校長室ブログ

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虫眼鏡 それぞれの探究活動DAYS

 先週の新人大会の余韻も冷めやらぬ中、今日から2年生は北九州方面への修学旅行に出かけていきました。また、1年生は金沢学院大学でDXセミナーを受けてきましたし、3年生は金沢学Ⅱの学びの集大成に向けて、金沢市内や森本地区へのフィールドワークに励んできました。

 ネットやチャットで本当に多くのことを知ることができる時代ですが、生身の体を通して「見る」「聞く」「話す」「触れる」「味わう」体験というのは、自分の中に鮮烈に残るものです。世の中にはまだまだ知らなかったこと、思い違いをしていたこと、想定を超えてくることなどがあふれています。(もっと知りたいかも…)とか(何でこうなるんだろう…)と思えることを大切にして、ネットやチャットを使って情報を集め、もう一度自分の頭や心で考えてみることや、それを友達に話してみて感想や意見をもらいながら考えを補強していくことで、人はグンと豊かになります。

 「探究活動」とは、自分の体感や実感を大事にしながら、自分(の考え)磨きや自分づくりを楽しむ生き方そのものなのではないかと、皆さんの様子を見ていてそう思います。

 この世に一人しかいない自分づくり…せっせと磨きをかけていきましょうね。

ハート 地域ボランティア清掃

 今年も向陽高校恒例の地域ボランティア清掃が、教育ウィーク中の11月5日(火)の半日を使って行われました。

 1年生は湖陽町の湖陽緑道公園を、2年生は湖陽児童公園や大場町コミュニティセンターを、そして3年生は森本駅とその周辺の清掃を行いました。急に気温も下がり夜来の雨も心配されましたが、草むしりやゴミ拾い、窓ふきなどに黙々と取り組む頼もしい姿があちらこちらで見られました。ここに本校があることをいつも温かく見守って下さっている地域の方々への感謝の気持ちを、今年も清掃活動というカタチで少しでも表すことができて良かったです。

 ところで、昨年もこの日の皆さんの姿を見ながら、何か温かい飲み物で迎えられたら良かったなぁと思っていた気持ちを、今年は、PTAのお父様やお母様方のご協力を得て、形にすることができました。「あたたかい炊き出しでお迎えプロジェクト」は多くの保護者様からいただいたたくさんのお野菜を使って、6つの大鍋にめった汁を作り、肌寒い中、掃除に励んで帰ってきた子供たちや教職員の心と身体を温めることができました。

 一心に掃除に励んでくれた生徒の皆さん、お疲れさまでした。様々なかたちでご協力いただきました保護者の皆様には、本当に有難うございました。

            

お知らせ 大人になる者として

 今年も早いもので残り2ヶ月となりました。1日ずつ年を取り大人にならんとしている皆さんに、3つお話ししようと思います。

 1つ目は先週末の選挙です。というよりも、その選挙に向けて、本校の選挙管理委員の皆さんがお昼休みに呼びかけてくれていた放送の話です。本当に素晴らしい呼びかけでした。文章も素晴らしかったですが、それをマイクに向かって読み上げている選管さん一人一人の声が本当に良かったです。「若い私たちの声が届く人を、若い私たち自身がしっかり選んで、若い私たちにとっても住みやすい世の中にしていきましょう…」。

 まさにその通りです。彼らの声は、このことをスッと胸に落としてくれて、選挙に行こう!しっかり選ぼう!と思わせてくれるものでした。先週の選挙では、有権者全体の投票率が53.85%でした。10代に限定して見てみると、18歳の有権者は49.21%の人が投票していますが、19歳が36.67%と低く、10代投票率は43.06%。前回の選挙を下回りました。投票は大人の一人として与えられている権利です。期日前投票などもありますから、皆さんには有効にこの権利を行使してほしいと思います。

 2つ目は昨日の避難訓練のお話です。金沢市駅西消防署から来て下さった消防士さんが何度も「今日お家に帰ったら、何か一つでも良いから防災への備えをお願いします。」と仰ってくださいました。皆さんは昨日、何か一つ意識を持って家族と話をしたり、場所の確認をしたり、いつも身につけておきたいものを確認したりしましたか?訓練に真剣に臨んでおくことの大切さを、私たちは痛いほど味わいました。訓練が訓練であるうちに、頭で考え体できちんと覚えておくことが、本当の災害であなたを守り、家族を守り、周囲の人々を守ります。周囲の人を助けられる年齢のあなた方には、できる限り早く避難する、友の安否を確認しながら避難する、避難場所に着いたらスグにいない人の救助を要請するということを、他人事ではなく自分事としてしっかりと心に留めておいてほしいと思います。

