校長室ブログ

校長室ブログ

ハート わかるように伝えたい

 テストが終了した開放感の中で、今年度の「障がい理解のための特別授業」が行われました。来年4月からは屋根続きの校舎で一緒に学び生活することになる3校の校長先生と保護者の方々にもお越しいただいての授業でした。

 今年の講師は、いしかわ特別支援学校の廻田春奈(まわりだ はるな)先生と地域支援室の先生方でした。2・3年生が昨年既に学んでいることを踏まえた上で、実際にふれあう場面でどのような働きかけができるかということをワークショップに組み込んでくださった1時間でした。

 前半のお話では、お話を聴いて初めて分かったことや、(自分も少しそんなところあるかもしれない…)と共感的に 耳を傾けた部分があったのではないかと思います。そして後半のワークショップでは、これから一緒に生活していくに当たって自分ができることを実感的に考えてみた人が多かったのではないでしょうか? (わかるように伝えるにはどうすればよいのかな?)(細かいところまでわかってもらうのって難しいんだな。)(わかってもらえないのってもどかしいし寂しいな)…今日の時間の中で、わかるように伝えたいと思って頑張ったことや感じ取ったことをどうか大切にしてほしいと思います。

 知的な障害があるゆえに、人と違う見え方・聞こえ方・とらえ方・感じ方・考え方をしてしまうことがある。時間がかかることもある。でも、その違いをわかって、先回りの支援や配慮がある環境は、その人を特別ではなくします。「あなたも私も同じだね。」と思えて、笑顔も多くなります。一緒に笑うことが多くなると、私がしてあげられることよりも、相手からもらっているものの方が多いことに気づきます。そうなると、「してあげる」などと思っていた気持ちが「したい」に変わります。その人と関わりたくて仕方なくなります。私自身が明和特別支援学校で感じてきたこの気持ちを、2・3年生の皆さんはこれまでの交流の中でもう感じてくれているように思います。そして、1年生の皆さんにもこの後しっかり受け継いでいってほしいと願っています。

 今日のために、一生懸命に考えて私たちにお話をしてくださった廻田先生と地域支援室の先生方、ワークショップにも加わって、最後にハッとするお話をして下さった杉江校長先生、参観に来て下さった3校の保護者の皆様、本日は本当にありがとうございました。

     

鉛筆 ラスト1日ですね

 1学期の期末テストが4日目まで終了しました。廊下で出会った時に、「バッチリです!」と言ってくれる人、「全然ダメダメです…」と嘆く人など、実に様々です。残り1日となりましたが、今回のテストで嬉しかったのは、1年生の皆さんが自主的に教室等に残って勉強している姿が見られたことです。もちろんこれまでにも部活動でとか、学年でという姿は見ていて、そのたびに嬉しかったのですが、今回も友達と一緒に励まし合って頑張っている姿は実に頼もしかったです。

 テストに向けての勉強として、終了後に提出しなくてはならない課題を必死にこなしていた人もいるでしょう。友達のノートを大量に写さないといけなかった人もいたでしょう。また、提出課題も済んでいて、ノートは授業中に全部とれていて、今回は1点でも多く得点できるように、何度も見直したり練習問題を解いたりして準備した人もいたと思います。

 勉強は人それぞれです。でも追われたりやらされたりする勉強よりも、自分が追い求めていく勉強ができるようになると良いと思います。基礎的なことを一生懸命に一つでも多く覚えるのも良いです。さらには、テスト勉強をしていて見つかった「?」を自分で調べて納得・理解し、本当の意味で「わかる」ことが自分の中に増えていく…そんな勉強ができたら、とても格好良いですよね。

 明日からはまた次のテストに向けての勉強が始まります。良い勉強の輪を広げていけるように、授業中も友達と励まし合って頑張っていきましょう。

           

     小さな花々の寄せ植え大好きです。      こちらはこれからスクスクスク…

     どこにあるかわかりますよね?        なんの花かわかりますか?

 

イベント 「人にやさしく」するということ

 本校の校訓は「自学」。そして、私が校長になった昨年からもう一つ掲げたテーマが「人にやさしく」。令和7年からのインクルーシブ教育本格実施に先駆けて、いしかわ特支の仲間と交流している皆さんとともに、普段の生活から取り組んでいる心がけです。

 ところが、この「人にやさしく」は簡単なようでなかなかに難しい。というか、奥が深い。「人にやさしく」するってどういうことだ???反対言葉は「人に厳しく」なのか「人に冷たく」なのか、それとも「人に無関心」なのか…。時と場合によって、或いは相手によって、どうすることが「やさしく」することになるのかが、まるで違ってくるものでもあったりするから、本当に難しいものです。

 一つ言えることは、やさしい人のところにやさしさは集まってくるということ。いつも周囲の人に優しい表情、やさしい言葉、やさしい態度、やさしい考えで接している人は、いつのまにか周りをやさしい気持ちにしてくれているからかなぁと思います。

 

 ところで、皆さんは THE BLUE HEARTSの歌に「人にやさしく」があるのを知っていますか?甲本ヒロトさんの作詞で、向陽高校の校長先生に決まった日からずっと事あるごとに私の中で流れる曲です。 

   人にやさしく してもらえないんだね

   僕が言ってやる でっかい声で言ってやる

   ガンバレって言ってやる

   ガンバレ! 

