日誌

日々の出来事

6/2 やり切った鼓笛パレード

 本校は明治9年に創立、今年度創立148周年を迎えました。6月2日(日)、創立記念鼓笛パレードを無事行うことができました。できるだけいつも通りの教育活動がすすめる、その大切な行事の1つが鼓笛パレードです。本校の鼓笛パレードについて調べてみました。本校の沿革には以下の記載がありました。
◈昭和25年11月22日 銀鈴バンド県1回大会優勝
 銀鈴とは、銀でできた鈴のこと。実際どのような楽器を使っていたのかは想像することしかできませんが、この時代に県大会で優勝したという素敵な歴史があります。このあたりに本校の鼓笛パレードのルーツがあるのかなと想像しました。いつ頃から本校の鼓笛パレードが行われていたのか写真で調べてみると、昭和40年代の写真が出てきました。約60年前、おそらくそれ以前から行われていたことでしょう。

 今年度の本校の児童数は13人。この人数でいつものような鼓笛演奏ができるのかいう不安もありましたが、「もしかしたら今年で最後!」。そのくらいの気持ちで練習に取り組ませ、ぜひ地域の皆さんに元気を届けよう!と気持ちは固まりました。4月中旬から練習が始まりました。子どもたちはみんなほぼ初めての楽器の担当ということもあり、中には毎朝登校するとすぐ音楽室で練習する児童も。ある朝、学校前横断歩道で交通指導をしていると、地域の方から「鼓笛の練習の音が聞こえていますね。その音を聞いてたくさんの元気をもらっています。」との声もいただき、胸が熱くなりました。

 5月中旬からは全校での練習開始。わずか13人での練習ですがその音は子気味よく校内中に響きわたっています。その時、「これで大丈夫!本校の大切な伝統は今年も確実に次へ引き継がれる!」と確信しました。いよいよあと1週間後に迫る中、子どもたちの鼓笛パレードへの思いを確認する場面がありました。思い思いに、気をつけたいことを話してくれました。その様子からは、本校の伝統を守るための力強さを感じたのは、私だけではないと思います。

 当日は朝からあいにくの雨。正院っ子の伝統を守り、正院っ子のパワー=精一杯の姿を見せることで正院町に笑顔の花を咲かせたい!その思いを伝えるにはどうしても仮設住宅の中を、堂々を行進したい!天からの恵みか、パレード開始時刻には雨がやみ、少し晴れ間があるとの予報。子どもたちの思いを地域の皆さんに届けるために、コースを短縮し、仮設住宅の中を行進することができました。仮設住宅の皆さんは、玄関前に出てきて下さりたくさんの笑顔と声援と拍手を下さいました。仮設住宅内をひと回りして、学校玄関前での停止演奏、いつも以上のたくさんの地域の皆さんが子どもたちの演奏を見に来て下さっていました。演奏している子どもたちの姿からは緊張感と熱い思いを感じました。自分たちの精一杯で、最後までやりきった児童は全員笑顔でした。「自分たちも地域の一員。皆さんのために何かしたい!」そんな子どもたちの思いが実現した時間ともなりました。

 当日は、他校で学ぶ児童6名も参加してくれました。みんなの元気な顔を見ることができたこと、心を一緒にして演奏できたことが本当にうれしかったです。

 地震により、失ったものは多くあります。しかし、この経験から学び、感じ、考えることも多くあるように感じます。これからも正院っ子の伝統を守り続けたい!そんな子どもたちの思いを実現できるように、いつも通りの教育活動をすすめてまいります。

0