陶芸コースの紹介
陶芸コースの学習内容を紹介します
陶芸といえば 轆轤(ろくろ)で作品を作ったり、絵付けをする事を初めに想像する方が多いと思います。
陶芸コースではどのような内容で焼きものを学んでいるのか紹介します。
りんごのオブジェ(生徒作品) イヤリング(生徒作品)
「土練り3年、ろくろ8年」どこかで聞いたことがありますね。そうです「桃、栗3年 柿8年」を捩ったことわざです。土練りに3年も修行したり、ろくろが上手くなるには8年間勉強しなさいという意味ではありません。「それ位みておけばで上手く(一人前)なりますよ」という意味だそうです。
轆轤でマグカップを作るところ(3年生になるとけっこう上手くひけるようになります。) |
薪窯に薪を投入するところ (毎年、3年生が一昼夜かけて焚き上げます。) |
作品作りは最初のころは手ろくろの上で紐造りという技法で茶碗や壷、オブジェなどを作ります。それから本格的にろくろ成形を学びます。陶芸にはそれ以外にも沢山の技法(成形方法)があります。
手捻(輪積み)でオブジェ作り 完成し、作品展示
成形して乾燥し、素焼き(850℃で焼いたもの)をします。これに釉薬(ゆうやく)というものを施します。それを1280℃で焼くと完成です。1200~1300℃で焼くことを「本焼とか本焼成」といいます。
自分たちで研究した釉薬を掛けて焼き上げることもあります。先輩たちが研究した釉薬の調合データなど合計で1000色位ありますが、10色程度の釉薬が良く使用されています。
2年時のセラミックス工業の授業でまとめた釉薬研究資料です
県工には薪窯が設置されています(雪華窯)。
薪窯とともに電気炉とガス窯で焼き上げています。
電気炉はプログラムコントローラで制御できるようになっています。先人たちが研究したことや成功例を参考にして温度の上げ方をプログラム入力することもあります。
電気炉と真ん中がプログラムコントローラ デザート&菓子器(生徒作品)
みんなで協力して窯づめし、完成した作品です。(令和3年11月実施記録より)
毎年、薪窯で陶芸コース3年生と2年生で約200点以上の作品をつくります。
石川県は九谷焼の産地ですから九谷焼の絵付けも学びます。
絵付けはなんと言っても図案(デザイン)が大切です。 赤絵(生徒作品)
この実習は3年生の1学期に学びます。もちろん素地(きじ)は自分たちで作ります。
(2年生の後半に轆轤でお皿を作り、白い素地で焼き上げておきます)
絵付けが終わったら800℃の温度でもう一度焼き上げて完成です。
時には金や銀などを図柄に加えることもあります。(金銀彩といいます)
金や銀の箔作りも金沢の伝統産業です。陶芸作品は多くの伝統産業との関係が深くつながっています。
R3いしかわ県民陶芸展 県民陶芸大賞 鋳込み(石膏型に粘土を流し込む)作品
陶芸コースでは石川県の伝統産業である九谷焼の次代の後継者、新しい陶芸・セラミックデザインの世界を開拓する人材の育成を目指しています。