質問力
新たな年を迎え、改めて気を引き締めていきましょう。
さて、昨年末、多くの企業の方と話する機会があって、私はこんな質問をしました。
「企業の方々は、コミュニケーション力を持った高校生を採用したいってよく言うが、企業の皆さんが考えているコミュニケーション力とは具体的には何なのですか」。
「私たちが求めているコミュニケーションとは、友達が多いとか話がうまいとかじゃなく、理解できなかったことがあれば、ここの箇所がよく分からなかったので、もう一度教えてくれませんか、と自分から聞けることです。」
こんな答えでした。なるほど。
会社に入ると、上司から部下に仕事のレクチャーをします。上司は「わかったか!」と確認してきます。部下は「はいっ」と威勢よく返事をするのですが、実はよく理解していないのに、その場しのぎや社交辞令の「はい」が多いとのこと。その結果、仕事や取引が機能しなくなり、大きな損失を与えてしまう。これに恐れているんだとおっしゃっていました。
そこで、生徒諸君へ。もっと質問する力を付けなさい。授業が終わった後、先生に疑問をぶつけなさい。考査前1週間は、質問をする生徒と答える先生で、職員室前廊下を溢れさせなさい。部活動でも、このトレーニングをする意図を先生や先輩に聞きなさい。
もちろん、むやみに質問をすればいいのでありません。相手を困らせようと思って質問するのは愚の骨頂。相手を思いやる気持ちをしっかり持ちましょう。
3学期は、テーマ研究発表会を始め、相手の話を聞いて質問する場面が多くあります。発表する生徒にしても、一生懸命説明して、そのあと、聞き手から何の反応もないと悲しくなります。質問してくれる相手がいると、本当にうれしいのです。質問することは、「あなたの話をしっかり聞いていましたよ。」というメッセージになるからです。そして、良い質問をするためには、それなりのスキルを身に付ける必要もあります。1月のテーマは「質問力」。