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校長室ブログ
「特別だけど特別じゃない」
6月26日(月)の4限目、いしかわ特別支援学校の生徒さん達がスクールバスに乗って本校にやってきました。
3年生のニュースポーツの授業で、特支の皆さんと「キンボール」というスポーツについて学び、楽しんでいるからです。1986年にカナダの体育教師が考案したこのスポーツは、直径122cmのボールを使用し、その名前の由来の通り「運動感覚」をけっこう試される面白いスポーツです。
ピンク、グレー、ブラックの3チーム(1チーム4人 交代要員は各チーム8人まで)で競い、3人が支え持つ大玉を打つヒッターは必ず大きな声で「オムニキン!〇〇〇!!」と相手チームのいずれかの色を言います。言われたチームは大玉が床に落ちる前にしっかりホールドしなくてはいけないのですが、面白いのは、しっかりホールドしても点数は入らず、ホールドが失敗したときに自チーム以外の2チームに点数が入るというのです。
細かいルールは他にもいろいろありますが、この授業では、いしかわ特支vs向陽ではなく、両校が入り交じったチームで作戦を一緒に考えながら楽しんでいました。「オムニキン」の「オムニ」は英語のomnipresentから来ていて「全ての」という意味らしいのですが、全ての生徒が笑顔で大玉を追いかけて楽しんでいました
6月27日(火)の6限目には、いしかわ特別支援学校の地域支援室から4人の先生方が来て下さり、「障害者理解のための特別授業」をして下さいました。
4名の先生方はこの日のために何度も向陽を訪れて下さっていて、授業や事前アンケートを見ながら、向陽生の思いを汲みながらお話しして下さいました。あいにく異常に暑い日となり、何台もの扇風機と飲み物を持ち込み、前後左右をかなり広くとりながらお話しを聞きました。湿度も高かったため、お話ししてくれていた先生方も、つらかったろうなと思いました。
でも講演後、いしかわ特支の先生方は、皆さんが顔を上げてうなずいたり首をかしげたりと、反応しながらしっかり聞いてくれて、とても嬉しかったと話して下さいました。私も多くの皆さんが頑張って聞いてくれている姿を見ながら、そして最後の3人の感想にも感動しながら、とても暑かったのにさわやかな気持ちになっていました。
「特別だけど特別じゃない」・・・いしかわ特支の川井先生、金井先生のお話を聞きながら、私の頭の中にはずっとそんな言葉がぐるぐるしていました。障害という人と違うところがあり、見え方や聞こえ方、感じ方やとらえ方が違う。違うが故にしんどい、苦しい(或いはそうなるであろうと想定される)ところには、特別な支援や配慮が必要です。そうした先回りの支援や配慮は、障害を特別なものでなくしていきます(金井先生は、軽くしたり見えにくくしたり・すると仰ってましたよね)。
障害が特別なものでは、なくなると「あなたも私も同じだね」となって、一緒に笑うことが多くなります。そうすると、私がしてあげられることよりも、相手からもらっているものの方が実は多いのかもしれないことに気づきます。そして「してあげたい」は「したい」に変わっていきます。
おそらく、ニュースポーツの3年生たちは、何度も交流してきた中でそんなことを既に感じているように思います。先輩達の思いと行動を1・2年生もしっかりと受け継いでいって下さいね。
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