 甲本さんの「人にやさしく」は、人のことを想う気持ちと態度とエールを大切にすること、と言っているように私には聞こえます。自分のことも大切だけど、自分の周りにいる一人ひとりの人、仲の良い友達も、そうでもない人も、すれ違うだけの全然知らない人にもやさしい気持ちを持てるといいですね。因みに今日は「小さな親切の日」です。

注意 備えあれば…

 早朝6:31、能登地方で震度5強を記録する地震がありました。学校の周辺でも震度3が観測され、身のすくむ思いをしました。電車等の運行の遅延は心配されたほどではなかったようですが、落ち着いて安全に登校できるようにとの思いから、本校は始業を1時間遅らせました。9時半にはほとんどの皆さんが元気に集まり、大変安心しました。朝からご協力いただいたご家族の皆様には心より感謝いたします。

 

 去る5月21日、本校では火災による避難訓練を実施しました。『高校生らしい避難訓練』には、私は3つの要素があると思っています。一つ目は、訓練と侮らず、真剣に取り組むこと。高校生は、一度しっかり考えて体験したことは実際の時に必ず再現できます。二つ目は、まず自分自身をしっかり守ること。地震に備えて日頃から飲み物や食べ物を携行しておく。落下物から頭を守る。火災時の避難ではハンカチや袖口で口を覆う…などです。その上で三つ目は、小さな子やお年寄りの手助けをすること。16歳、17歳、18歳は、そういうことができる年齢です。今までに何回も訓練を経験しており、人を助けられる気力や体力があるからです。向陽生には、周りのために動ける人であってほしい…先生はそう願っています。

      

 今、向陽高校は工事の関係で、事故が起きた時の避難経路が限定されています。また、いつも先生がそばにいてくれている時に非常事態が起きるわけではありません。校内に自分たちだけでいる時や、たまたま一人でいる時に緊急地震速報や非常ベルが鳴ることも考えられます。どこからどう避難できるか。1年生の皆さんは特にシミュレーションをしっかりしておいてほしいと思います。

 また、今朝のように登校・下校時に起きた場合には、安全なところに避難出来たら、家族への連絡の次に、学校の安否確認フォームにもしっかり入力して送信してください。非常時に必要な行動を一人でもとれるように、今、改めて備えをしておくことが、落ち着いた避難につながるはずです。

 元日の大地震を経験して、災害が起きる前の「訓練」に真剣に臨んでおくことの大切さを、私たちは言葉通り痛いほど味わいました。「訓練」であるうちに、頭や体が覚えたことを、本当の災害でしっかりと実践すること…それが自分を守り、家族を守り、周囲の人々を守ります。このことの意味を、高校生である皆さんは、十二分にわかってくれると、そして、これからも考え動いてくれると、信じています。

 最後になりますが、今朝の地震が再び能登の皆さんの暮らしを直撃しています。なにか自分たちに出来ることはないか、こちらもまた一緒に考えていきましょう。

王冠 今年の総体・総文

 先週から今週末にかけて、令和6年度の県総体・総文が各地で次々に開催され、県内の多くの高校生が日々の練習や修練の成果を発揮し合いました。壮行会でもお話ししましたが、元日の地震の影響もあり、今年は当初予定されていた大会日程や会場を大きく変更しながら、何とかして例年通りの大会が開催できるように準備してきました。

 3年生の皆さんにとっては、この3年間、先輩や後輩たちと笑ったり、時には悔し涙を流したりしながらつないできた日々の集大成です。有終の美を飾るべく、試合に、作品制作にと、一心に取り組んだ皆さんを応援したくて、あちこち駆け回りました。

 行く先々で、試合の中でグググーンと成長している素敵な姿が見られました。技術的にもそうですが、精神的に強くなり人として磨きがかかったような…そんな表情や行動をたくさん見ることが出来ました。そういう3年生や2年生の姿を間近で見ていた1年生も、これから日に日に素敵になっていくんだろうなぁと思わされました。

 励ますつもりが皆さんのまぶしい姿に心を揺さぶられ、エネルギーをたくさんいただいた嬉しい九日間でした。

   

