自彊日新

自彊日新

最終号

片中日記(自彊日新) 令和五年度三月 特別号 

 またまた今回も特別号。この日記も今年でまる四年目。よく続けて来たなと自分を褒めたい気になっています。校舎の周りは、もう春の風に吹かれ、温かい日差しが心地よく感じるころになりました。新しい門出に、おめでとう。

今日も一日いい日でありますように。

さあ、顔晴りましょう。

 令和六年一月一日午後四時十分ごろ、能登半島で最大震度7の揺れを観測する地震が発生しました。皆さんも記憶に新しいと思います。この日は朝から素晴らしい好天に恵まれ、新しい年を迎えるにあたって最適の日だと思いました。私も家族との遅い初詣を済ませ、柴山潟から望む白山を眺めに、雪の科学館まで足を運びました。軽く浮御堂までウォーキングした後、併設されている喫茶店で紅茶を楽しみ、その場を後にしました。帰宅したのがちょうど四時ごろ。リビングで家族と過ごしているときに、スマートフォンと防災無線から同時に地震情報。その数秒後に大きな揺れがやってきました。ひと通り揺れが収まるのを見計らってテレビに目をやると、津波の情報が。アナウンサーはテレビとは思えない大声で避難を訴えています。加賀市にも到達するって・・・。

 後日、雪の科学館を訪ねたところ、悲惨な状況になっていました。駐車場、芝生広場は無残な姿に。あの日ちょっとでも出発する時間が遅れていたらと思うと、想像するにも怖くてできません。

 本校では防災・震災教育を行っています。修学旅行では阪神淡路大震災の学習をするために神戸・淡路島の方へ行きます。三年生の防災委員はそこで学習したことを全校生徒に紹介しています。私は防災・震災教育の目的を「自分の命を守るため。」そして「自分の大切な人、仲間、家族の命を守るため。」と考えています。それは皆さんにも折に触れ伝えています。他にも大切なものはあるのですが、先ず皆さんは、どこにいてもこの二つを心掛けてください。いずれ皆さんは独立します。守らねばならないパートナーや大切な人との出会いもあります。そのかけがえのないお互いの命を守るために。絶対に忘れないでいてください。

 卒業のめでたい門出に震災の話ではと思いましたが、皆さんがまた数年後、数十年後にこのスワトンの学び舎にて元気な姿で再会できること、お互いの近況報告や喜び、笑いを分かち合えること、それを心から願っています。日本全国どこで暮らしていようとも、ここで学んだ防災・震災教育の目的を忘れないでください。そして疲れたとき、辛いとき、悲しいとき、ここは皆さんを温かく迎え入れてくれるはずです。ここは皆さんの故郷です。

 さあ、夢への第一歩、楽しく一生懸命、迷わず進め。

今日も生徒の笑顔と夢の実現のために、教職員一同太陽作戦で顔晴ります。  

 学校文集『白嶺』に寄せた文章です。これが4回目となります。

 この度の定期人事異動で加賀市立錦城中学校へ異動となりました。この片山津中学校では、初任校長として四年間勤務させていただきました。赴任した当時、コロナ禍による臨時休業を経験し、全く何も分からず右往左往しながら、皆さんのご協力の元、なんとかここまでたどり着くことができました。その間、生徒たちの笑顔にどれだけ励まされ、本校教職員にどれだけ助けられ、保護者、地域の皆さんにどれだけ勇気づけられたことか、今思うと本当に「ありがたい」ことだと思っています。ありがとうございました。

 片中日記も四年間、何とか続けることができました。これからは片中を離れますが、思い出深いこのスワトン台地の学び舎を私の心のふるさととして、これからも応援させてもらいます。

 高き理想に

 励まんいざや

 おお我が中学校

 片山津

 

 ありがとうございました。

 山下悟