校長のつぶやき

つぶやき(8/10)

 セミの声はするけれどずいぶんと減ったな、と思う。

 毎年お盆には墓参りと一緒にお里に顔を出すのだが、この家のセミの数は尋常ではなかった。ミーンミンミンの大音響を発している庭の一本の木にホースで水をかけると何十匹というセミが飛び立っていった。いつからか子どもたちはこの家を「セミの家」と呼び、住んでいる人を「セミのじいちゃん、ばあちゃん」と言うようになった。しかし、数年前からこの木もそうでなくなった。
 やかまし過ぎるセミの鳴き声が暑さを倍に感じさせたあの夏休み。なつかしいというより、何か寂しい。