校長室より

ネオジム磁石

 世界最強の永久磁石開発を発明した佐川真人氏が欧州発明家賞を受賞したとの報道がありました。日本人として誇らしいです。

https://mainichi.jp/articles/20240709/k00/00m/040/330000c

 世界最強の永久磁石とは「ネオジム磁石」のことです。ネオジムとは原子番号60の金属元素でいわゆるレアアースの一つです。現在では”100均”でも簡単に手に入れることができる身近な磁石ですが、発明されたのは1984年とまだ40年の歴史しかないものです。私が教員になった1990年にはもう高校の実験室に数個だけとはいえありましたので、普及のスピードは速いのではないかと思います。比較的割れ易く錆び易い印象でしたが、初めて触ったときに、その強力さに驚いたのをおぼえています。特に手の甲と手のひらに磁石を配置、つまりネオジム磁石で手をサンドイッチしても磁石が落下しないという磁力の強さに感動しました。学習指導要領では小学校で磁石を扱うことになっていて、磁石の不思議さをすべての子供が学習していますので、誰しもが黒い普通の磁石を紙や下敷き越しに動かして遊んだ経験があると思います。その遊びが手の厚みでもできてしまうわけですから驚きの強さではないでしょうか?”100均”ではホワイトボード用の磁石としても売られているので知らずに使っている人も多いでしょう。

 さてこのネオジム磁石ですが、その強力さを活かしてパワーの要るEVのモーター、小型化して携帯電話のバイブレータ、高効率の風力発電の発電機をはじめさまざまな分野で活用されています。まさに現代にはなくてはならない、世界を変えた発明となっています。その分かり易さと貢献度の高さは青色発光ダイオード並みと私は思っています。実際に佐川氏はノーベル賞候補にも名前が挙がっているそうです。楽しみです。

 昔は自動車整備というと”機械”というイメージでしたが、今は”電気”の知識がとても重要と聞いています。40年前ならエンジンの点火やヘッドライトくらいのところに、エアコン、エンジンの電子制御、パワー〇〇、カーナビそしてハイブリッドやEVと弱電から強電まで幅広い技術が使われているためです。特に走行用のシステムについては、安全に作業を行うには高い電圧を扱う技術が要求されます。もちろん、就職してからの研修もあるとは思いますが、基礎知識があると就職に有利なことはもちろん自信を持って進路選択ができると思います。中学生で将来は自動車産業に関わりたいと思っている人は、工業高校でその基礎を学んではどうでしょうか?

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ボウリング部全国大会について

 7月23日~25日に愛知県稲沢グランドボウルで開催される「JOCジュニアオリンピックカップ 全日本高校ボウリング選手権大会」に本校ボウリング部が出場します。ベストを尽くして頑張って来て欲しいものです。

 詳しくはこちらからご覧ください。なお例年こちらのYouTubeチャンネルででライブ配信されていますので、当日応援をお願いします。

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お祝い 【北信越大会進出決定】ものづくりコンテスト 化学分析部門・旋盤作業部門

 ものづくりコンテスト 化学分析部門・旋盤作業部門において北信越大会進出が決定しました。

 化学分析部門では第1・2位独占、旋盤作業部門は第2位となりました。化学分析部門の北信越大会は8/7・8に本校を会場に行われます。また、旋盤作業部門の北信越大会は8/31・9/1に新潟県率三条テクノスクールで行われます。
 なお、他の部門の石川県大会は、測量部門は7/26・27に羽咋工業高校、電気工事部門は7/28に金沢市立工業高校、電子回路組立部門は8/9に行われます。工業部の各種大会について応援よろしくお願いします。

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工場見学

 今日は全学年、工場見学の日です。実際の現場を見ることで、職業観を養い、自分の進路のイメージを持つことが主たる目的です。目的を忘れてはいけませんが、普段見ることができない工場のいわゆる現場を企業様のご厚意により見せていただけるとあって、生徒は予想以上に楽しみにしているようです。見送りに出て手を振ったらたくさんの生徒が手を振り返して応えてくれました。

 実際のところ大人の工場見学はなかなかの人気だとテレビで見たことがあります。また、私も理科教員として今まで工場見学をさせていただいており、どこも興味深く拝見しています。もちろん、今回の工場見学は一般の工場見学と違い、企業様のご厚意によりかなり深い部分、場合によっては秘密のものも含めて見せていただける機会となっています。