 3つ目は本日11月1日より罰則規定が厳しくなった自転車の運転マナーのお話です。自転車の運転中の携帯電話の使用は6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金ということになりました。まして、それが原因で交通の危険を生じさせた場合には、1年以下の懲役または30万円以下の罰金となります。これに違反したり、※このほかの危険行為を反復して行ったりしたら「自転車運転者講習制度」の対象となり、講習を受けなくてはいけません。まさに自動車の免許を持っている我々大人と同じ扱いですね。自転車は高校生にとって必要不可欠な乗り物です。大変便利ですが、乗り方を誤ると大変危険なものにもなります。罰則規定があるからではなく、自分も相手も安心・安全に過ごせるように、ルールを守って運転することを心がけましょう。(※ 信号無視、指定場所での一時不停止、遮断踏切立入、安全運転義務違反、通行区分違反など)

 3つのお話、哀しいことですが、大人でも大丈夫かな…という人はいます。だからこそ、皆さんには権利や責任、ルールといったことを受け止めて、真摯に大人になっていってほしいと、そう願っています。長いうえに説教臭い話になりました。でも、選管さんたちの堂々としたまっすぐな声をこのまま大切にしてくれる大人になってほしい、そう思ったら止まらなくなっていました。次回は短め・軽めで頑張りますね。

本 読書週間が始まりました

 2024年の読書週間が昨日から始まっています。本校の図書室にも新刊本が続々お目見えし、皆さんんが手に取ってくれるのを待っています。スマホの中で読む人も多いかと思いますが、本の重みや、前のページの記述の確認、残り数ページになってくる感覚など、書籍でしか味わえないことがいくつもあります。読書週間の時だけでも本を手にしてみてほしいと、昭和な私は願っています(笑)

 おすすめ本ですが、「博士の愛した数式」(小川洋子著)、「夜のピクニック」(恩田陸著)、「たゆたえども沈まず」(原田マハ著)、「栗山ノート」(栗山英樹著)、「もうあかんわ日記」(岸田奈美著)…と硬軟合わせて色々とありますが、一番のお薦めは本屋大賞を受賞した宮島未奈さんの成瀬シリーズ「成瀬は天下を取りに行く」と、その続編の「成瀬は信じた道を行く」です。笑いながら読めて、でもジーンと胸が温かくなってくるそんな短編が並んでいるので、大変読みやすいです。

 読書なんて大嫌い!と思っている人がいるかもしれませんが、子供の時に食べられなかったものが年を取って久しぶりに口にしてみると食べられるようになっていることがあるように、本を読むという行為も、年齢を重ねて人生の体験が加わってくると、自分にピッタリ合うことや合う時期があります。昔、すごく嫌いだった人も久しぶりにページをめくってもらえたら嬉しいです。

 因みに、普段はゆっくりページを繰る時間がなかなか作れなくてオーディオブックで聴読していることが多い私ですが、読書週間が始まった昨日から、「いま読む『源氏物語』」(角田光代 山本淳子 著)を読み始めました。「源氏物語」に関する書籍はこれまでにもたくさん読んできましたが、このお二人が書いているとなると、読まずにはいられないということで、暇を見つけて読み進めています。

 読書週間自体は11月9日(土)までです。読書週間が読書習慣になったりするとスゴいですね。また読んで面白かった本のお話など聞かせてもらえたら最高です。

飛行機 秋の空

 朝、皆さんの登校を待つ場所から、秋空を写してみました。工事の覆いに切り取られて実に青い空が広がっています。清少納言は「秋は夕暮れ…」と仰っていましたが、私は「秋は雲…」とここ数年思っています。夏の終わりの入道雲から始まって、秋になると神様が色々な種類の筆で青く澄みきったキャンパスに自在に白の絵の具を置いているような、そんな絵が広がります。それぞれの雲にはちゃんと名前もついていて、「うろこ雲、いわし雲、さば雲」といった波状雲。「ひつじ雲」と呼ばれる叢雲(むらくも)。ハケですーっとはいたような「すじ雲」など、秋だなぁと感じる雲を見ているのは楽しいものです。

 時に、「〇〇と秋の空」とよく言いますが、これからの世の中ではこういうたとえ方も少なくなっていくのかもしれませんね。また「天高く馬肥ゆる秋」もよく聞きますが、確かに秋の空は高く見えます。これは気のせいではなく、高気圧の出方と雲の種類に原因があるのだそうです。興味のある人はネットで調べてみてください。因みに冬の夜空が美しいのにもちゃんと理由があります。何気なく目の前に広がっている空ですが、そう思うととても神秘的ですね。

 大きな自然の前には、自分の悩みが小さなものに思えてくることがあります。のんびりと秋の空を眺めて、穏やかな気持ちを取り戻せると良いですね。今週もよく頑張りました。来週も元気に登校してくださいね。

     

          

 おまけです。この赤も好き。