第56回 石川県理科教育研究大会 河北大会
大会主題「小・中・高をつなぐ理科教育のあり方」
副題 ~「主体的・対話的に関わり合い、深い学びにつなげる理科教育」~
〔副題設定の理由〕
我が国が目指すべき未来社会の姿として、第5期科学技術基本計画(平成28年度から5カ年)に基づき、政府は「経済財政運営と改革の基本方針」の中で「Society5.0」実現に向けた方針を打ち出した。そして、文部科学省でも「Society5.0」を受けて、人材像や教育の在り方について発表した。「Society5.0」は、人工知能(AI)により、必要な情報が必要な時に提供されるようになり、ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題を克服し、世代を超えて互いに尊重し合い、一人一人が快適で活躍できる社会です。〔内閣府ホームページより〕
学校現場では、次期学習指導要領の本格実施に向けての準備を確実に進めている。2020年度、小学校で次期学習指導要領が実施され、中学校、高等学校でも順次実施されていく。中央審議会答申では「社会に開かれた教育課程」を重要な理念にかかげ、学校教育と社会が、よりよい社会を創造していく子供たちの育成に向けて連携・協働しながらその実現を図ることを求めている。そして、学校教育を通じて子供たちが身に付けるべき資質・能力や学ぶべき内容を、教職員のみならず子供たち自身が学び方の見通しとして確認する「学びの地図」の考えが示された。
学校が子供たちに身に付けさせるべき「資質・能力」として、「知識・技能(何を理解しているか)」、「思考力・判断力・表現力(理解していること・理解していることをどう使うか)」、「学びに向かう力・人間性(どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか)」の3つの柱に整理された。そして、この理念を実現するために必要な方策として「カリキュラム・マネジメント」の重要性と「主体的・対話的で深い学び」に向かう指導力の向上が求められた。「カリキュラム・マネジメント」では、教科横断的な視点で教育課程を実施し、地域等の外部人材を活用しながら教育目標の達成に迫っていくPDCAサイクルの繰り返しが大切である。また、授業では「主体的・対話的で深い学び」の視点に立った改善を実施し、「質の高い学びを実現し、資質・能力を身に付け、生涯にわたって能動的(アクティブ)に学び続ける力を育成していくことが求められている。科学技術が今後ますます発展する中で、科学技術創造立国を生き抜く力を身に付けさせていくことが求められる。
「理科が好き」で、身に付けた「資質・能力」を生かしながら我が国を支える人材を育成していく学校における理科教育の職責は大きい。そこで、本大会の副題を「主体的・対話的に関わり合い、深い学びにつなげる理科教育」とし、以下の重点を設定した。
【研究の重点】
① 自然の事物・現象から問題を見いだし、課題の設定や検証するための観察・実験方法を計画し、科学
的に探究する学習活動の充実
② 自然の事物・現象への課題解決型学習を通して、科学的視点で捉えながら自らの考えをもち、自分と
他者との考えを検討し改善する中で、自らの考えを深める学習活動の充実
③ 理科で学習したことと日常生活とを結びつけて考えさせ、理科を学ぶことの意義や有用感を学ぶ学習
活動の充実
公開授業と4分科会では、これらの中から何を重点目標としたかを明確にし、小・中・高の児童・生徒の学びが、発達段階に沿った連続した深まりとしてつながるようにしたい。
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