 楽しいばかりではないと思いますが、このような企画をとおして進学・就職の進路を固めていくことになります。改めて考えてみると、大学からであれば基本的にはすべて自分で考え実行しなければならないか、できないことを、行き先を自由に選べないとはいえクラスメイトと一緒に行えることはとてもいいことだと感じています。3年生になれば就職希望先へ8月に応募前見学で行きます。そこまでの段階として本校では地域企業様のご協力の元、1年時から繰り返し色々な企画をとおして経験し慎重に選ぶことができる訳です。こういった点も工業高校の特徴ではないかと思います。

工場見学についてはこちらでもご覧いただけます

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高校野球の季節

 7月になり、いよいよ高校野球の季節が始まります。先週6/28には第106回全国高校野球選手権 石川大会の抽選がありました。初戦は7月14日(日)14:00~県立野球場、対戦相手は小松大谷高校です。例年保護者、同窓生をはじめたくさんの方々の応援をいただきありがとうございます。選手は皆、毎日精一杯の努力を続けてくれています。

 ところで、今日出勤したところ机の上に大会の冊子がありました。パラパラとめくり、県高野連の会長さんの文章が力強くて素敵だなとか、うちの選手の集合写真はなかなかイケているななどと思いながら目を通しました。しかし、読み込むうちに記録のページに行きつき、あることに気づきました。

 それは「本校が石川県で甲子園出場に王手をかけた最後の公立高校であること(平成21年)」です。「本校が石川県で甲子園出場を果たした最後の公立高校であること(平成12年)」は知っていましたが、本校以外の公立高校が出場権をかけて決勝戦を戦うことさえできていない事実は知りませんでした。昨年度の全国大会においても公立高校は数えるほどだったことを覚えています。本県においてもそれほどまでに私学の壁が厚いのかと改めて思い知らされました。

 本校の選手にはその壁を打ち破って3度目の甲子園出場を果たし、生徒はもちろん、同窓生の皆様を喜ばせて欲しいと思っています。保護者の皆様、同窓生の皆様、今年もどうぞ応援よろしくお願いいたします。

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第1回中学生の保護者対象学校説明会を開きました

 今年度第1回の中学生の保護者対象学校説明会を開きました。合計20名余りの生徒、保護者の皆様に来ていただきました。土曜日の午前中という設定でありながら、多くの方に参加いただきありがたいことです。保護者の皆様向けの内容ではありますが、親子で参加したいというご要望が増えており、体験学習とは違い親子でじっくりとご覧いただける機会となっているかと思います。今年度は残り3回で、土曜日では参加しにくい方もいらっしゃるのでは?とか土曜日とは違った学校の姿を見ていただけるのではないか?と考え、敢えて曜日や時間帯のバリエーションを増やして実施予定です。もしかしたら、昨年度より参加しにくいということにならないか不安な面もありますが、中学生ならびに中学生の保護者の皆様で本校への進学を検討している方はぜひお越しください。なお、次回第2回は 令和6年10月1日(火) 16時~17時と平日夕方開催です。普段の放課後の本校の姿をご覧いただける予定です。基本的な内容は各回同じですが、第1回に参加された方の参加も歓迎です。(昨年度も複数回参加の方が何人もいらっしゃいました)

令和6年度 中学生の保護者対象学校説明会についてはこちらからご覧いただけます。

 

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石川県優良部活動指導者表彰

 石川県優良部活動指導者表彰式に行ってきました。

 これは全国優勝や世界大会出場など顕著な成績を上げた部活動指導者を称えるものです。今回は12名の方が表彰され、県立高校4名、私立高校5名、中学校3名でした。

 特筆すべきは本校の佐藤宏樹教諭が「機械研究部」という工業部の指導を通して表彰されたことで、実はこれは初めてのことです。昨年の「ものづくりコンテスト旋盤作業部門」において全国優勝を果たした実績によるもので、佐藤教諭の指導による全国優勝は2人目(本校では通算3人目です。それ以外にも何度も全国大会に出場を果たしています。)です。

 本校を含む工業部の指導者が今後も継続的に表彰対象となる実績をあげられるよう、他の学校長と協力して行きたいと思います。

 中学生の皆さん、実績のある指導者のもとで全国優勝にチャレンジする、そんな高校生活をしてみませんか。

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工業生とテレビ番組

 昭和の時代はテレビを観ると〇〇になるなどと言われたりしました。しかし、現代の若者はテレビを観ないそうです。タイパが悪いからとか色々理由はあるようですが、とにかくスマホを通じて早送りしてドラマを見るけど放送時間に合わせてテレビの前に座って食い入るように見ることは少ないようです。

