校長室ブログ

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キラキラ さやけく生きていく

星野富弘さんが亡くなりました。

昨年のちょうど今頃、母の日を目前にした5月10日のこの「校長室ブログ」で、星野さんの詩についてお話ししました。「星野富弘」「ぺんぺん草」で画像検索してくれたら、その心温まる作品がすぐに見られると思います。首から下が全く動かせない身体で、口に筆を加えて描いたとはとても思えない、本当に美しい作品です。

星野さんの描く草花の絵とこぼれる言葉は素直に心に染み入ります。

「私にできることは小さなこと/でもそれを感謝してできたら きっと大きなことだ」(グミ)

「道端の花のようにひっそりと だれかの役に立てたらいいな/神様だけが知っているんだ」(シモツケソウ)

「たち止まっていいんだよ/ふり返っていいんだよ/そこに美しいものを見たのなら/すわりこんで ずうっと見ていて いいんだよ」(カキオドシ)

短いもの、長めのもの、色々ありますが、中でも私が励まされたのは次の詩です。

「痛みを感じるのは 生きているから/悩みがあるのは 生きているから/傷つくのは 生きているから/私は今 かなり生きているぞ」……一薬草(イチヤクソウ)という可愛い花の絵とともにあった詩です。痛みを感じ、悩み、傷ついていることを、「かなり生きているぞ」と前向きな言い方で吹き飛ばそうとしているというか、生命があるということのすごさの前にはどんな思いを持つことも全て愛おしいことなんだと言ってくれているというか…星野さんの強さがとてもまぶしかった詩でした。

自分の弱さや醜さを見つめ受け入れながら、さやけく生きていくために自分を奮い立たせていた星野さん。そんな姿や言葉が、多くの人を同じように奮い立たせ励ましてくれました。今頃は天上でお母さんの肩を存分に叩けていますように…。合掌。

本 今日は『子ども読書の日』です

 職員会議が始まろうとしていた時のことです。会議が行われる視聴覚室の前で出会った2人の1年生が、今日は部活動がなくなったので帰る時間まで図書館で過ごすのだと話してくれました。今日は「子ども読書の日」。そして今日から5月12日までの約3週間は「こどもの読書週間」です。なんともピッタリだなぁと階段を上がっていく二人を嬉しく見送りました。

  今日 4月23日は「※サン・ジョルディの日」であり、「世界図書・著作権の日」でもあります。1週間後の30日は「図書館記念日」と、本や読書にまつわる記念日が続きます。

 私もここ数週間、読書熱が高まっていて、憑かれたように色々と読み漁っています。運転中はオーディオブックで聴き、寝る前は本を開いて黙読と、最低2冊を並行読みしたりして、その合間にTverも見てと大忙しです。そうまでして読みたい本があるのかと思われるかもしれませんが、そうまでして読みたくなる1冊との出会いを追い続けているという感じです。あるいは、最後のページを読み終えてパタンと閉じる時の充足感がたまらないからというのもあります。

 夢中になれるかどうか…勘が外れることもたまにありますが、たいていは知らない世界を知ることが出来たり、素敵な考え方や表現に出会えたり、新しい友達が増えていくような感じで嬉しいことの方が多いです。「(心の栄養のためにも)食事をするように読書をすべき」と言ったのは、『不思議の国のアリス』の作者のルイス・キャロルですが、食事をしている時間そのものが楽しくて、栄養になるかどうかは、私の場合は二の次です。

 そうそう。12Hさんが図書館オリエンテーションをしていた時に手に取った『君のクイズ』(小川哲 著)は、「読み始めたら、もう止まれない」と帯にあったとおり、本当に一気に読んでしまいました。クイズ番組好きにはたまらない1冊ですよ。ぜひ、お薦めします!皆さんもお薦めの本があったら、ぜひ教えてくださいね! 

 

  ※ サン・ジョルディの日:「本の日」とも呼ばれ、スペインのカタルーニャでは親しい人に本を贈る記念日とされている

鉛筆 さぁ、高校の授業です!