      

 

鉛筆 学びの環境

 昨日のスポーツテスト測定会は、金沢市営陸上競技場という最高の舞台で、自己ベストに果敢に挑む気持ちの良い姿があちらこちらで見られました。工事の関係で運動場が使えず、思うような練習はできていなかったと思うのですが、早めに競技場に来てトラックでのウォーミングアップなど軽く流している2年生の男の子たちを見ながら、伸び伸びと体を鍛えられる環境がいかに嬉しいものか、改めて痛感させられました。 

 今日の1限目には、やはり2年生の生物基礎の授業で学校のお隣のたんぼに繁殖する「藻」の様子を見に行きました。クロムブックを使えば細部の映像まで見られますが、どんなところにどんな大きさでどんな拡がり方をしているのか、種類の違いによる実際の色味の違いはどうかなど、自分の目で確認して初めて実感できることがあります。教室に戻ってから顕微鏡で先生が前もって採取してくれていたその藻の細部の様子を見た時も、いつになく身近に感じてまじまじと覗き込んでしまうのでした。 

     

 学ぶ環境は本当に大切です。今月に入り教室棟の工事が大きな音が出るものになり、授業中も聞き取りづらい場面が出てくるようになったので、本日から授業の多くを管理棟の教室で実施できるようにしました。2年生は管理棟2階の物理実験室を工事が落ち着くまでの仮ホームとしました。1年生も朝礼・終礼・お昼休みと火曜日の午後以外は、ほぼ管理棟で過ごせるようにして、移動教室も今までよりは少しだけ楽になるようにしています。 

 高校時代は学ぶのがお仕事です。たった3年間しかないこの時間に、大切なことを少しでも多く学んでもらえるようにこれからも考えていきます。不自由や不便も今の向陽生だけが経験できる特別なことと捉えて一緒に乗り越えていければ嬉しく思います。

驚く・ビックリ そんなにもあなたは〇〇を待つてゐた…

全校生徒の何割が並んだのだろう…。お弁当を持ってきていた人も沢山並んでいたのではないでしょうか?

今日は、内灘町のパン屋さん「ふわこっぺ」さんが、本校で臨時に販売をして下さいました。美味しいこっぺぱんが来るとあって、朝から本当に楽しみにしていたのでしょうね。4限のチャイムが鳴り終わるや否や、すごい勢いで生徒玄関に殺到する姿を見て、私自身の高校時代を思い出しました。(狙っていた焼きそばパン、今日も買えなかったなぁ…)なんて恨めしい思いで教室にとぼとぼと戻っていったっけ…(笑)

でも私の高校時代とは違って、きちんと一列に並んで買い求めている皆さんの姿はとても誇らしいものでした。さすが向陽生だなと嬉しくなりました。

欲を言えば、今回は初回だったので、早く並べなかった友達の分も頼まれたのか、たくさん買っている人がいましたが、次回からは、後ろに沢山並んでいる人にも行きわたるように考えて購入するようにしていけたらいいですね。美味しいものはみんなで食べられるともっと美味しくなるものですから…。

次回の販売も楽しみですね!                           

キラキラ さやけく生きていく

星野富弘さんが亡くなりました。

昨年のちょうど今頃、母の日を目前にした5月10日のこの「校長室ブログ」で、星野さんの詩についてお話ししました。「星野富弘」「ぺんぺん草」で画像検索してくれたら、その心温まる作品がすぐに見られると思います。首から下が全く動かせない身体で、口に筆を加えて描いたとはとても思えない、本当に美しい作品です。

星野さんの描く草花の絵とこぼれる言葉は素直に心に染み入ります。

「私にできることは小さなこと/でもそれを感謝してできたら きっと大きなことだ」(グミ)

「道端の花のようにひっそりと だれかの役に立てたらいいな/神様だけが知っているんだ」(シモツケソウ)

「たち止まっていいんだよ/ふり返っていいんだよ/そこに美しいものを見たのなら/すわりこんで ずうっと見ていて いいんだよ」(カキオドシ)

短いもの、長めのもの、色々ありますが、中でも私が励まされたのは次の詩です。

「痛みを感じるのは 生きているから/悩みがあるのは 生きているから/傷つくのは 生きているから/私は今 かなり生きているぞ」……一薬草(イチヤクソウ)という可愛い花の絵とともにあった詩です。痛みを感じ、悩み、傷ついていることを、「かなり生きているぞ」と前向きな言い方で吹き飛ばそうとしているというか、生命があるということのすごさの前にはどんな思いを持つことも全て愛おしいことなんだと言ってくれているというか…星野さんの強さがとてもまぶしかった詩でした。