 ただ、工業高校である本校の生徒には復活したプロジェクトXや解体キングダム、魔改造の夜などの番組はぜひ見て欲しいと常々思っています。中でも私のおススメは解体キングダムです。理由は純粋に技術者のお仕事のすごさが見られるからです。解体という一点に絞られていますが、豪快な技、繊細な技、そして工夫。しかも相手が基本とっても大きいので、私達の日常のように”ひょい”と動かすわけにいかないところも面白いです。次におススメは魔改造の夜です。立派な技術者がおもちゃのようなものを真剣に大人数で改造していく、清々しいくらいにばかばかしくそして結果が一目瞭然というところに心を惹かれます。やってもいないのに、「これはダメだろう」「これはいけるのでは」などとテレビの前で偉そうにつぶやいて見ています。プロジェクトXは人間ドラマという側面が強いので高校生にはちょっと地味かなとは思いますが、大人はうんうんと頷きながら静かに見入ってしまうのではないでしょうか。特に「仲良く頑張りました」ばかりではなく、「お互いに反発しながらも心の中では認めていた」「あの人に頼まれたら頑張るしかない」みたいなところがかえってリアルで気に入っています。

 それ以外にも季節ものではありますが、ロボコンはど真ん中ストライクです。作品というか工作物のバリエーションの広さ、背景に見える努力や工夫のすごさなど胸が熱くなります。因みに本校でも種目やカテゴリーは違いますが工業部で取り組んでいますし、秋の産業教育フェアで一般の方にも見て楽しんでいただいています。

 という訳で、逆に小中学生で上にあげたような番組が好きな人は工業高校に向いていると思います。高校はどうしようかなぁと迷ったら選択肢に入れてもらえると嬉しいです。なお、今年の工業祭では久々に一般公開をする予定ですので、ぜひ直接見に来てください。

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次年度科目選択説明

 期末試験2日目の試験終了後、1年生は体育館に集合して次年度科目選択に関する説明を聞いてもらいました。

 選択科目は将来の進路や興味関心に応じて学ぶために重要なもので、1・2年生にはこの時期に説明をして7月上旬までに仮登録、その後面談等を使って確認・相談をして調整、秋に最終確認を行っています。

この選択により、進学できなくなる、就職できなくなるようなことはありません。どんな選択であれ、進学も就職も可能です。しかし、

●普通科目を選択(工業科目を減らして)
→国公立大学にチャレンジ
→大学進学後に留学したいから英語力アップ
→就職先で海外出張や海外勤務があるので英語力アップ
→就職を目指している会社の方が数学に強いと役立つとアドバイスをくれたから

●工業科目を選択(普通科目を減らして)
→工業科目が好きだからたくさん学んでそれを武器に就職したい
→シンプルに技を極め、挑戦したい
→技術力のある大学生になりたい
→就職のつもりだけど工業をより極めたくなったら大学進学

など、将来を見据えて積極的な理由(好き、やってみたい、挑戦したい、必要・・・)で選択をすることを推奨し、間違ってもあれが苦手だからこっちという消極的な選択はやめるように指導しています。

 保護者の皆様には、生徒が持ち帰った資料に目をとおしたうえで、お子様とじっくり相談し”積極的な理由”による選択のご指導をお願いします。なお、科目選択について不明点、相談等がございましたら、担任までご連絡ください。

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自校体操

 本校には、自校体操という伝統の体操があります。第一と第二があり、昭和26年に制定されたものです。例年入学したての1年生は、体育の授業の【体づくり運動】の一つとして1学期にこの体操に取り組みます。

 5月のスポーツテストのときはまだたどたどしいのですが、2学期の体育大会のときにはとても立派な姿を見せてくれたのをおぼえています。なお、体育大会ですごいと感じるものの、続いての2年生の第二を見ると、上には上がいるものだと感心させられます。ぜひ外部の方にも見て欲しいと思うほどです。

 ただ、入学して時間が経てばうまくなるのだろうくらいに思っていたのですが、先日授業を見る機会があり、とても真剣な取り組みが実にかっこよく、この緊張感が上達につながるのだと感じました。5人ずつ体育館のステージに上がり、大きな掛け声を発しながら”演技”をしていくのですが、規定通りの動きができていないと、その段階で座らされ今回は脱落し、残りの友人を見守ることになるのです。言い換えるとゲームのように動きをクリアしていかないと最後まで演技ができず、最後まで乗り切ったとしても合格になるかは判定次第というものです。まるで、韓流アイドルの育成段階の映像を見ているようです。

 合格したときに他の生徒から送られる合格者への拍手がまた素晴らしいのです。もちろん私も拍手をしました。

 こういった教員の指導に真剣に応える、みんなで拍手を送るといった取り組みに支えられ、地域に求められるしっかりとした人材に成長していくのだな、と思いました。”いいもん見せてもらいました。”

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