先週の木曜日から授業びらきが始まっています。

新しい先生と、ともに学ぶ仲間と、この1年間、授業を作っていきます。生徒の皆さんも作り手側の一員ですから、面白く、深く、まじめに、愉快に1年が進んでいくように、積極的に参加して学び取ってください。

高校の授業は、新しく学ぶこともありますが、中学校までに学んだことを深掘りしていくものも多いです。中学校の時は勉強があまり好きではなかったという人も、環境が変わったことで、今から、ここからトライしてみてください。

新しいことを知ることや、今まで出来なかったことが出来るようになることは、本当に嬉しく楽しいものです。

わからないときは思い切りわからないという顔をしてください。「わかりません」「うまくできません」と声に出してくれてもいいです。それは決して恥ずかしいことではありません。

一つずつわかるように、できるようになっていくのが高校時代であり、そのお手伝いをしているのが先生方なのですから、一緒に頑張っていきましょうね。

因みに私も先生です。わからないことがある時はぜひ質問に来てください。一緒に考えましょう。

 

 

 

 

 

 

 

                                

                                 春の花はどの花も本当に可愛らしいですね

お祝い 新年度のスタートです!

令和6年度がスタートしました。

まさに春爛漫!新しいスタートを祝っているかのような明るく暖かな日差しの下での新任式、始業式、そして入学式に、心がウキウキと浮き立つ1日でした。

スタートの日とあって、今日は目一杯の勇気を出して教室や体育館にいてくれた人が沢山いたのではないかなと思っています。特に2クラスが合体して今年から1クラスになった2年生や、周り中が「初めまして」だらけだった1年生の皆さんは、本当によく頑張りましたね。

今日は周りの人とうまく挨拶できなかったりおしゃべりできなかったりした人も、明日はまた違う流れがあるかもしれません。しばらくプチ勇気の日が続くかもしれませんし、うまくいかずに凹むこともあるかもしれません。でも、凹むのは次にうまくできるようになるための大切な経験です。急がなくていいので、今年も一緒に一つずつ頑張っていきましょう。(このつぶやきも、昨年度の38号超えを目標にがんばりますよー!)

 

追伸

 中庭の枝垂桜も今年は皆さんの登校を待っていてくれました。今はまだ五分咲きくらいかな…?

今週中には満開になりそうですから、ぜひ毎日愛(め)でに来てあげてくださいね。

また、玄関近くに1本ある桜も、アーチェリー場の周囲の桜の木々も大変美しいです。

今から、ここから始まる皆さんの日々を応援してくれていますよ。

期待・ワクワク 1年という時間

 3月の声を聞いてから、47名の3年生を送り出し、49名の新入生が決まり、そして昨日は1・2年生の単位認定を行いました。

 1年間という時間は短いようで長く、長いようで短いものです。1日1日の過ごし方が積み重なって1年という時間を創り上げていきます。時間は決して過去には戻らず、常に未来へと進んでいきます。今日の自分の心がけや心映えが明日の自分につながっていきます。元日の経験からも今日という何でもない1日の大切さを痛感した皆さんです。夜、お布団に入った時、今日一日の後悔が少しでも少なくなるように、これからも過ごしていきたいものですね。

 また、人生は選択の連続です。授業では答えのある選択肢ばかりを解いていきますが、人生の選択肢には正解がありません。選択した方を正解にしていくように努力することが大切です。悩んだ時にはとにかく一人でも多くの大人(先輩)に相談すること。情報を整理して自分の力で決めること。自分で決めたことは自分で責任を持って、これまで以上に自分で歩いていくことが大切です。自分で選択した方を正解にすることや、もっと言うと自分で選択できないことでも自分が置かれた場所を正解にすることが出来るようになると、人生どんな場所や境遇でも楽しみながら自分を成長させていけるようになります。

 今、後期生徒会のメンバーが、行事の際のスマホ利用を認めてほしいと、時間をかけて方策を練り、皆さんに協力をお願いし、実行(試行)まで漕ぎつけようとしています。前期生徒会からの悲願を受け継いでの試行です。1年という時間の中で、生徒会の先生方と何度も相談しながらここまで来たことに純粋に敬意を抱くとともに、この情熱が皆さん一人ひとりに届いて、自分たちで決めたルールを自分たちでしっかり守っている姿を見せてほしいと願っています。

 1年という時間の中で、皆さんが確かに「向陽生」として成長したこと、21日の姿を楽しみにしています。

 

