第61回 石川県理科教育研究大会 七尾・鹿島大会
大会主題 「小・中・高をつなぐ理科教育のあり方」
副題 ~理科の見方・考え方を軸とした主体的な探究活動を通して~
〔副題設定の理由〕
社会が急速に変化し、複雑で予測困難な時代となっている。そのような状況の中、新学習指導要領が全面実施され、未来社会を切り拓くための資質・能力を一層確実に育成することが目指されている。
また、令和3年1月中央教育審議会答申で示された「令和の日本型学校教育」においては、全ての子供たちの可能性を引き出し、一人一人の子供を主語とする学校教育の実現に向けて、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実が求められている。「主体的・対話的で深い学び」とは、子供たちが未来社会を生き抜く資質・能力を育成するための学びであり、その実現に向けて授業改善を推進しているところである。
さらに、GIGAスクール構想ビジョンのもと、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化された教育ICT環境を実現することで一人一人の学びの質を高めることが求められている。各学校では、高速大容量の通信システムと、一人一台端末が整備されてきている。学校現場では、校内外の研修会等を通して、各教科等の目的を踏まえながらICT機器の効果的、効率的な活用方法を日々模索している。
理科教育において深い学びを実現するためには、児童生徒が主体的に自然の事物・現象を探究することが必要である。また、自ら問題を見いだし、観察・実験に取り組み、結果を考察する等、問題解決の過程において児童生徒が「理科の見方・考え方」を働かせていることが求められる。児童生徒は、「理科の見方・考え方」を軸にして思考を深化、発展させていく。指導者は、児童生徒が理科で育成を目指す資質・能力を身につけていくために、問題解決のどの場面で、どのような「理科の見方・考え方」を働かせばよいのかを想定しておくとともに、想定した「理科の見方・考え方」を働かせることができる状況をつくる必要がある。例えば、自然の事物・現象への出会わせ方や観察、実験の工夫、板書や発問等の吟味、ICT機器の活用等が挙げられる。そのような理科教育の取組により、目指す資質・能力を育成されるものと考え、副題を ~理科の見方・考え方を軸とした主体的な探究活動を通して~ とした。
『研究の重点』
①自然の事物・現象から自ら問題を見いだし、見通しをもって観察、実験を行い、結果を考察する主体的な問題解決の学習活動
②探究活動の過程における問題設定や検証計画の立案、観察、実験結果の処理考察の場面など、あらかじめ個人で考え、その後、意見交換したり、根拠を基にして議論したりして、自分の考えをより妥当なものにする学習活動
③理科の見方・考え方を働かせながら、問題を科学的に解決する過程を通して、育成を目指す資質・能力を獲得し、より科学的な概念を形成する学習活動