校長室ブログ

2024年10月の記事一覧

本 読書週間が始まりました

 2024年の読書週間が昨日から始まっています。本校の図書室にも新刊本が続々お目見えし、皆さんんが手に取ってくれるのを待っています。スマホの中で読む人も多いかと思いますが、本の重みや、前のページの記述の確認、残り数ページになってくる感覚など、書籍でしか味わえないことがいくつもあります。読書週間の時だけでも本を手にしてみてほしいと、昭和な私は願っています(笑)

 おすすめ本ですが、「博士の愛した数式」(小川洋子著)、「夜のピクニック」(恩田陸著)、「たゆたえども沈まず」(原田マハ著)、「栗山ノート」(栗山英樹著)、「もうあかんわ日記」(岸田奈美著)…と硬軟合わせて色々とありますが、一番のお薦めは本屋大賞を受賞した宮島未奈さんの成瀬シリーズ「成瀬は天下を取りに行く」と、その続編の「成瀬は信じた道を行く」です。笑いながら読めて、でもジーンと胸が温かくなってくるそんな短編が並んでいるので、大変読みやすいです。

 読書なんて大嫌い!と思っている人がいるかもしれませんが、子供の時に食べられなかったものが年を取って久しぶりに口にしてみると食べられるようになっていることがあるように、本を読むという行為も、年齢を重ねて人生の体験が加わってくると、自分にピッタリ合うことや合う時期があります。昔、すごく嫌いだった人も久しぶりにページをめくってもらえたら嬉しいです。

 因みに、普段はゆっくりページを繰る時間がなかなか作れなくてオーディオブックで聴読していることが多い私ですが、読書週間が始まった昨日から、「いま読む『源氏物語』」(角田光代 山本淳子 著)を読み始めました。「源氏物語」に関する書籍はこれまでにもたくさん読んできましたが、このお二人が書いているとなると、読まずにはいられないということで、暇を見つけて読み進めています。

 読書週間自体は11月9日(土)までです。読書週間が読書習慣になったりするとスゴいですね。また読んで面白かった本のお話など聞かせてもらえたら最高です。

飛行機 秋の空

 朝、皆さんの登校を待つ場所から、秋空を写してみました。工事の覆いに切り取られて実に青い空が広がっています。清少納言は「秋は夕暮れ…」と仰っていましたが、私は「秋は雲…」とここ数年思っています。夏の終わりの入道雲から始まって、秋になると神様が色々な種類の筆で青く澄みきったキャンパスに自在に白の絵の具を置いているような、そんな絵が広がります。それぞれの雲にはちゃんと名前もついていて、「うろこ雲、いわし雲、さば雲」といった波状雲。「ひつじ雲」と呼ばれる叢雲(むらくも)。ハケですーっとはいたような「すじ雲」など、秋だなぁと感じる雲を見ているのは楽しいものです。

 時に、「〇〇と秋の空」とよく言いますが、これからの世の中ではこういうたとえ方も少なくなっていくのかもしれませんね。また「天高く馬肥ゆる秋」もよく聞きますが、確かに秋の空は高く見えます。これは気のせいではなく、高気圧の出方と雲の種類に原因があるのだそうです。興味のある人はネットで調べてみてください。因みに冬の夜空が美しいのにもちゃんと理由があります。何気なく目の前に広がっている空ですが、そう思うととても神秘的ですね。

 大きな自然の前には、自分の悩みが小さなものに思えてくることがあります。のんびりと秋の空を眺めて、穏やかな気持ちを取り戻せると良いですね。今週もよく頑張りました。来週も元気に登校してくださいね。

     

          

 おまけです。この赤も好き。   

 

キラキラ ヒダンキョー

 漢字で書くと、「被団協」。正式名称は、「日本原水爆被害者団体協議会」です。先週11日に日本被団協に2024年のノーベル平和賞が授与されることが決まりました。受賞の理由として、「核兵器のない世界を実現するための努力」と「核兵器が二度と使われてはならないことを目撃証言を通じて示してきたこと」が挙げられました。

 あの日の惨禍を忘れてしまうということがないように、70年近くにわたって原爆の被害のすさまじさ、甚大さを訴えてきた被爆者たちの取り組みに栄誉が贈られるのです。父を失い、母を、兄妹を、友達を亡くした日のことを語り続けてくることは、本当に苦しいことだったろうと思います。決して忘れてはならないこととして、自分自身にも、聞いてくれる人々にも、ひいては世界中の人にもという思いで、一心に活動されてきた日々だったのでしょう。

 けれども、今もなお、核の威嚇を繰り返す国や核戦力の強化、核開発にまい進する国が後を絶たず、目の前では、核保有国と核開発国との対立・戦いが続いています。人間の英知が自然や暮らしを脅かす方に使われるのでなく、わかり合い、許し合い、助け合う方へと使われる、そんな21世紀を送りたいものです。日本被団協の取り組みに大きな光が当たったことで、改めて、全世界の国々で非核三原則の取り組みが進むと良いのにと切に願うものです。(※非核三原則…核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず)

 2年生の修学旅行ももうひと月を切りました。長崎の原爆資料館ではまたしっかりと学習を深めてきてください。新しく学んだことを教えてくれるのを楽しみに待っています。

 

朝 どんな「〇〇の秋」にしますか?

 中間テストが終わりました。テストの結果に一喜一憂しながら、次はもっと頑張ろうとこぶしを握りしめてくれていることと思います。そうです。(次はもっと…)この気持ちが人間の能力を高めてきました。記録を作るのは一握りの研究者やアスリートばかりではありません。私たち一人一人が、「昨日より少し成長している自分」を作ることができます。ゴールはありません。願い続け、努力する限り、どんどん成長していくことができます。努力をサボって後退する日もあるでしょうが、気を取り直して、また始めることは誰にでもできることです。自分磨きを続けること、これからも頑張ってみてくださいね。

 ということで、何を(どこを)磨いていきましょうか…という話になるのですが、気温も涼しくなって、どんなことにも集中して打ち込みやすい季節になってきました。「〇〇の秋」とよく言いますが、自分にとって、今年は何推しの秋にしようか、また楽しく悩んでみてください。学校周りの工事も佳境で色々な面で迷惑をかけていますが、少し狭くなった(暗くなった?)生徒玄関では、少しでも明るい気持ちになってほしいと、いろいろな試みが展開されています。向陽祭のスライドショーを流していたり、写真部の皆さんの写真に付箋紙でコメントをつけるコーナーがあったり、新たにお目見えしたのは、『今月のプチ美術館』!! 10月は不思議な絵シリーズです。増山先生の解説・コメント付きなので理解も深まるし、何よりその不思議さに思わず見入ってしまいます。ちょっとだけ「芸術の秋」ができそうですので、皆さんもぜひ楽しんでみてください。

 今日から来週の月曜日まで今年度のノーベル賞が次々に発表されていきます。推しを突き詰めてきた方々の素晴らしい実績を横目で見ながら、自分自身の「できた」「わかった」「面白い」「楽しい」を私たちも増やしていきましょう。