自分の弱さや醜さを見つめ受け入れながら、さやけく生きていくために自分を奮い立たせていた星野さん。そんな姿や言葉が、多くの人を同じように奮い立たせ励ましてくれました。今頃は天上でお母さんの肩を存分に叩けていますように…。合掌。

本 今日は『子ども読書の日』です

 職員会議が始まろうとしていた時のことです。会議が行われる視聴覚室の前で出会った2人の1年生が、今日は部活動がなくなったので帰る時間まで図書館で過ごすのだと話してくれました。今日は「子ども読書の日」。そして今日から5月12日までの約3週間は「こどもの読書週間」です。なんともピッタリだなぁと階段を上がっていく二人を嬉しく見送りました。

  今日 4月23日は「※サン・ジョルディの日」であり、「世界図書・著作権の日」でもあります。1週間後の30日は「図書館記念日」と、本や読書にまつわる記念日が続きます。

 私もここ数週間、読書熱が高まっていて、憑かれたように色々と読み漁っています。運転中はオーディオブックで聴き、寝る前は本を開いて黙読と、最低2冊を並行読みしたりして、その合間にTverも見てと大忙しです。そうまでして読みたい本があるのかと思われるかもしれませんが、そうまでして読みたくなる1冊との出会いを追い続けているという感じです。あるいは、最後のページを読み終えてパタンと閉じる時の充足感がたまらないからというのもあります。

 夢中になれるかどうか…勘が外れることもたまにありますが、たいていは知らない世界を知ることが出来たり、素敵な考え方や表現に出会えたり、新しい友達が増えていくような感じで嬉しいことの方が多いです。「(心の栄養のためにも)食事をするように読書をすべき」と言ったのは、『不思議の国のアリス』の作者のルイス・キャロルですが、食事をしている時間そのものが楽しくて、栄養になるかどうかは、私の場合は二の次です。

 そうそう。12Hさんが図書館オリエンテーションをしていた時に手に取った『君のクイズ』(小川哲 著)は、「読み始めたら、もう止まれない」と帯にあったとおり、本当に一気に読んでしまいました。クイズ番組好きにはたまらない1冊ですよ。ぜひ、お薦めします!皆さんもお薦めの本があったら、ぜひ教えてくださいね! 

 

  ※ サン・ジョルディの日:「本の日」とも呼ばれ、スペインのカタルーニャでは親しい人に本を贈る記念日とされている

鉛筆 さぁ、高校の授業です!

先週の木曜日から授業びらきが始まっています。

新しい先生と、ともに学ぶ仲間と、この1年間、授業を作っていきます。生徒の皆さんも作り手側の一員ですから、面白く、深く、まじめに、愉快に1年が進んでいくように、積極的に参加して学び取ってください。

高校の授業は、新しく学ぶこともありますが、中学校までに学んだことを深掘りしていくものも多いです。中学校の時は勉強があまり好きではなかったという人も、環境が変わったことで、今から、ここからトライしてみてください。

新しいことを知ることや、今まで出来なかったことが出来るようになることは、本当に嬉しく楽しいものです。

わからないときは思い切りわからないという顔をしてください。「わかりません」「うまくできません」と声に出してくれてもいいです。それは決して恥ずかしいことではありません。

一つずつわかるように、できるようになっていくのが高校時代であり、そのお手伝いをしているのが先生方なのですから、一緒に頑張っていきましょうね。

因みに私も先生です。わからないことがある時はぜひ質問に来てください。一緒に考えましょう。

 

 

 

 

 

 

 

                                

                                 春の花はどの花も本当に可愛らしいですね

お祝い 新年度のスタートです!

令和6年度がスタートしました。

まさに春爛漫!新しいスタートを祝っているかのような明るく暖かな日差しの下での新任式、始業式、そして入学式に、心がウキウキと浮き立つ1日でした。

スタートの日とあって、今日は目一杯の勇気を出して教室や体育館にいてくれた人が沢山いたのではないかなと思っています。特に2クラスが合体して今年から1クラスになった2年生や、周り中が「初めまして」だらけだった1年生の皆さんは、本当によく頑張りましたね。

今日は周りの人とうまく挨拶できなかったりおしゃべりできなかったりした人も、明日はまた違う流れがあるかもしれません。しばらくプチ勇気の日が続くかもしれませんし、うまくいかずに凹むこともあるかもしれません。でも、凹むのは次にうまくできるようになるための大切な経験です。急がなくていいので、今年も一緒に一つずつ頑張っていきましょう。(このつぶやきも、昨年度の38号超えを目標にがんばりますよー!)

 

追伸

 中庭の枝垂桜も今年は皆さんの登校を待っていてくれました。今はまだ五分咲きくらいかな…?