 北校舎への通路は…  

                          1年という時間の中でいしかわ特支高等部への通路へ

ハート ありがとう

 昨日は「国際女性デー」でした。今日は「ありがとうの日」です。多くの人に「ありがとう」という言葉が届くように、NPO法人『HAPPY&THANKS』によって制定された日で、2007年に日本記念日協会に認定されました。多くの記念日の中ではまだ生まれたてという感じですが、ありがとうという言葉は日本人が大好きな言葉の一つですから、毎日が「ありがとうの日」といってもおかしくないくらい使っていますよね。人の言葉や行動、思いに感謝する気持ちと言葉を常に持って生きているって、素晴らしいことだなぁと思います。逆に、身近な人には思っていてもなかなか改まって伝えられない言葉かもしれませんが、言葉は声に出して(或いは文字にして)伝えてこそのものです。「ありがとうの日」にかこつけて、家族に感謝の言葉を伝えるのもいいですね。

 そうそう、「3月9日」といえばレミオロメンの名曲です。平成22年3月の卒業式。答辞のBGMにこの曲のオルゴールVer.が流れて、もらい泣きしたことが昨日のことのように思い出されます。

  瞳を閉じればあなたが/まぶたのうらにいることで/どれほど強くなれたでしょう

 困ったとき、疲れた時、嬉しくてたまらない時、まぶたのうらにいる人に、思いを込めて・・・「ありがとう」。

 

    

お祝い 卒業式の日に…

このHPのTOP Pageがそっと変わりました。気づいてくれた人はいますか?

桜色の背景に「祝! 卒業! 今、新たな世界へはばたきます!!」の文字。 

46人の晴れの日を、職員一人ひとりがそれぞれの場所からお祝いしてくれています。

 

「それぞれの場所で出会う人とのつながりを大事にしてください。」

 PTA会長さんの祝辞の中の言葉です。周りの人が差し伸べてくれる手に感謝し、手を差し伸べられる人になること…とても大切なことを教えていただきました。

 

「コロナや工事などで多くの制限があった中でもいつも前向きに、工夫をしながら乗り越えてきた先輩の姿を忘れずに私たちも頑張っていきたい。」

 送辞の中の言葉です。卒業生の皆さんは、課題にぶつかった時の大切な姿勢を後輩たちに教えてくれていました。

 

「困難に直面した時ほど力を合わせて立ち向かう。能登の復興に向け、私たちも石川県の若者として、それぞれの場所で行動していく覚悟です」

 答辞の中の言葉です。心が震えました。課題山積の本県ですが、若いあなた方と力を合わせて頑張っていきたい…改めてそう強く思わされました。

 

 

 これから皆さんが出会うであろう多くの人々や言葉が、皆さんを支え、助け、光ある方へと導いてくれるものであることを、いつも、いつまでも祈っています。

 

 追伸:式辞の中でお話しした藤井聡太さんが色紙に書いた言葉は

   「雲外蒼天(うんがいそうてん)」。「雲の外には青空が広がっている」

    というところから、「どんな試練でも努力して乗り越えれば青空が望める

   (=必ず良いことが待っている)」という意味で使われています。 

 

朝 東風吹かば…

 このタイトルの続きがわかる人はいますか?修学旅行で太宰府天満宮に出かけた2年生ならわかるかな?

   東風(こち)吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ

 そう、菅原道真の詠んだ歌ですね。結句が「春を忘るな」として収められている歌集もありますが、歌意は「春風が吹いたなら、香りを(京の都から太宰府まで)送っておくれ、梅の花よ。主人の私がいないからといって、春を忘れてはいけないよ」というものです。

 3連休の真ん中の日、北陸中日新聞に「あるじなしとて 春を忘れぬ」という小見出しとともに、能登の倒壊した家屋の庭で咲いた紅梅の写真が掲載されていました。その記事を読んでいた私の母が「今年の場合は本当にそうだねぇ」とそっと呟きました。母は齢80を超え、故郷を離れざるを得なかった同じ年頃の方々のことが気になって仕方がないようです。故郷に住み続けることも、離れることも、再び戻ることも、大きな大きな決断です。長く生きてきた人生の中で一番安心してゆっくりと過ごしてほしい年ごろなのに…と思います。今、能登で起きていることは、日本のどこでも起こりうることと考えて、解決していかなくてはいけないことが、いくつもいくつもあるなぁと思います。80歳になるまでにはもう少し時間のある私と、たっぷり時間のある皆さんとで、周りの高齢者の方々のために何かできること、動けることはないでしょうかね。

 春が来たことを忘れずに、誰もいない場所できっぱりと咲いた梅の花の姿は、どんなにしんどい日があろうと、必ず花開く日がまたやって来ることを信じさせてくれているようでした。1・2年生の皆さんが今しんどいのは、目の前のテストですね。残り3日です。自分の中で「今年度一(いち)勉強した!」と言えるような頑張りを期待しています。

