必要はありません。

 

次回は、夏越しのための「切り戻し」についてお話したいと思います。厳しい夏を乗り切り、秋にもう一花咲かせるテクニックについてお話します。