今週中には満開になりそうですから、ぜひ毎日愛(め)でに来てあげてくださいね。

また、玄関近くに1本ある桜も、アーチェリー場の周囲の桜の木々も大変美しいです。

今から、ここから始まる皆さんの日々を応援してくれていますよ。

期待・ワクワク 1年という時間

 3月の声を聞いてから、47名の3年生を送り出し、49名の新入生が決まり、そして昨日は1・2年生の単位認定を行いました。

 1年間という時間は短いようで長く、長いようで短いものです。1日1日の過ごし方が積み重なって1年という時間を創り上げていきます。時間は決して過去には戻らず、常に未来へと進んでいきます。今日の自分の心がけや心映えが明日の自分につながっていきます。元日の経験からも今日という何でもない1日の大切さを痛感した皆さんです。夜、お布団に入った時、今日一日の後悔が少しでも少なくなるように、これからも過ごしていきたいものですね。

 また、人生は選択の連続です。授業では答えのある選択肢ばかりを解いていきますが、人生の選択肢には正解がありません。選択した方を正解にしていくように努力することが大切です。悩んだ時にはとにかく一人でも多くの大人(先輩)に相談すること。情報を整理して自分の力で決めること。自分で決めたことは自分で責任を持って、これまで以上に自分で歩いていくことが大切です。自分で選択した方を正解にすることや、もっと言うと自分で選択できないことでも自分が置かれた場所を正解にすることが出来るようになると、人生どんな場所や境遇でも楽しみながら自分を成長させていけるようになります。

 今、後期生徒会のメンバーが、行事の際のスマホ利用を認めてほしいと、時間をかけて方策を練り、皆さんに協力をお願いし、実行(試行)まで漕ぎつけようとしています。前期生徒会からの悲願を受け継いでの試行です。1年という時間の中で、生徒会の先生方と何度も相談しながらここまで来たことに純粋に敬意を抱くとともに、この情熱が皆さん一人ひとりに届いて、自分たちで決めたルールを自分たちでしっかり守っている姿を見せてほしいと願っています。

 1年という時間の中で、皆さんが確かに「向陽生」として成長したこと、21日の姿を楽しみにしています。

 

 北校舎への通路は…  

                          1年という時間の中でいしかわ特支高等部への通路へ

ハート ありがとう

 昨日は「国際女性デー」でした。今日は「ありがとうの日」です。多くの人に「ありがとう」という言葉が届くように、NPO法人『HAPPY&THANKS』によって制定された日で、2007年に日本記念日協会に認定されました。多くの記念日の中ではまだ生まれたてという感じですが、ありがとうという言葉は日本人が大好きな言葉の一つですから、毎日が「ありがとうの日」といってもおかしくないくらい使っていますよね。人の言葉や行動、思いに感謝する気持ちと言葉を常に持って生きているって、素晴らしいことだなぁと思います。逆に、身近な人には思っていてもなかなか改まって伝えられない言葉かもしれませんが、言葉は声に出して(或いは文字にして)伝えてこそのものです。「ありがとうの日」にかこつけて、家族に感謝の言葉を伝えるのもいいですね。

 そうそう、「3月9日」といえばレミオロメンの名曲です。平成22年3月の卒業式。答辞のBGMにこの曲のオルゴールVer.が流れて、もらい泣きしたことが昨日のことのように思い出されます。

  瞳を閉じればあなたが/まぶたのうらにいることで/どれほど強くなれたでしょう

 困ったとき、疲れた時、嬉しくてたまらない時、まぶたのうらにいる人に、思いを込めて・・・「ありがとう」。

 

    

お祝い 卒業式の日に…

このHPのTOP Pageがそっと変わりました。気づいてくれた人はいますか?

桜色の背景に「祝! 卒業! 今、新たな世界へはばたきます!!」の文字。 

46人の晴れの日を、職員一人ひとりがそれぞれの場所からお祝いしてくれています。

 

「それぞれの場所で出会う人とのつながりを大事にしてください。」

 PTA会長さんの祝辞の中の言葉です。周りの人が差し伸べてくれる手に感謝し、手を差し伸べられる人になること…とても大切なことを教えていただきました。

 

「コロナや工事などで多くの制限があった中でもいつも前向きに、工夫をしながら乗り越えてきた先輩の姿を忘れずに私たちも頑張っていきたい。」

 送辞の中の言葉です。卒業生の皆さんは、課題にぶつかった時の大切な姿勢を後輩たちに教えてくれていました。

 

「困難に直面した時ほど力を合わせて立ち向かう。能登の復興に向け、私たちも石川県の若者として、それぞれの場所で行動していく覚悟です」

 答辞の中の言葉です。心が震えました。課題山積の本県ですが、若いあなた方と力を合わせて頑張っていきたい…改めてそう強く思わされました。

 