 

  追伸:1月16日のブログ「2枚の年賀状」でお話しした珠洲市のお友達に、ようやく会ってきました。

 

 

 

ハート 能登はやさしや土までも 水戸はやさしや人までも

 今日のブログは長くなります。読んでもらえなくなるかもしれないけれど(笑)、どうしてもお話ししたいメールをいただいたので、よかったら最後までお付き合いください。能登地震に関連するお話なのでつらい人は無理しないでくださいね。

 茨城県の教育委員会で働いているお友達が、石川県への災害救助のための職員派遣に自ら志願して9日から13日まで、能登町に来てくれていました。午前4時に富山の宿泊施設を出て、3時間かけて能登町に入り、避難所での支援活動を12時間行い、また3時間かけて22時に富山まで戻ってくるというスケジュールだったそうです。同じ茨城県の職員さんと来られていたので、会っておしゃべりしたりということはできなかったのですが、茨城県に戻った翌日、メ ールをくれました。以下がそのメールです。

 『昨夜8時ごろ水戸に帰ってきました。能登町役場にお昼前まで残り、次のグループに業務の引き継ぎをしておりました。

 約1ヶ月半が過ぎ、役場職員の皆さまを先頭に急ピッチで復旧が進んでいました。電気は全面的に復旧しましたが、水道がおよそ5割というところです。

 私が担当した能登町の避難所には、愛すべきオジーオバー(親しみを込めてそう呼びます)を中心に36名が大ホールに段ボールベッドを並べて生活していました。

 支援2日目には、あるオバー(77歳)が、我々2名の茨城県職員のために、炊き出しの列に並んでくれて「ワシは食えんさかい、あんたら食べんしゃい」と言ってパスタをもらってきてくれました。食べようとした時、嬉しくて目から汗が溢れてきて皿が見えなくなりました(笑)

 また、そのオバーの姉のオバー(80歳)は、私が避難所に宿泊(夜勤)したとき、ソファを並べてそこに布団を敷いてくれました。しかもオバーが普段使っている座布団を、私の枕にと提供してくれるサービス付き(笑)

 町民の皆さんのお手伝いに来たはずが、こちらが元気をいただく結果になりました。わずか3日半の担当でしたが、皆さん「また来てくれ」と言ってくださり、特に、パスタを運んでくれたオバーは私の帰り際に「ちょっと寂しいけどな」なんて言ってくれました。

 役場の職員の皆さんは、発災当初の地獄のような大混乱を越えて、穏やかに落ち着いて(心の中は毎日不安がいっぱいだと思います)インフラの復旧と支援部隊のコントロールに集中していらっしゃいました。敬意を払うべき行政マンだと思いました。

 おそらく輪島や珠洲など能登地方全域、石川県全体が温かく誠実な人がたくさんいるんだろうと感じました。そういう住民や行政マンがいる限り、外からの支援は絶えず、確実に復興するものと想像できました。

 以上、石川県の土地にお邪魔した報告です!』

 

 私は、このメールが途中から読めなくなりました。胸に温かいものが広がって、お友達の温かい笑顔も思い出されて知らないはずのオバーの笑顔まで見えてくるようでした。私たちの県は多くの周りの方々が差し伸べてくれる手に守られ支えられてひと月半頑張ってきました。現地での支援のお仕事は大変だったと思うのに、そんな私たちの静かな踏ん張りを見つけてくれて、能登や石川県のことを、これまで以上に温かな思いで見守ってくれる方がいて下さることに改めて励まされました。

 「能登はやさしや土までも」とは古くから言われている言葉で、お友達のメールからもわかるように本当にその通りの土地柄だと思います。そんな能登を守っていくために、茨城県から来てくださった職員の方々をはじめ、全国各地から色々なかたちで支援して下さっている皆さんのやさしさに今は包まれながら、私たちも踏ん張っていきたいものです。いつかまた石川県から周りの方々に優しい笑顔をお返ししていける日まで…。

ひと休み 新聞タイム

 2月7日(水)の読売新聞2面の「よみうり寸評」には胸打たれました。ガツン!と言う感じではなく、ティッシュペーパーに水気の多い絵の具を垂らした時のように、スーッと心に沁み込んでいくような記事でした。興味のある方は、生徒玄関に掲示してあるので読んでみてください。

