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「千葉の時代がやってきた! ~チバニアン期という時代の地球環境~」

                           亀尾 浩司 氏(千葉大学大学院理学研究院 准教授)

   亀尾浩司(かめお こうじ)氏は、1987年に金沢大学理学部地学科を卒業、1989年に金沢大学大学院理学研究科を修了された、金沢に大変ご縁のある方です。理学部の絈野義夫教授(北陸の第四系・新第三系層序研究の重鎮)と教養部の高山俊昭教授(石灰質ナンノプランクトン化石の日本のパイオニア)に大学時代から師事されて、石川県崎山半島や静岡県掛川地域の新生代の地層を調査しました。示準化石である石灰質ナンノプランクトンを詳細に分析して地質年代を決定し、古環境の変遷を明らかにしました。その後、帝国石油株式会社(現:国際石油開発帝石)に就職し、新潟鉱業所、技術研究所などに勤務されました。技術研究所在籍中に、秋田大学の佐藤時幸教授(石灰質ナンノプランクトン化石の第一人者)に師事されて、博士(工学)の学位を取得。1999年より千葉大学に移り、現在に至ります。これまでに、房総半島を初めとする日本の地層の地質時代を明らかにする研究や、国際深海掘削計画などにも参加し、微化石を中心とした地球科学的研究を行っておられます。

 教科書にも紹介されている地質時代「チバニアン」(ラテン語で“千葉の時代”を意味する約77万4千年前から12万9千年前までの時代)の地球環境の変遷について、チバニアンが国際標準として2020年1月に認められるまでのご苦労とあわせてお話いただきます。日本の地名にちなんだ名前が地質年代につけられることは初めての快挙であり、亀尾氏は、その申請グループの中心となる研究者の一人です。※先日、この研究グループは2021年日本地質学会賞を受賞しました。