 

 これから皆さんが出会うであろう多くの人々や言葉が、皆さんを支え、助け、光ある方へと導いてくれるものであることを、いつも、いつまでも祈っています。

 

 追伸:式辞の中でお話しした藤井聡太さんが色紙に書いた言葉は

   「雲外蒼天(うんがいそうてん)」。「雲の外には青空が広がっている」

    というところから、「どんな試練でも努力して乗り越えれば青空が望める

   (=必ず良いことが待っている)」という意味で使われています。 

 

朝 東風吹かば…

 このタイトルの続きがわかる人はいますか?修学旅行で太宰府天満宮に出かけた2年生ならわかるかな?

   東風(こち)吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ

 そう、菅原道真の詠んだ歌ですね。結句が「春を忘るな」として収められている歌集もありますが、歌意は「春風が吹いたなら、香りを(京の都から太宰府まで)送っておくれ、梅の花よ。主人の私がいないからといって、春を忘れてはいけないよ」というものです。

 3連休の真ん中の日、北陸中日新聞に「あるじなしとて 春を忘れぬ」という小見出しとともに、能登の倒壊した家屋の庭で咲いた紅梅の写真が掲載されていました。その記事を読んでいた私の母が「今年の場合は本当にそうだねぇ」とそっと呟きました。母は齢80を超え、故郷を離れざるを得なかった同じ年頃の方々のことが気になって仕方がないようです。故郷に住み続けることも、離れることも、再び戻ることも、大きな大きな決断です。長く生きてきた人生の中で一番安心してゆっくりと過ごしてほしい年ごろなのに…と思います。今、能登で起きていることは、日本のどこでも起こりうることと考えて、解決していかなくてはいけないことが、いくつもいくつもあるなぁと思います。80歳になるまでにはもう少し時間のある私と、たっぷり時間のある皆さんとで、周りの高齢者の方々のために何かできること、動けることはないでしょうかね。

 春が来たことを忘れずに、誰もいない場所できっぱりと咲いた梅の花の姿は、どんなにしんどい日があろうと、必ず花開く日がまたやって来ることを信じさせてくれているようでした。1・2年生の皆さんが今しんどいのは、目の前のテストですね。残り3日です。自分の中で「今年度一(いち)勉強した!」と言えるような頑張りを期待しています。

 

  追伸:1月16日のブログ「2枚の年賀状」でお話しした珠洲市のお友達に、ようやく会ってきました。

 

 

 

ハート 能登はやさしや土までも 水戸はやさしや人までも

 今日のブログは長くなります。読んでもらえなくなるかもしれないけれど(笑)、どうしてもお話ししたいメールをいただいたので、よかったら最後までお付き合いください。能登地震に関連するお話なのでつらい人は無理しないでくださいね。

 茨城県の教育委員会で働いているお友達が、石川県への災害救助のための職員派遣に自ら志願して9日から13日まで、能登町に来てくれていました。午前4時に富山の宿泊施設を出て、3時間かけて能登町に入り、避難所での支援活動を12時間行い、また3時間かけて22時に富山まで戻ってくるというスケジュールだったそうです。同じ茨城県の職員さんと来られていたので、会っておしゃべりしたりということはできなかったのですが、茨城県に戻った翌日、メ ールをくれました。以下がそのメールです。

 『昨夜8時ごろ水戸に帰ってきました。能登町役場にお昼前まで残り、次のグループに業務の引き継ぎをしておりました。

 約1ヶ月半が過ぎ、役場職員の皆さまを先頭に急ピッチで復旧が進んでいました。電気は全面的に復旧しましたが、水道がおよそ5割というところです。

 私が担当した能登町の避難所には、愛すべきオジーオバー(親しみを込めてそう呼びます)を中心に36名が大ホールに段ボールベッドを並べて生活していました。

 支援2日目には、あるオバー(77歳)が、我々2名の茨城県職員のために、炊き出しの列に並んでくれて「ワシは食えんさかい、あんたら食べんしゃい」と言ってパスタをもらってきてくれました。食べようとした時、嬉しくて目から汗が溢れてきて皿が見えなくなりました(笑)

 また、そのオバーの姉のオバー(80歳)は、私が避難所に宿泊(夜勤)したとき、ソファを並べてそこに布団を敷いてくれました。しかもオバーが普段使っている座布団を、私の枕にと提供してくれるサービス付き(笑)

 町民の皆さんのお手伝いに来たはずが、こちらが元気をいただく結果になりました。わずか3日半の担当でしたが、皆さん「また来てくれ」と言ってくださり、特に、パスタを運んでくれたオバーは私の帰り際に「ちょっと寂しいけどな」なんて言ってくれました。