 毎朝出勤して、4紙に目を通します。眺めるといった方が適当かもしれませんが、そんな中に胸打たれる記事を見つけた時は幸せな気持ちになります。スマホでもよくニュースをチェックしますが、私の嗜好に合った記事がチョイスされて出てくるので、新聞を広げた時のような俯瞰性はないですし、意外性も少ないです。新聞には(えっ?)とか(おっ!)がちょこちょこあるので楽しいのです。

 同じく2月7日の北國新聞には、総務省が行った2023年家計調査で、すし(外食)の1世帯当たりの支出額について、金沢市が2年連続1位になったという記事がありました。そう言えば家族で外食という時に「〇ま寿司」や「〇〇ロー」や「〇り〇り寿し」や「〇天すし」に行くことが多いかも…と思わずにんまりしてしまいました。では、ここで問題です。以下に挙げるものの中で、ほかにも金沢市が全国1位になったものはどれでしょうか?

 1 カレールウ  2 コンタクトレンズ  3 アイスクリーム・シャーベット  4 もち  5 手芸・工芸材料   

答えは、これまた生徒玄関にこの記事を掲示しておきますので、「えーっ?そうなの??」と皆で楽しんでください。図書室でも毎日4紙が読めるようになっています。同じ事件の見出しや記事の大きさ、どんな視点から書いているかを見比べてみるのも面白いですよ。SNSネイティブでもあるZ世代の皆さんですから、なおのこと、大きな紙を広げて眺めてみてほしいと思います。そして、自分の感性にビビッと来たオモシロ記事を見つけたら、ぜひ校長室に来て私にも教えてくださいね。

キラキラ 桃の花

 今日は大変嬉しいことがありました‼️

 2年生の濱島桃羽さんの読書体験文(感想文)が、全国のコンクールで入選したのです。このコンクールですが、各県で選ばれた5人の作品が全国のコンクールに集まって審査されます。

 石川県の中で5人!本当にすごい倍率です。

 今年度は3年生の写真部の田中さんの作品も全国出品されました。文化・芸術面での全国レベルの活躍が2つもあった素晴らしい年です!向陽高校、恐るべし!まだまだいろんな才能が花開くのでは…とワクワクします。

       

 

 生徒指導室のそばの窓。華道部さんが生けてくれた桃の花が春の訪れを伝えてくれているようでした。

 今日は震災からひと月目ということで、黙祷を捧げました。止まない雨はない。明けない夜はない。みんなの心に春が訪れますように…。職員室の前の花一輪にも心が慰められた1日でした。

                                 

鉛筆 漢字の性格??

 今日は漢字検定の日。教室の後ろからそっと覗くと、皆さんは、目標とする級に向けて勉強してきた力を一心に振り絞って答案を書き上げていましたね。漢字検定の場合は読み書きだけではなく、部首名や送り仮名、対義語に類義語、同音異字に同訓異字、四字熟語に熟語の構成、誤字訂正まであって、本当に日常使っている漢字のあらゆる側面からの出題がなされます。そして、今、あなたが身につけている総合的な漢字の力を「〇級」として認定されるのです。

 以前、国語の教科書に「漢字の性格」という金田一春彦さん(国語学者)の短くてとてもわかりやすい文章が載っていました。(えっ?漢字なのに性格があるの?)——そうなんです。漢字は表意文字という性格を持っていて、発音と一緒に意味を表す文字なのです。世界の文字の多くが音だけを表す表音文字なので、漢字って複雑とも言えるし、世界に類を見ない凄い文字なのです。だからそれを使いこなすことのできる私たちは相当に優秀な民族と言えるのですよ。(なぜなら私たちは漢字以外にひらかな・カタカナという表音文字も使いますし、ローマ字まで使っちゃう。これらが全てミックスされた文章もすらすらと難なく読めてしまうのですから素晴らしすぎる!!)

