学校日誌

2020年8月の記事一覧

ほりほりの部屋Vol.24「『なりたい自分』を信じて~『不東』って?~」

 皆さん、こんにちは。堀です。学校再開3日目です!今日から錦中も再開!8月中旬に錦丘学園全生徒登校!これもいわゆる、“New Normal(新たな日常)”なのかしら??コロナ対策と熱中症対策、両方にらみながらの~~~GAT!!

 

 この写真は、諸君や錦中が誕生した頃、奈良の薬師寺にて堀がいただいた御朱印です。玄奘三蔵法師の肖像朱判の上から力強い筆致で書かれている「不東(ふとう)」というコトバ、見聞きしたこと、ありますか?「ふとう」を諸君のスマホやパソコンで変換しても、「不当」とか「不等」、「埠頭」、「不倒」くらいで、あとは人名として数件ヒットするくらいでしょう。「不東」には、あまり一般的ではないコトバであるがゆえのインパクトがあります。そして、中国、唐時代の僧、玄奘三蔵法師が使ったコトバとして添えられると、ひとかたならぬ強烈な意思を表明する際に使うコトバだということが想像できる人もいるのではないでしょうか?

 世界遺産の薬師寺はまさに国宝の宝庫。金堂に安置されている本尊の薬師三尊像(特に月光菩薩!惹かれます!)、再建された東塔・西塔(再建前の方が好きかも。寂れた感じで。)、伽藍北側に位置する玄奘三蔵院内の「大唐西域壁画」(日本画の巨匠、平山郁夫画伯が30年<!>かけて完成・奉納。これだけでも一見の価値あり!絵が仏様であり、信仰の対象。行くと必ず、時を忘れてたたずんでしまいます。)等々、見所満載。ここを中心にした奈良大和路の旅、是非とも実現してください。一人一人の興味関心がばらつくので、団体ではなく、自由な一人旅がオススメ。古(いにしえ)の都、日本人の心のふるさと、奈良。時間をかけて、じっくりと回るプランで。<ちなみに「なら」という音は、韓国(朝鮮)語では「みやこ」の意。福井県に「若狭」という地名がありますが、この「わかさ」という音は、韓国(朝鮮)語では「いりぐち」の意。古代、朝鮮半島(韓半島)から海を渡り、大陸の先進文化を携えた「渡来人」が、「いりぐち」(若狭)から上陸し、通称「鯖の道」を辿り、「みやこ」(奈良)を開いたというワケ。つまり、「奈良」も「若狭」も表意文字ではなく、表音文字と捉えると納得。奈良に春を告げる風物詩「お水取り」という行事の由来とも関係あり。ルーツに共通点が多いのに、長い年月に渡る仲良かった歴史があるのに・・・なぜ、現代の日本と隣国は・・・タメイキ。悪化したのは、ここ数十年のこと。きっとまた、仲の良い隣人に戻ります。さらに、ちなみに、日本人の祭礼、お祭りに欠かせない御神輿(おみこし)。天高く担ぎ上げる際のかけ声は?そうです。「わっしょい!わっしょい!」ですね。これも、「ワッソ!ワッソ!」がなまったコトバ。韓国(朝鮮)語では、この音は「神様、ここに来て!」の意。大阪四天王寺には、その名も「ワッソ祭り」が実在し、舟に似せただんじりが町中練り歩き、そのだんじりには半島から渡来した人々が乗っており神様と崇められているそうな。なんとなく「チコちゃん」に出てきそうな話題??>

 玄奘三蔵法師は、実在した中国(唐時代)の僧で、西暦629年27歳の時、陸路、(密)出国し、インドの街ガンダーラを目指しました。<あ~、今、堀の耳には、ゴダイゴの「ガンダーラ」(1978年10月リリース。堀、高2の頃の大ヒット曲。ググってね。)のサビの部分がリフレインリフレイン“In Gandhara, Gandhara. They say it was in India.”ちなみに、ゴダイゴのボーカル、タケカワユキヒデさんはこの当時、東京外大在学中。その英語の発音にあこがれましたっけ。>中国から西の方角、インドを目指し、極めて険しい山道(チベット越え?)を、西へ、西へと。仏教の僧侶として原点に返り、仏教発祥の地で仏教を極め、母国に本場の経典や仏像を持ち還り、母国で正しい仏の道を広げんがための行為でした。この一見無謀な、しかしながら、純粋な志を抱いて「西方浄土」を目指した際、自分を戒めるために吐いたコトバ、それこそが「不東」だったのです。宗教人としての「なりたい自分」になるまでは、経典を持って還るその日までは、東の方角にある母国へは、ふるさとへは帰らない、東には戻らないという強烈な意思表示、それが「不東」というコトバに込められているのです。御朱印の玄奘三蔵法師の姿は左向きに描かれています。つまり、西をひたむきに目指しており、右向きに、つまり、東を決して向かない姿を表したものとされています。玄奘三蔵法師は、実に16年後の西暦645年43歳の時、600点以上の経典や仏像を携えて帰国。それまでの誤訳を修正しつつ、正確な経典翻訳に尽力し、正しい仏教の布教に努めたとのこと。(宗教家であると同時に翻訳家。語学にも精通。)また、インド巡礼の旅の様子を「大唐西域記」として残しています。<さらには、この巡礼の旅は、後にフィクションである中国の「西遊記」のモデルともなりました。お供に、孫悟空(サル)・猪八戒(ブタ)・沙悟浄(日本ではカッパ)を連れだって。さらにさらには、日本で「ドラゴンボール」に?!(「おら、悟空!」野沢雅子風に。)さらにさらにさらには、この漫画が英語をはじめとする様々な言語に翻訳されて全世界へ!ついには中国へ逆輸入!コトバって面白いよね。>

(シアトルの書店にて購入。米語では、「日本の漫画」のことを“otaku”と言います。なので、米語の“I love otaku.”において、愛を注ぐ対象は、人ではなく、日本の漫画ということ。誤解なきよう。アメリカの書店には“OTAKU”と大きく書かれた「日本の漫画専門コーナー」があったりします。世界に誇る日本のサブカルチャーです!)

 さて、諸君はどうですか?「不東」と言えるまでの「なりたい自分」が見つかっていますか?自ら定めた、ぶれない目標、および、そこに到達するまでの手段方法が、具体的に見えてきていますか?確認ですけど、踏み台となる大学のことだけじゃないよ。その後のことも含めて。難しく考えなくてもいいんです。たとえば、こんな人がいました。「俺をベンチ入りメンバーからはずした、あのカントクを見返したい。だから、俺は石川県で高校の教員になる。そして、野球部カントクになって、あのカントクのチームに勝つ!!なので、高校の教員免許がとれる大学・学部を目指す!」と言い、それなりにがんばったけど、残念ながら、浪人。その2ヶ月後、こう言いました。「やっぱ、ああいうネガティブなモチべーションだめやわ。切り替えます。父親よりも金を稼ぐ。できれば海外で。なので、大学は国際系か経済・経営・商学系。あるいは、その両方できるとこ。」この人は、就職5年目の28歳時点で、その父親の年収を上回り、現在、東京で35階建てのタワーマンションの最上階(分譲)にて、毎日富士山やスカイツリーを窓から眺めつつ、その窓は開けても蚊が入ってこず、幸せに新婚生活を送っています。お金の勉強、大切です。次回、「なりたい自分」を実現した石川県出身者の具体例を、教え子からのお便りを中心に書いてみます。ではでは。今日はこの辺で。CU ASAP!