 役場の職員の皆さんは、発災当初の地獄のような大混乱を越えて、穏やかに落ち着いて(心の中は毎日不安がいっぱいだと思います)インフラの復旧と支援部隊のコントロールに集中していらっしゃいました。敬意を払うべき行政マンだと思いました。

 おそらく輪島や珠洲など能登地方全域、石川県全体が温かく誠実な人がたくさんいるんだろうと感じました。そういう住民や行政マンがいる限り、外からの支援は絶えず、確実に復興するものと想像できました。

 以上、石川県の土地にお邪魔した報告です!』

 

 私は、このメールが途中から読めなくなりました。胸に温かいものが広がって、お友達の温かい笑顔も思い出されて知らないはずのオバーの笑顔まで見えてくるようでした。私たちの県は多くの周りの方々が差し伸べてくれる手に守られ支えられてひと月半頑張ってきました。現地での支援のお仕事は大変だったと思うのに、そんな私たちの静かな踏ん張りを見つけてくれて、能登や石川県のことを、これまで以上に温かな思いで見守ってくれる方がいて下さることに改めて励まされました。

 「能登はやさしや土までも」とは古くから言われている言葉で、お友達のメールからもわかるように本当にその通りの土地柄だと思います。そんな能登を守っていくために、茨城県から来てくださった職員の方々をはじめ、全国各地から色々なかたちで支援して下さっている皆さんのやさしさに今は包まれながら、私たちも踏ん張っていきたいものです。いつかまた石川県から周りの方々に優しい笑顔をお返ししていける日まで…。

ひと休み 新聞タイム

 2月7日(水)の読売新聞2面の「よみうり寸評」には胸打たれました。ガツン!と言う感じではなく、ティッシュペーパーに水気の多い絵の具を垂らした時のように、スーッと心に沁み込んでいくような記事でした。興味のある方は、生徒玄関に掲示してあるので読んでみてください。

 毎朝出勤して、4紙に目を通します。眺めるといった方が適当かもしれませんが、そんな中に胸打たれる記事を見つけた時は幸せな気持ちになります。スマホでもよくニュースをチェックしますが、私の嗜好に合った記事がチョイスされて出てくるので、新聞を広げた時のような俯瞰性はないですし、意外性も少ないです。新聞には(えっ?)とか(おっ!)がちょこちょこあるので楽しいのです。

 同じく2月7日の北國新聞には、総務省が行った2023年家計調査で、すし(外食)の1世帯当たりの支出額について、金沢市が2年連続1位になったという記事がありました。そう言えば家族で外食という時に「〇ま寿司」や「〇〇ロー」や「〇り〇り寿し」や「〇天すし」に行くことが多いかも…と思わずにんまりしてしまいました。では、ここで問題です。以下に挙げるものの中で、ほかにも金沢市が全国1位になったものはどれでしょうか?

 1 カレールウ  2 コンタクトレンズ  3 アイスクリーム・シャーベット  4 もち  5 手芸・工芸材料   

答えは、これまた生徒玄関にこの記事を掲示しておきますので、「えーっ?そうなの??」と皆で楽しんでください。図書室でも毎日4紙が読めるようになっています。同じ事件の見出しや記事の大きさ、どんな視点から書いているかを見比べてみるのも面白いですよ。SNSネイティブでもあるZ世代の皆さんですから、なおのこと、大きな紙を広げて眺めてみてほしいと思います。そして、自分の感性にビビッと来たオモシロ記事を見つけたら、ぜひ校長室に来て私にも教えてくださいね。

キラキラ 桃の花

 今日は大変嬉しいことがありました‼️

 2年生の濱島桃羽さんの読書体験文(感想文)が、全国のコンクールで入選したのです。このコンクールですが、各県で選ばれた5人の作品が全国のコンクールに集まって審査されます。

 石川県の中で5人!本当にすごい倍率です。

 今年度は3年生の写真部の田中さんの作品も全国出品されました。文化・芸術面での全国レベルの活躍が2つもあった素晴らしい年です!向陽高校、恐るべし!まだまだいろんな才能が花開くのでは…とワクワクします。

       

 

 生徒指導室のそばの窓。華道部さんが生けてくれた桃の花が春の訪れを伝えてくれているようでした。

 今日は震災からひと月目ということで、黙祷を捧げました。止まない雨はない。明けない夜はない。みんなの心に春が訪れますように…。職員室の前の花一輪にも心が慰められた1日でした。

                                 

鉛筆 漢字の性格??