 話がそれましたが、その文章の大まかなあらすじは、漢字は意味も持っている字なので、見た目のインパクト、力がすごいし、組み合わせて色々な言葉を作ることが可能なんだというものでした。確かに「き」とか「キ」と書いてあっても(…?)という感じですが、「危」と書いてあったら近づかないようにしますよね。あと、「校」という漢字には「学校」という意味があるので「登校」「下校」「来校」「校舎」「校則」などその意味を使って幾つも熟語が生まれていきます。英単語だと一つ一つ覚えていかなくてはいけない表現を、漢字は3級ぐらいまでのものを一通り覚えてしまうと、世の中の色々な文章や言葉の意味が小学生でも理解できる場合があります。まさに万能選手の文字なのです。

 漢字が大嫌い…という人はたくさんいると思います。でもその多くは小学校からの漢字ドリル・漢字テスト・漢字練習帳の経験がトラウマになっているのではないかと想像します。同じ漢字を何度も書きなぐって勉強してきた人も多いと思いますが、そんな勉強の仕方を少し変えるだけで世界が広がっていきますよ。今日の検定の結果は結果として、使いこなせる漢字の数を少しずつ増やしていくことで、自分の中の言葉や表現の範囲を広げ、世界を大きくしてみませんか?

 最後に、漢字検定、お疲れさまでした。少しでも多くの人が合格していますように!そして、向陽高校の校舎で一緒に受検していた金沢北陵高校の生徒の皆さんも、たくさん合格していますように!!

    

         

雪 大寒の日に頑張る向陽生

 1月20日 大寒。1年で最も寒くなると言われている日です。

 校長室ブログは本日30本目となります。4月26日に「初つぶやき」をしたときに、私は、「気がつくとあっという間に過ぎてしまう大切な毎日の『キラリ』としたものを、できるだけ心に繋ぎとめることができれば…そんな思いで綴っていきたいと思います。」と述べています。そして、この日は、部活動後に必ず校長室前で挨拶をしてくれるサッカー部さんを「初キラリ」さんとして掲載しています。

 あれからあっという間に時が流れ、この9か月の間に、たくさんの「キラリ」さんたちに出会いました。「青春(アヲハル)」って本当に素晴らしい。どんな場面を切り取ってもあなたたちはキラリと輝いて見えます。そのことに気づかないまま走り抜けてしまった自分の「青春(セイシュン)」に対するregretがそんな風に感じさせるのかもしれません。

 大寒の今日は、朝から学校で頑張っている「キラリ」さんたちがいました。「土曜補習?ありえん!めんどくさ~い」そんな声が聞こえてきそうですが、自分の夢に少しでも近づくために、土曜補習の受講を希望して頑張って受けている人たちがいます。土曜日の学校ですから、暖は丸ストーブのみ…それでも先生と言葉を交わしながら勉強に取り組んでいます。

 地震の影響で学校や自宅で勉強できなくなった高校生や中学生が、親元を離れて、受け入れ先の施設や学校で頑張っています。学ぶことが何よりも楽しいという人は多くないかもしれません。でも学ぶことを突然取り上げられた時、「学ぶ」という行為に打ち込めることの価値というか、かけがえのなさというか、そういうものを感じている中高生は多いのだろうと思います。学べる場がある。共に学ぶ友達がいる。本当に素敵なことですね。

 来週も続けて行われる土曜補習は、1年生が今年7回目。2年生は12回目の補習になります。本当によく頑張ってきた本校の「キラリ」さんたちです。

Eメール 2枚の年賀状

 昨日(1月15日)は被災から2週間目でした。本校でも生徒会主催の募金活動が始まり、能登の高校生を思いながら多くの生徒が募金に協力する姿が見られました。

 帰宅すると、年賀状が2枚届いていました。どちらも私にとってとても大切な、人生を導いてくれたと言っても過言でない2人の女性からの便りでした。お一人は年末に風邪をひいたまま羽咋市で被災されたとのことで、消印が12日になっていました。もうお一人は、珠洲市の方です。地震のことには全く触れられていない文面に首をかしげながら表面を見ると、消印が押されていませんでした。

 そうです。年末、まだ地震が起きる前に投函された年賀状が、2週間たってようやく私のところに届いたのです。彼女の年賀状がきれいなまま残っていたこと、郵便局の方々が復旧作業に励んで、能登からの便りを届けてくれたことに、本当に胸が熱くなり、思わず涙がこぼれました。

 能登は頑張りすぎるほど頑張っています。疲れもたまってきているでしょうに、励まし合い、支え合って過ごしている様子が、毎日ニュースや新聞に見受けられます。共感疲労ということもあって、つらく感じている人も多いかもしれないけれど、私はこの報道がなくならないでほしいと思っています。被災地にいる方々にとっては、報道が続いていることが、社会が被災地のことを考えている証になって、勇気づけられることがあるのではないかと思うからです。だから、私も、情報を追い続けます。何もできなくても心を寄せている者の一人として、せめて今起きていることを毎日きちんと見届けたいと思います。 

