校長室より
ちょっとしたこと ~生徒のみなさんへ~
朝、本校の前の通りは、本校への送迎の車で交通量がグンと増えます。
よく見ていると、本校にお子さんを送った方が、バス通学や自転車通学で道路を横断しようとする生徒のために車を止めてくれています。本当にありがたいことで、それがなければ生徒たちは渡れないことにイライラとし、ついには無理に渡ろうとして飛び出すこととなり、大きな人身事故につながっていくのではないかと、いつも思っています。
保護者のみなさま、本当にありがとうございます。
もう一つ気づいたこと、気になることがあります。それは本校生徒の態度です。
車を止めてくれたドライバーにペコッと頭を下げて渡る生徒がいるなか、多くの者が何もせず渡っていきます。バス通学者の中には、小走りに横断歩道を渡ったり、ドライバーに向かって頭を下げて渡る者がいる一方、悲しいかな、やはり多くの者は歩くペースも上げず、友達と話しをしながら悠々と渡っていきます。まるで「車が歩行者のために止まるのは当たり前でしょ」と言っているかのように私の目に映ることもあり、とても悲しくなりました。
確かに車の運転者から見れば歩行者は交通弱者であり、事故が起きれば多くの責任を負わされます。ですが、忙しい朝の時間、少しでも早く職場へ行こうとしている人たちが、自分のために車を止めてくれていると思ったとき、人は何か態度で示すべきだと思うのです。ちょっと頭を下げる、ちょっと歩く速さを早めてみる。そうした「ちょっとしたこと」が相手の心を和ませ、優しさを沸き起こしてくれるのではないかと思うのです。ぜひ、本校生徒には、そうした人の立場に立って感じられる、考えられる人になって欲しいし、特に「ありがとう」という気持ちに関しては、それを動作や言葉で表すことのできる人になって欲しいと思います。
「ちょっとしたこと」の連鎖でこの世界は少しあたたかくなる。あなたの気持ちも「ほっこり」しますよ。
明日の朝、「ちょっとしたこと」を実行してみませんか。