校長室ブログ

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キラキラ さやけく生きていく

星野富弘さんが亡くなりました。

昨年のちょうど今頃、母の日を目前にした5月10日のこの「校長室ブログ」で、星野さんの詩についてお話ししました。「星野富弘」「ぺんぺん草」で画像検索してくれたら、その心温まる作品がすぐに見られると思います。首から下が全く動かせない身体で、口に筆を加えて描いたとはとても思えない、本当に美しい作品です。

星野さんの描く草花の絵とこぼれる言葉は素直に心に染み入ります。

「私にできることは小さなこと/でもそれを感謝してできたら きっと大きなことだ」(グミ)

「道端の花のようにひっそりと だれかの役に立てたらいいな/神様だけが知っているんだ」(シモツケソウ)

「たち止まっていいんだよ/ふり返っていいんだよ/そこに美しいものを見たのなら/すわりこんで ずうっと見ていて いいんだよ」(カキオドシ)

短いもの、長めのもの、色々ありますが、中でも私が励まされたのは次の詩です。

「痛みを感じるのは 生きているから/悩みがあるのは 生きているから/傷つくのは 生きているから/私は今 かなり生きているぞ」……一薬草(イチヤクソウ)という可愛い花の絵とともにあった詩です。痛みを感じ、悩み、傷ついていることを、「かなり生きているぞ」と前向きな言い方で吹き飛ばそうとしているというか、生命があるということのすごさの前にはどんな思いを持つことも全て愛おしいことなんだと言ってくれているというか…星野さんの強さがとてもまぶしかった詩でした。

自分の弱さや醜さを見つめ受け入れながら、さやけく生きていくために自分を奮い立たせていた星野さん。そんな姿や言葉が、多くの人を同じように奮い立たせ励ましてくれました。今頃は天上でお母さんの肩を存分に叩けていますように…。合掌。