 珠洲の友人はあの日からずっと珠洲市にとどまり、地域の皆さんのために24時間頑張っています。昨日も「能登方面への不要不急の移動は控えてほしい」と、石川県からメールがありました。自分の中では「要」であり「急」でもあるのですが、大きな支援が滞っては困るので、許可が出るようになったら、必ず、すぐに駆け付けたいと思っています。

笑う 友達の笑顔

 学校が始まりました。

 昨日の始業式は視聴覚室で行いました。一人一人の顔を見ながらお話ししていると、色々な思いが胸にこみあげてきました。真剣に耳を傾けてくれている皆さんのまなざしに、ここからの1日1日を、一つ一つを大切に過ごしていきたいと、強く思いました。

 毎日、地震に関する多くの情報が流れます。5日目頃からは学校や子供たちに関するニュースも増えてきました。どれも涙なしには読めないものばかりです。それでも今朝は少し違っていました。能登の学校の多くは全員での始業式が行えない状況ですが、一部開放された教室で勉強している高校生の記事がありました。被害が大きくなかった校長室で英語を学ぶ中学生の記事もありました。学べる環境をほとんど奪われた中で学んでいる彼らの隣には、共に学ぼうとする友達の笑顔がありました。

 昨日、視聴覚室を出ていく皆さんの隣にも友達の笑顔がありました。中には、今、友達の前で笑顔でいることが、実は少しつらいんだという人がいるかもしれません。それでも、人は人の中で支えられている…ただ一人の友達が隣にいてくれる、隣で笑ってくれていることが、私という人間を支えてくれているのだなぁと思います。県内のすべての高校生が心からの笑顔で過ごせる日が、1日でも早く訪れますように…。

学校 1月9日から学校が始まります

 1週間が経ちました。5日にもメールでお知らせしましたが、向陽高校は予定していたとおり9日から学校を始めます。この1週間、長く避難所にいた人や、家には帰れたけれども電気や水に不自由した(している)人、自宅近くに被災した家屋や道路があって見るたびに心がつらくなっている人、何よりも、能登にいる親戚や知り合いの人を心配している人、また心配している家族をそばで支えている人など、多くの人が、今もなお重い心を抱えながら毎日を過ごしているのではないかと心配しています。

 9日から学校は始まりますが、授業を受けていても胸がふさがるような思いになったりしたときには、我慢をせずに相談室や保健室に心を休めに来てください。被災された方々の無事を祈る私たちが、ここで元気でいること、それは立派な復興支援です。一人で涙していたりせずに、そのしんどさを先生にも背負わせてくださいね。

 2011年3月11日、今から13年前に起きた東日本大震災の時、外国の方々は日本人の様子を見て驚愕しました。1月2日に起きた旅客機の火災事故もそうです。私たち日本人は、危機に直面したとき、自分だけ助かろうとせず、指示を聞き、順番を守り、迷惑をかけないように行動します。自分のためよりも周りの人たちのために何倍も気を配り動くことができる国民、それが日本人であるとも言えます。それほどに口に出さなくても共感性の高い人々でもあるわけなので、前段のように哀しみやつらさも感じとってしまうのですが、思いやりの心をもって、今、自分たちがここでできることを考える、そんな1年の始まりにしていきましょう。

 3年生の皆さんとは2月の最終登校日まで24日しか顔を合わせるチャンスがありません。また、1・2年生の皆さんも、4月からここまでがあっという間だったように、のんびりしているとすぐに月日が過ぎていきます。皆で支え合いながら、向陽高校で過ごせる1日1日を大切にしていきましょうね。

昼 とにかく無事で…

2024年元日。家族や親戚が集まって楽しく迎えていたことと思います。

まさかこれほど不安な夜を過ごすことになるとは誰も想像していなかったですよね。

生徒の皆さん、そしてご家族の皆さん、大切な周りの皆さんが、無事であることを心からお祈りしています。

昨夜は避難所で一晩を過ごした人もいると思います。能登では震度3、4の余震が何度も何度も続いています。

とにかく皆さん無事で、安全確保に努めてください。

イベント 人権週間

 今朝の放送で、生徒会役員の皆さんがリレー読みで人権意識をもって行動することの大切さを伝えてくれました。昭和23年12月10日、国際連合の第3回総会において、「世界人権宣言」が採択されてから、今年で75年が経ちました。なぜ人権が大切なのか。今、考えるべき人権問題は何か。人間の幸せとは何か。――75年もの間、皆が考えている問題であるにも関わらず、人権問題はなくならないどころか、逆に多くなっているように思えてなりません。女性・こども・高齢者・障がい者・部落差別などに始まる人権問題は、今や性的マイノリティや被災者・被災地差別に至る17項目にまで増え、さらにSNS等での誹謗中傷なども大きな社会問題になっています。

