校長室より

Art Gallery 市高~10月~

 本校美術コースが行っている校内展示会のご紹介です。本校を巣立って行ったたくさんの先輩たちが残した作品から、テーマに合ったものを掘り起こし、校内に展示するという企画です。

 今回のテーマは『私の世界』。実は9月には展示が始まっていました。校長室に掲げてくれた作品をご紹介します。

 1枚目は「What clothes give.」堀口 和行さん(21期生)の作品です。ある洋服店の正面を描いた作品。ショーウィンドウには猛獣となった女性と頭にボールをのせた男性の熊がいます。店の中には数人の店員が・・「シー」と指を口に当てています。ドアでお客を招き入れようとしている店員(?)は全身ウサギの着ぐるみ。ちょっとうつろな男性が店へと誘われて行きます。暗闇にポツンと灯がともった店に入り、なりたい自分に変化する。私たちが持っている変身願望でしょうか。

 2枚目は胸像を描いた油絵です。「静物画」高田 美希さん(2期生)の作品です。なぜこの作品を選んだの?と展示に来てくれた生徒に聞くと、台の上にある一つのオレンジが作品全体に広がっていて、背景にはオレンジの実が描き込まれているんです、そこに独自性を感じました、と答えてくれました。なるほど、よく見ると背景にはオレンジの果実のブツブツとした房が描かれています。全体を覆うオレンジ色の世界。おもしろい作品ですね。

美術専攻の皆さん、いつもステキな絵を届けてくれてありがとうございます。

市高祭を終えて③~みんなで笑顔~

 シリーズ3回目です。前回は準備期間まででした。今回は当日の様子ということになりますが、それはすでにたくさんの写真が掲載されましたので、ここではクラスのみんなで撮った写真を紹介します。コロナ禍ということなので、マスクは外さない!が鉄則。ということで、残念なことですが、生徒達の笑顔は顔半分だけ。でも、こうしてレンズに向かってピースサインを作れば、彼らの笑顔はじわ~とにじみ出て、目に浮かびます。こんなふうにみんなで笑って撮る写真って、大人になってからあったかな~?なんて思ってしまいます。青春の1ページですね。(羨ましい)

       

市高祭を終えて②~全ては準備にあり~

 ある武道に秀でた方が「すべては準備にあります。準備が十分であれば、納得のいく結果がでます。」と語ってらしたのを聴いたことがあります。準備=練習を十分にすれば、それは良い結果につながるよね、当たり前でしょ、と思うかもしれませんが、その方の準備=練習は半端ではありません。誰もが、なるほど、と心の底から思うほどの練習(武道ですから稽古でしょうか)です。道場での練習だけではありません。その日に向けて体だけでなく、心も整えていくのです。達人とはそういったことができる人を指すのでしょう。

 学校行事も同じようなことが言えると思います。文化祭や体育祭の「その日」に向けて準備をする。係分担をし、道具や材料を集め、協力しながら創り上げていく。十分に準備をすれば、その結果もいい物となり、みんなが幸せな気持ちになれるでしょう。しかし、この全てを「満点」にするのは難しい。誰かが無関心であったり、(もしくは無関心を装ったり)、勝手に帰ってしまったり、思いやりにかけた返答をしたり。そういったことに傷ついて涙する生徒を何人も見てきました。行事に参加しないのも自由、その人の個性だ、と割り切れればいいのでしょうが、でも本当は一緒にやりたいのかも、とか考えてしまいますよね。どうしたらいいのか、疑問はいくつも浮かび上がりますが「正しい答え」はないと思います。大事なことは、思い残すことを減らしていくこと、勇気をもって話しかけ突破口を探し求めること、だと思うのです。「やらずに抱く後悔の方が深い」ですよね。

 次に載せる写真は準備の日に撮ったものです。みんなで話し合いながらベストを模索する、なかなかできないことですよね。いろいろなことを感じたり、経験したりするのも、大きな学校行事がもつ素晴らしい側面です。悩んだ分、迷った分、きっとあなたは成長していますよ。

      

 次は、準備のその後についてお伝えしようと思います。

 三藤 加代子

 

 

市高祭を終えて①~市高祭ARTのご紹介~

 まだまだ新型コロナの勢いが衰えませんが、今年は市高祭を実施することができました。全校の生徒達の熱い思いと努力が実を結び、100%の日程ではありませんでしたが、高校生活の1ページを鮮やかに彩ることができたのではないかと思っています。生徒のみなさん、お疲れ様でした。みなさんのパフォーマンス、素晴らしかったですよ!そして、忘れてはならないのは、行事を下から支え続けてくれた生徒会や部活動の生徒、たくさんの教職員の方々の力強く、思いやりにあふれた献身です。本当にありがとうございました。

 今回は、生徒達がデザインしたTシャツと団旗をご紹介します。

 青団、緑団、黄団、赤団、黒団 の順です。

 

 

 

 

 

 いかがですか?どの団も地の色の持つイメージを上手に使ってデザインしていると思います。ステキですよね。

 市高祭の2日間は、3年生がデザインした「団T」を1・2年生も着て過ごします。このような縦割りの活動は、小松地域で多く行われているようですが、後輩の面倒をいかによく見て、団結力を高めるかが3年生の腕の見せどころとなります。市高祭フィナーレの「解団式」では3年生(特に団長)が思いを後輩に伝えるのですが、どの団でも先輩たちの偽りのないまっすぐな想いが(時には涙とともに)後輩に伝わって行きます。「あぁ、学校っていいな」と思う瞬間です。

 次回は、私の視点で切り取った市高祭をお伝えします。

 

三藤 加代子

 

Art Gallery 市高~7月~

 7月の絵画をお届けします。今月のテーマは『納涼』です。盛夏から初秋にかけて校長室を彩ります。

 1枚目は、芸術コース30期生、寺脇杏珠さんの作品です。岩を伝って落ちる滝と滝壺が描かれ、暑い夏に「涼」を届けてくれます。自然を描いた作品かとおもいきや、滝壺の水面には、崖の上に立ち並ぶ高層ビルの陰が写っています。自然と人工の共存という見方もできる作品だと思います。

 

 2枚目は、芸術コース1期生、林千恵さんの作品、『静物油彩』です。ガラスの透明感は涼しさも伝えてくれますが、この作品のガラスの質感と静けさによって、しばし暑さを忘れることができました。