第58回 金沢大会に向けて

第58回石川県理科教育研究大会 金沢大会 に向けて
                                                                        大会推進委員長  濱坂 昌明
                                                               (金沢市立北鳴中学校 校長)

 

 第58回石川県理科教育研究大会を金沢市で開催できますことを、大変うれしく思います。
 本研究大会は、主催:石川県理科教育研究協議会、後援:石川県教育委員会・市町教育委員会・石川県科学教育振興会のもと、半世紀以上にわたって、小中高共通の研究主題と副題を設定して公開授業・分科会等を行ってきた全国でも希有な研究大会です。大会主題の「小・中・高をつなぐ理科教育のあり方」は、本大会の根幹をなすものといえます。今回、副題を「『見方・考え方』を働かせて、主体的に問題解決を図る理科学習」としました。副題の設定理由につきましては、別に掲載してありますので、ご覧いただければと思います。
 主題・副題にもとづいた公開授業を、金沢市立泉小学校・金沢市立泉中学校・石川県立金沢二水高等学校において午前に、分科会・全体会・記念講演を午後に行います。これら公開授業や分科会等が、ご参加いただく先生方の授業力向上やこれからの理科教育のあり方を考える一助となることを願っております。 
 記念講演には、千葉大学大学院理学研究院准教授の亀尾浩司氏(金沢大学理学部卒業・同大学院理学研究科修了)をお迎えします。令和2年1月、日本の地質に関わる大きなニュースが世界中を駆け抜けました。千葉県市原市田淵にある地層が、一番新しい地磁気逆転の記録が世界で最もよく残っているために、時代を分ける境界がよくわかる地層(国際境界模式層断面)として、世界的に認められたのです。これにより、いままで名前がなかった約77万4千年前から12万9千年前までの時代がラテン語で「千葉の時代」を意味する「チバニアン」と呼ばれることになりました。日本の地名にちなんだ名前が地質年代につけられることは初めての快挙です。亀尾氏は、その申請グループの中心となる研究者の一人です。当日は、チバニアン決定までのプロセスとチバニアン当時の地球環境の変遷について、お話しいただく予定です。
 最後になりましたが、新型コロナウイルス感染状況による一部縮小やオンライン開催も勘案しながら、通常通りの開催を目指して、現在、誠心誠意準備を進めているところです。県内外から多くの先生方にご参加いただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。