 今日は漢字検定の日。教室の後ろからそっと覗くと、皆さんは、目標とする級に向けて勉強してきた力を一心に振り絞って答案を書き上げていましたね。漢字検定の場合は読み書きだけではなく、部首名や送り仮名、対義語に類義語、同音異字に同訓異字、四字熟語に熟語の構成、誤字訂正まであって、本当に日常使っている漢字のあらゆる側面からの出題がなされます。そして、今、あなたが身につけている総合的な漢字の力を「〇級」として認定されるのです。

 以前、国語の教科書に「漢字の性格」という金田一春彦さん(国語学者)の短くてとてもわかりやすい文章が載っていました。(えっ?漢字なのに性格があるの?)——そうなんです。漢字は表意文字という性格を持っていて、発音と一緒に意味を表す文字なのです。世界の文字の多くが音だけを表す表音文字なので、漢字って複雑とも言えるし、世界に類を見ない凄い文字なのです。だからそれを使いこなすことのできる私たちは相当に優秀な民族と言えるのですよ。(なぜなら私たちは漢字以外にひらかな・カタカナという表音文字も使いますし、ローマ字まで使っちゃう。これらが全てミックスされた文章もすらすらと難なく読めてしまうのですから素晴らしすぎる!!)

 話がそれましたが、その文章の大まかなあらすじは、漢字は意味も持っている字なので、見た目のインパクト、力がすごいし、組み合わせて色々な言葉を作ることが可能なんだというものでした。確かに「き」とか「キ」と書いてあっても(…?)という感じですが、「危」と書いてあったら近づかないようにしますよね。あと、「校」という漢字には「学校」という意味があるので「登校」「下校」「来校」「校舎」「校則」などその意味を使って幾つも熟語が生まれていきます。英単語だと一つ一つ覚えていかなくてはいけない表現を、漢字は3級ぐらいまでのものを一通り覚えてしまうと、世の中の色々な文章や言葉の意味が小学生でも理解できる場合があります。まさに万能選手の文字なのです。

 漢字が大嫌い…という人はたくさんいると思います。でもその多くは小学校からの漢字ドリル・漢字テスト・漢字練習帳の経験がトラウマになっているのではないかと想像します。同じ漢字を何度も書きなぐって勉強してきた人も多いと思いますが、そんな勉強の仕方を少し変えるだけで世界が広がっていきますよ。今日の検定の結果は結果として、使いこなせる漢字の数を少しずつ増やしていくことで、自分の中の言葉や表現の範囲を広げ、世界を大きくしてみませんか?

 最後に、漢字検定、お疲れさまでした。少しでも多くの人が合格していますように!そして、向陽高校の校舎で一緒に受検していた金沢北陵高校の生徒の皆さんも、たくさん合格していますように!!

    

         

雪 大寒の日に頑張る向陽生

 1月20日 大寒。1年で最も寒くなると言われている日です。

 校長室ブログは本日30本目となります。4月26日に「初つぶやき」をしたときに、私は、「気がつくとあっという間に過ぎてしまう大切な毎日の『キラリ』としたものを、できるだけ心に繋ぎとめることができれば…そんな思いで綴っていきたいと思います。」と述べています。そして、この日は、部活動後に必ず校長室前で挨拶をしてくれるサッカー部さんを「初キラリ」さんとして掲載しています。

 あれからあっという間に時が流れ、この9か月の間に、たくさんの「キラリ」さんたちに出会いました。「青春(アヲハル)」って本当に素晴らしい。どんな場面を切り取ってもあなたたちはキラリと輝いて見えます。そのことに気づかないまま走り抜けてしまった自分の「青春(セイシュン)」に対するregretがそんな風に感じさせるのかもしれません。

 大寒の今日は、朝から学校で頑張っている「キラリ」さんたちがいました。「土曜補習?ありえん!めんどくさ~い」そんな声が聞こえてきそうですが、自分の夢に少しでも近づくために、土曜補習の受講を希望して頑張って受けている人たちがいます。土曜日の学校ですから、暖は丸ストーブのみ…それでも先生と言葉を交わしながら勉強に取り組んでいます。

 地震の影響で学校や自宅で勉強できなくなった高校生や中学生が、親元を離れて、受け入れ先の施設や学校で頑張っています。学ぶことが何よりも楽しいという人は多くないかもしれません。でも学ぶことを突然取り上げられた時、「学ぶ」という行為に打ち込めることの価値というか、かけがえのなさというか、そういうものを感じている中高生は多いのだろうと思います。学べる場がある。共に学ぶ友達がいる。本当に素敵なことですね。

 来週も続けて行われる土曜補習は、1年生が今年7回目。2年生は12回目の補習になります。本当によく頑張ってきた本校の「キラリ」さんたちです。