 自分の人権が守られることと同時に、他人の人権についてもしっかりと理解して、互いの人権を尊重し合う行動がとれること……今、私たちにはそれが求められています。12月1日(金)から10日(日)までの「人権週間」と呼ばれるこの期間に、「自分の大切さとともにほかの人の大切さを認めること」ができる自分になるために、自分は何をすべきか、また、すべきではないのかを少し考えてみませんか?

 

 

ひと休み 季節を感じるもの

 早いもので今週は11月が過ぎ、12月が始まろうとしています。1年を締めくくる最後の月です。皆さんにとってこの1年はどんな1年だったのでしょうか?少しでも充実した楽しい1年になっていたらいいなと思います。

 さて、温暖化の影響か、気温の変化が激しい日が続いています。しっかりと四季があり、その良さを言葉にして過ごしてきた日本人としては、梅雨の時期なのに雨が全く降らない…とか、もう晩秋のはずなのに真夏日!?…とか、ここ数年の気象と季節感の危うさには悩まされることが多いですね。温帯というよりほぼ亜熱帯のような気候になっているようにも思います。

 そんな中、皆さんが季節を感じるものは何ですか?私は食べることが大好きなので、やはりスーパーマーケットに行ったときに並ぶ季節感の強い野菜や、その季節ごとの値段の変化に季節を感じることが多いです。果物なんかはその最たるものですよね。因みに修学旅行でバスガイドさんから果物にまつわる心理テストを教わりましたよ。あなたが一番好きな果物で人間性がわかるというものなのですが、私の答えは「りんご」でした。(当たってるんだろうか…)2年生の皆さんはもう答えを知っていると思いますが、興味のある方はぜひやってみてください。因みに果物は次の8つです。

   みかん  梨  メロン  苺  りんご  バナナ  桃  ぶどう

 

                          

 

 

 

 

 

回答             

みかん…心があたたかい

梨…責任感がある

メロン…周りのみんなを守れる

苺…自分の意見をはっきり言える

りんご…とても素直な人

バナナ…おっちょこちょい

桃…周りを優しい気持ちにさせる人

ぶどう…もしかして浮気性?

記念日 お誕生日まで500日 ~人にやさしく~

 先日、15日の「教職員のつぶやき」には卒業まで51日!の投稿がありましたね。

 もう一つのカウントダウン。実は11月18日(土)は、令和7年4月1日まで、あと500日という日でした。残念ながらお休みの日だったので盛大にお祝いすることはできませんでしたが、起工式を終え、工事もあちこちで大いに進み出し、いよいよという感じになってきています。

 7年4月の開校時には最上級生の3年生になっている今の1年生は、併設された両校での最初の卒業生になります。社会人になった時に向陽高校で学んだからこその共生社会の担い手となってほしいと願っています。もっと専門的に学びを深めて公務員や学校の先生という形で共生社会づくりの牽引者になりたいという進路選択もあるでしょうし、そこまでではなくても、自分が入社した会社で不安がっている障害のある方を誰よりも率先してフォローできるという人になっていてほしいと思っています。

 先週の2年生の修学旅行の解団式でも少しお話したのですが、人と人が一緒に行動するときには、なにがしかの不安や不便、不満が生じるものです。誰かと一緒に生きていくということはそういうものなのです。2年生の皆さんは実に高校生らしく4日間対応していたと思います。すなわち、不満を自分がグッと飲み込むことで、楽しい旅行になるように自分なりに折り合いをつけて動いていました。実にやさしく気持ちの良い心映えでした。こうやって大人らしくなっていくんだなぁと思いました。

 どんな人にもやさしくあることは、口で言うほど簡単なことではありません。でも、人の生き方として目指したいものです。自分の中にいつも置いておきたい考えであり態度です。国籍や性別、障害のあるなしに関係なく、一人の人間と人間として、尊敬し合ったり、励まし合ったり、許し合ったりできる豊かさと寛容さを持ってほしい…500日前にあたり、改めてそう強く思いました。向陽生の皆さん、一緒に頑張っていきましょうね。